BPM とは、「Business Process Management (ビジネスプロセスマネジメント)」の略称になります。ビジネスシーンにおいて業務フローや業務プロセスを管理し、継続的な業務改善を実現するための手法です。
本記事では、BPMについて概要を知りたい方を対象に、BPMが注目されている背景から業務への取り入れ方についてご紹介します。

BPMの意味と管理可能な業務

BPMとは

BPMは「Business Process Management (ビジネスプロセスマネジメント)」の頭文字を合わせた略称になります。継続的な業務改善を目的として考えられた管理手法がBPMです。
もう少し踏み込んで説明すると、業務プロセスを可視化し、継続的に生産性と効率性を管理・計測することで、プロセスを改善し続けるマネジメントの方法です。

どのような業務がBPMの管理対象となるのか

前提として「作業の流れやフローが決まっていて、繰り返し発生する定型業務」が管理可能な対象となります。逆に管理が難しい業務としてはプロジェクトのような「一時的な課題解決や目標達成を前提とした流動的な業務」はマネジメントの対象外です。
項目として、以下に該当していればBPMによって業務改善が行えます。

  • 作業の流れやフローが決まっている
  • 繰り返し発生する(日次・週次で発生するような頻度が高い業務)
  • 複数のメンバーやチームが連動しながら対応している

BPMに取り組むかどうかの判断ポイント

もしBPMに興味を持たれたら、まずは以下の内容について考えてみてください。その結果によって、BPMに取り組めそうか、成果が出そうかどうかが判断できる思います。

  • 業務改善したい対象は、マネジメント可能な条件に合致しているか
    • 作業の流れやフローが決まっている
    • 繰り返し発生する(日次・週次で発生するような頻度が高い業務)
    • 複数のメンバーやチームが連動しながら対応している
  • 具体的な目標や課題を挙げることができるか
  • 改善できた場合に会社や経営にもたらすメリットは大きいか

BPMがマネジメント手法として優れている点

BPMの前身となる考え方の一つにBPR(Business Process Re-engineering:ビジネスプロセス・リエンジニアリング)があります。似た言葉ですが、BPRは「業務改革」と訳すことができます。Re-enginieering(リエンジニアリング)という言葉からも業務プロセスや組織構造の再構築を表します。BPMとBPRの差異を端的に説明すると”継続性”になります。BPRは特定のテーマや課題を解決するための打ち手としてフローや体制の再構築を行いますが、あくまでも一時的な改善活動でした。しかし、BPMでは改善活動を継続的に実施することを前提としています。継続的なBPRを繰り返すことで、外部環境が変化しても柔軟な対応が可能となり持続性が高い業務プロセスが構築されます。少々乱暴に説明すれば、BPMはBPRが進化した形、ということができます。

BPMの特徴

ここではBPMの特徴を少し掘り下げます。BPMを構成する以下の要素が継続的なパフォーマンス改善を実現する根幹となっています。

プロセス指向である

業務の多くは開始から終了までのプロセスが決まっています。特定の部署・担当者が、決まった流れで順番に作業を進めていくことで業務が完成します。「プロセス」という言葉が含まれているとおり、BPMでは業務自体を手続き・順序が存在するプロセスとして全体を捉え、局所的なマネジメントではなく包括的な全体最適を実現します。

業務の流れをモデル化する

マネジメントの対象をプロセスとして捉えることで、業務の流れをモデル化する(特定の型として考える)ことができます。取り組みの具体的な流れでも記述しますが、モデル化することで、定量的に業務フローを捉え、問題点やボトルネックを視覚的に捉えることができるのです。

継続的な改善を前提としている

繰り返しになりますが、BPMを際立たせる特徴は「継続性」です。場当たり的な改善ではなく、対象事業の目的や価値を理解することで、常にそれらを意識した継続的な改善を実現できます。

BPMのメリット

続いて、BPMのメリットをご紹介します。

業務の標準化による品質の安定とマネジメント力の向上

BPMによって業務をモデル化すると業務プロセス全体が可視化されます。それによりマネジメントする管理者だけでなく、作業メンバーも業務プロセスについて共通認識が持てます。組織全体の業務プロセスへの認識が揃いマネジメントしやすくなるだけでなく、業務の属人性が低減できるので、作業品質についても安定と向上が実現できます。

部署を横断した業務改善の実現

マネジメント対象が業務プロセス全体であることから、業務に関わる部署や担当者のすべてを包括した管理となります。ただし、実態としては現場におけるBPMの管理範囲は様々で、特定の部署で閉じたマネジメントとなることも少なくありません。このようなケースでも徐々に管理対象の範囲を前後に伸ばしていくことで、より包括的に、業務全体に関わる全ての関係者を巻き込んだ業務改善が可能となります。

外部環境の変化にも柔軟に反応し最適化できる

継続的なマネジメントと改善を前提としているので、外部環境が変化した場合でも瞬時に気づくことが可能となります。さらに、変化に気づくだけでなく、改善活動自体が継続的に実施されている状況なので、その変化にあわせた業務プロセスの最適化も迅速に行えます。

リソースの最適化による業務効率の向上

業務プロセスが可視化されると各作業ごとに必要なスキルや対応が明らかになります。それにより、適した能力を持ったメンバーのアサインが可能となり、業務生産性が向上します。実際に適材適所を実現するためには個々のメンバーのスキルや能力についても可視化が必要です。スキルを可視化する手法となるスキルマップの作成方法について解説した記事も合わせて参考にしてください。

BPMの詳しい内容と具体的な取り組み方

BPMでは業務改善の流れをPDCAサイクルに合わせて行っていきます。
Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Act(改善)を継続的に繰り返し続けることで、常に最適な業務プロセスを実現し、高い生産性を維持できます。PDCAサイクルについては別の記事で詳細に解説されていますので、合わせて参考にしてください。

PDCAサイクルの流れを表した画像です。
BPMに取り組むためのPDCAサイクルの流れ

1. Plan(計画

このフェーズで実施することは以下になります。

  • 改善対象の業務を決定
  • 対象の業務プロセス及び生産性を見える化
  • 定量的な改善目標(KGI・KPI)を決定

計画においては定量的な目標設定ができるように意識してください。例えば、「ミスが多いから業務改善をして減らしたい」という場合、「1ヶ月で発生するミスの件数を現状のXX件からX件まで削減する」という形にしましょう。

また、計画を立てる前に重要となるのが「対象の業務の可視化・見える化」です。業務の現状を把握しなければ、目標を置くことも、そこまでの計画を立てることもできません。現状把握においてはBPMN(Business Process Model & Notation)というモデリング手法もありますが、そこまで厳密にこだわる必要はありません。
おすすめの方法は対象の業務に合わせ、必要最小限の要素に絞って業務プロセスのフローチャート(業務フロー図)を作成することです。フローチャートの基本的な考え方や作成方法をまとめた記事がありますので、合わせてご参考ください。

業務フロー図のサンプル画像です
業務フロー図のサンプル画像

また、目標を立てたら具体的な作業計画に落としていく必要があります。アプローチ方法は多岐にわたりますが、代表的なアプローチを紹介します。

  • 業務の廃止・統合…不要なプロセスや処理、作業を廃止・統合する
  • フローの再設計…業務の流れや方法を変更する
  • システム導入…作業を効率化するためにツールやシステムを導入する

2. Do(実行)

計画した目標に到達できるように、変更後の業務フローを実行していきます。
もし、大規模な業務で突然の変更が難しい場合は、Do(実行)フェーズを更に分割して、少しずつ業務を変更していくことがおすすめです。必要に応じて、マニュアルの準備や説明会を実施できるとよいでしょう。
また、万が一、新しい業務プロセスが定着しない場合や、不具合が見つかった場合に対応できるようにリカバリ方法(元の業務プロセスに戻す等)の認識合わせは必ずしておきましょう。

3. Check(評価)

実行状況をモニタリング・監視のうえ評価を行います。
ここでは「よりリアルタイムに業務の状況を把握できているか」「最初に設定したKPI・KGIなどの定量指標の実績を把握できているか」が重要になります。
ツールなどを利用しても良いですが、最初はExcelやスプレッドシートを利用してKPI・KGIに合わせた表を作り、日次や週次で対象の指標を記録すると良いです。
この際に、可能であれば定量指標だけでなく定性的な情報(例えば、メンバーから「作業が楽になった」「コミュニケーションが取りやすくなった」など)を確認できると、潜在的な要素として判断や改善に活用できます。
情報の取りまとめは可能であれば、管理者やリーダーの方が対応してください。肌感覚として現場の状況を掴めるようになります。

4. Act(改善)

設定した目標に近づいているか定期的に振り返りを実施します。業務の規模によりますが、業務プロセスに対して大きな変更や改善を加えた場合は、1週間〜2週間に1回の頻度で定例会を設けて結果を振り返るとよいでしょう。
業務が安定してきた場合も、振り返りは必ず継続してください。最低でも1ヶ月に1回は実施することを推奨します。最初に設定した目標が達成できたら、次の目標を設定して繰り返し取り組んでいきます。

ツール導入を通してBPMを実現する

弊社が提供している「octpath」は、定型業務のビジネスプロセスを管理できるクラウドサービスです。業務プロセスと合わせて、マニュアルやチェックリスト、記録事項を管理することができます。また、定型的に発生する業務のプロセスをテンプレートとして登録できるため、業務をサービスに登録する過程を通して業務プロセスを可視化することができます。

octpathのサービス画像です
octpathのサービス画像

業務を見える化しつつ、その後のマネジメントにも活用できますので、ぜひサービスサイトより詳細を確認してみてください。
サービスサイト: https://octpath.com/

まとめ

BPMの概要やポイントについて理解できましたでしょうか。
「継続的な業務改善」と聞くと大変そうに聞こえるかもしれません。もし、具体的な改善点や改善策が見つけられない場合でも、現状の業務を継続的に”把握”できるようにするだけでも大きなメリットが得られるはずです。ぜひ、検討してみてください。

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