ビジネスシーンにおいて可視化とは「業務に関する情報を、何某かの方法によって見える状態にすること」を意味します。業務内容や進行状況を可視化することは、事業成長のためにも業務改善に取り組むためにもとても重要です。この記事では「ビジネスにおける可視化」について、メリットや取り組みの方法を具体的に解説していきます。

可視化の基本的な意味

ビジネスシーンにおける「可視化」とは

可視化の本来の意味は「見えていなかったものを見える状態にすること」です。ビジネスシーンで可視化を用いるときもおおかたの意味は変わらず、「業務の進行状況や営業実績などの対象物を、特定の目的に合わせて、定量的に見える状態にすること」を指します。

「可視化」と「見える化」に厳密な違いはない

可視化と合わせてよく使われる言葉に「見える化」がありますが、明確な意味の違いはなく、どちらも本来見えていなかったものを見える状態にするという意味で用いられます。ただ、実際の利用シーンでは以下のように使い分けられます。

  • 「見える化」…抽象的・定性的な情報を明らかにする場合に使用
     例)業務の見える化、スキルの見える化
  • 「可視化」…定量的・具体的な情報を、目的に合わせて整える場合に使用
     例)メンバーの稼働時間を可視化する、営業成績を可視化する

あらゆる場面において、どちらを用いても問題はありません。

注意!可視化は目的ではない

勘違いしがちですが、あくまでも可視化は手段です。タスクの抜け漏れ減らすために進捗管理を徹底したい、属人化を防ぐために業務内容を明らかにしたいなど、何らかの取り組みのためのいち手段として可視化が用いられます。可視化自体が目的とならないよう注意してください。

可視化できている状態とは

では、どういう状態が「可視化ができている」と言えるのか、可視化のパターンごとに例をあげて具体的にご説明します。

定性的な情報を可視化するケース

ビジネスの中でも目に見えない定性的な情報は数多く存在します。それらを定量的な基準を設け計測しデータとして見られていれば、定性的な情報を可視化できていると言えます。例えば、従業員のモチベーションは本来目に見えない情報ですが、モチベーションの高さに合わせて1から5までの数値基準を設けて回答を集めることでデータ化できます。データ化することで、チームメンバー同士の比較や各社員のモチベーションの変化の確認ができ、今後の施策に活用できるようになります。

定量的な情報を可視化するケース

一方で、既に定量的に表されていても、それだけでは活用できなかったり理解しづらかったりする情報も多くあります。例えばメンバーの稼働時間や営業実績、エラー発生回数などです。これらの情報は、数値をまとめてグラフや図の形式に表すことで可視化され、状況の分析から改善の具体アクションに繋げられます。

ある状況を可視化するケース

ビジネスシーンではこのケースが最も多く見られます。業務の進捗状況を確認できるよう進行管理表を利用したり、業務の流れを明らかにするためにフローチャートを作成したり、各々の作業を手順書にまとめたりと、業務内容や進捗状況を何某かのアウトプットにまとめて明らかにできていれば、業務が可視化されていると言えます。タスク進行をスムーズにするだけでなく終了後の振り返りや業務の見直しに活用できるという利点もあります。

可視化の効果が出やすい業務の特徴と業務例

特に効果が出やすい業務の特徴

可視化はあらゆる業務に必要な取り組みですが、特に以下の特徴に該当する業務は効果が出やすいと言えます。

  • 業務を複数名で担当している
    業務を可視化することで、業務を複数名で分担している場合でも各自の進捗状況をリアルタイムに把握できます。また、マニュアル等で作業内容を可視化しておけば属人化を防止でき、同じ作業を他のメンバーでも対応できるようになります。
  • 同時並行で業務が進行する
    複数の業務や案件が同時に進行していると業務管理が煩雑になりがちです。フローと各ステップの状況を可視化することで業務全体を俯瞰的に把握でき、抜け漏れやミスを減らすことができます。
  • 業務の開始から終了までの期間が長い
    作業にかかる時間が長くなるほど、当初の計画とズレが生じやすくなるため、細かい進捗管理が大切です。反対に、1日や数時間で終了する業務の場合には想定通りに進むことが多いので、可視化の必要性は高くありません。
  • リモート、テレワークなどにより業務を直接確認できない
    遠隔地で作業が進行する場合は、チャットやメールを介したメンバーとのコミュニケーションでしか様子を把握できません。クラウドサービス等を用いた、オンラインでも状況把握するための取り組みが大切です。

具体的な業務例

以上の特徴を踏まえて、可視化が役立つ業務は例えば以下です。ご自身の業務でも当てはまるか、当てはめてみてください。

  • 営業管理業務(各メンバーの稼働状況の管理、CRMでの顧客ステータス管理)
  • 人事業務(複数部署の関わる入社/退社手続き、採用管理、人事異動の通達など)
  • 総務部の事務作業(クレーム・お問合せ対応、会議の手配など)
  • 社内の長期プロジェクト(生産性向上やIT化推進のためのプロジェクト進行)
  • 店舗ビジネス(本社と店舗/支社のやりとりが発生する、不動産や飲食業界など)

可視化による具体的なメリット

可視化には、具体的には以下のメリットがあります。

ミスやトラブルに即座に気づくことができる

担当者に任せているタスクの中で発生したミスやトラブルを、管理者が後から発見するケースも少なくありません。問題を大きくしないためには発見と解決のスピードが命です。業務を可視化しておけばリアルタイムに進行状況を確認でき、スピーディな対応に繋がります。

業務の効率化や生産性の向上に繋がる

定常的に発生する業務は無意識に処理してしまいがちですが、実はトラブルやミスが1箇所に集中していたりムダが生じていたりします。また、業務は複数の担当者が数珠つなぎで進めることがほとんどなので、業務の開始から終了までの流れがブラックボックスになりがちです。可視化により業務上の問題に気付けるだけでなく原因分析も容易になり、業務改善にも取り組みやすくなります。

定性的な情報も十分に活用できる

ビジネスにおけるあらゆる情報は定量化して初めて活用できます。例えば顧客満足度や従業員のモチベーションといった定性的な情報も、サービス・企業のパフォーマンスを表すとても重要な指標であり、定量的なデータとして管理しておくことで、サービス内容の最適化や次なる打ち手の構想に大きく貢献します。継続的な事業成長のためには、売上やコスト等の定量的な情報と合わせて、こうした定性的な情報も活用できる状態をつくるのがベストです。

おまけ|可視化に取り組む方法

最後に、業務の可視化に取り組むためにおすすめの方法をいくつかご紹介します。それぞれ関連した記事もあるので、参考にぜひご覧ください。

  1. フローチャートの作成: 業務全体を俯瞰的に把握できる
  2. 作業手順書の作成: 作業の流れと内容を細かく可視化できる
  3. ガントチャートの作成: プロジェクトのタスクとスケジュールを管理できる
  4. マイルストーンの活用: 業務上で意識すべきポイントが明確になる
  5. スキルマップの使用: 業務に必要なスキルと従業員のスキルが明確になる
  6. BPMの活用: プロセスごと業務をマネジメントできる

ちなみに、現在はあらゆる業種業界で可視化のためのクラウドサービスが開発されています。弊社では、定型業務に特化したプロセスマネジメントツール「octpath」を開発しています。こちらも合わせてご覧ください。

octpathイメージ画像

終わりに

ビジネスにおいてあらゆる情報の可視化は長期的に大きなインパクトをもたらします。まずは現在ご担当の業務を可視化できないか、一度確認してみてください。

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