業務プロセスはそのまま言葉のとおり「業務の流れ」を指す言葉です。言葉の意味は理解していても、業務プロセスを最適な形に整えることや、そもそも業務をプロセスとして捉えることができていないケースも多くあります。本記事では業務プロセスの概要と改善の方法について説明しています。業務プロセスの改善は効率化に効果絶大です。ぜひ参考にしてください。

業務プロセスとは

言葉の定義

冒頭でも述べた通り、業務プロセスは「業務の開始から終了までの一連の流れ」を意味する言葉です。いくつかの業務がまとまったもので、複数の担当者や部署が関わることが特徴です。単発で発生し1人で処理をする「Todo」や「タスク」と比較すると分かりやすいと思います。

業務プロセスの考え方の具体例として“入社手続き業務”を挙げてご説明します。
新入社員の入社確定後、採用担当からの連絡を受けて、左の図のように各部署が入社準備を進めます。左の図では部署ごとに独立して業務を進めているように見えますが、業務をプロセスとして捉えると、右のように1つの大きな流れとして整理することができます。このように個々の分立した業務ではなく業務の流れ全体を捉えることで業務プロセスが明らかになります。

業務プロセスのイメージ画像です
業務プロセスのイメージ画像

実際には、入社手続きに限らずほとんどの業務がある業務プロセスの一部分となっています。例えば経費精算や営業、採用、メディアの記事執筆、稟議承認なども該当します。ご自身の担当業務は何の業務プロセスの一部なのか、置き換えて考えてみてください。

ちなみに|「業務プロセス」と「業務フロー」は同義

業務プロセスと並んでよく使われる言葉の1つが「業務フロー」です。英語ではフロー(flow)は流れ、プロセス(process)は過程・手順、と訳に違いがありますが、ビジネスシーンで用いる場合には同義と考えていただいて構いません。厳密な使い分けはなく、どちらも業務全体の流れを指しています。

業務プロセスを改善することの効果

業務をプロセスとして捉えることは業務効率化のスタート地点です。業務プロセスが明確になったら、より最適なプロセスにするため改善に取り組まなければ意味がありません。業務プロセスを改善することで得られる効果をご紹介します。

QCDの改善に繋がる

最も大きな効果が、QCDの改善です。「QCD」は、生産管理の軸となる3つの単語の頭文字をあわせた言葉で、「企業が製品を生産し、顧客まで届ける」という一連の生産プロセスの生産性を以下の3つの観点で測ります。

  • Q: Quality(品質)
  • C: Cost(費用)
  • D: Delivery(納期)
QCDの概要を表した画像です。

業務プロセスを最適化することで無駄な業務や非効率な業務を排除でき、最終的に業務のQCDを改善することに繋がります。QCDの詳細について説明している記事もご確認ください。

業務効率化へのインパクトが大きい

業務効率化のための施策は数多ありますが、業務プロセスの改善は特に効率化へのインパクトが大きい施策です。目の前のタスクへの取り組み方や管理方法の変更など細かい施策を実行するよりも、根本的な問題を取り除くことができるためです。どんなに良い施策を実行していても、より大きな仕組みが整っていなければ効果は半減してしまいますので、まずはプロセスを最適化することをお勧めします。

属人化の防止に繋がる

詳細は後述しますが、業務プロセスを改善するためには業務プロセスの見える化が必須です。業務全体の流れだけでなく、業務プロセスに関わる担当者、業務内容、目的を整理されることで、業務全体が可視化され、属人化の解消にも繋がります。

業務のパフォーマンスが計測できる

業務プロセス全体が見える化されると、各業務工程のパフォーマンスを計測できるようになります。パフォーマンスを把握できると、例えばプロセス内でミスが生じやすい箇所や、遅れが発生しやすいタイミングなどが明らかになります。業務工程ごとの状況が分かれば改善が必要な箇所も必然的に明確になり、更なる業務改善に役立ちます。

業務プロセスを改善するまでの手順

1.現状の業務を見える化する

まずは、現行の業務プロセスとその課題点を明らかにするために、業務プロセスを見える化します。初歩的なことに思えますが、この段階で正しく業務を把握できていなければ効果的なプロセス改善はできませんので、慎重に行なってください。

見える化の手順

冒頭で述べたように、プロセスはいくつかの業務のまとまりです。いきなり業務プロセスごと把握するのは難しいため、プロセスを構成している業務を一つずつ明らかにしましょう。業務の粒度は大きすぎても細かすぎても管理しづらくなってしまうので注意してください。適切な粒度は業務によって異なりますが、冒頭の例の入社手続きにもあるように、担当者が変わるタイミングでステップを分けることがおすすめです。

見える化するために使用するツール

見える化の方法で代表的なのはフローチャートです。業務全体の流れと各ステップを、記号と矢印を用いて明らかにすることができます。

フローチャート(業務フロー図/業務プロセス図)のサンプル画像です。
フローチャートのサンプル画像

フローチャートの作成には上記のようにexcelで作成することもあれば、ツールを使用することもあります。フローチャートの作成方法に関する記事フローチャート作成用のツールを紹介している記事を参考に、取り組みやすい方法で取り組んでみてください。

また、タスク管理サービスの導入を通してプロセスを明らかにすることもできます。弊社が提供している「octpath(オクトパス)」は、業務プロセスとマニュアルを一箇所にまとめることで定型業務の進捗管理ができるクラウドサービスです。管理したい業務をサービスに登録していく中で、そのまま業務プロセスが可視化されます。詳細はサービスサイトを確認してみてください。
サービスサイト: https://octpath.com/

octpathのサービス画像です

2.業務プロセス上の課題を明らかにする

現行の業務プロセスを可視化した後は、課題のあるステップを探し出します。例えば、以下のような観点で業務プロセスを見直します。

  • 毎回のようにミスや遅れが発生している業務はないか
  • 形式的に行っているが、本当は不必要な業務はないか
  • 担当者や担当部署は適切か
  • 業務の順番を入れ替えることはできないか
  • 自動化やツールの導入によって効率化できる業務はないか

プロセス全体に課題があるように思えても、分解して見てみればどこか一部の業務に課題が隠れていることがほとんどです。業務プロセス全体に影響しているボトルネックはどこなのか、細かく確認してみましょう。

また、業務課題の洗い出しには現場メンバーの協力が不可欠です。実際の業務に最も詳しいメンバーの話を聞くことで課題を具体的に把握することができます。現場との乖離が生じないよう、必要であれば適宜業務ヒアリングを行いながら進めてください。

3.プロセスの改善策を検討する

課題が明らかになったら、洗い出した課題を解決するために業務プロセスの変更案を出していきます。業務プロセスの変更は影響範囲が広く、特に規模の大きい場合には頻繁に行えるものではありませんので、慎重に検討してください。
プロセス改善はECRSの観点で考えるのがおすすめです。ECRSは業務改善に取り組む際に用いられるフレームワークで、業務を見直すための以下4つの観点の頭文字を合わせたものです。

  1. Eliminate(排除): 業務やプロセスをなくす
  2. Combine(結合) : 別々の作業を同時に処理する、ひとつにまとめる
  3. Rearrange(再配置): プロセスや担当者を入れ替える
  4. Simplify(簡素化): 手順やプロセスを簡単なものに変える、自動化する


ecrsの要素を解説している画像です

4つの観点から各課題に適したものを選び、改善策を検討しましょう。ECRSの詳細を解説している記事も参考にしてください。

変更案を出す際は、一発で完璧なプロセスを作るのではなく、いくつかの案を出して比較検討すること、何度もブラッシュアップすることを前提に取り組みましょう。関係するメンバーに見せながらフィードバックをもらいつつ修正していくことで、実際の業務から乖離せず正しい改善策を立てられます。納得感を持ってもらいやすいという効果もあります。

4.仮運用からブラッシュアップする

改善策が決まったら新しい業務プロセスで試験的に運用し、課題が解決されているか、業務が効率化されているかを確認します。もし新たに問題が生じたり変化がなかったりした場合は、再度修正し試験運用をする、という流れを、最適なプロセスを構築できるまで繰り返します。また、新しい業務プロセスに慣れるまではミスや抜け漏れが頻繁に発生する可能性があります。目安として数週間〜1ヶ月程度かけて、実行して様子をみましょう。

業務プロセスを改善するためのポイント

業務プロセスの改善は難易度が高く、一筋縄では進められません。実行し始める前に、以下のポイントを確認してみてください。

業務をプロセスとして捉える考え方を身につける

業務プロセスの改善に取り組む前に、そもそも業務をプロセスとして捉えられていないケースも多くあります。部署や企業を跨いで業務が進行する場合は、自分の担当業務の前後が見えづらいため特に顕著です。まずは業務単体ではなく、開始から終わりまでの流れを明らかにしプロセスとして認識することから始めましょう。

業務プロセスの可視化にもっとも注力する

業務改善施策と言うと改善策自体の検討を重視してしまいがちですが、業務プロセスを最適化するためには、まず現状の業務を正しく把握している必要があります。現状を正しく理解できていなければ改善策も的外れなものになり、余計に業務負担が増えてしまいかねません。初めのステップである業務プロセスの可視化に注力してください。

改善した後の装着と運用まで考える

業務プロセスの変更後は、新しいプロセスに慣れるまでミスや抜け漏れが頻発します。大規模な変更であれば、問題なく業務を進行できるようになるまでに1ヶ月以上要するケースもあります。可能な限り現場担当者の負担を減らせるよう、現場への装着と安定的な運用についても取り組む前から検討しておきましょう。

現場担当者に影響が出ることを忘れない

業務プロセスを変更した際に最も影響を受けるのは、現場で実際に業務を担当しているメンバーです。長期間運用し安定的に取り組めるようになっていたプロセスが変更されることで、少なからず混乱が生じ、現場はストレスを感じます。プロセス改善の背景や目的を正しく伝える、改善案を途中で提示しフィードバックをもらう等、新しい業務プロセスに納得感を持ちより早く慣れてもらえるよう工夫しましょう。

継続的に改善に取り組む

業務改善施策全てに共通することですが、業務状況は日々変化していくため、一度改善したからと言って完璧なプロセスを構築できるわけではありません。定期的に業務プロセスを見直し、改善を試み続けることが重要です。頻度は業務内容によっても異なりますが、半年に1度または少なくとも1年に1度は見直しの機会を設けましょう。

おわりに

業務プロセスと改善の方法について、ご理解いただけたでしょうか?業務プロセスの見直しから新しいプロセスの運用が軌道に乗るまでには一定の期間を要しますが、最適なプロセスを構築できれば大幅な効率化が期待できます。関係するメンバーと協力しながら、ぜひ取り組んでみてください。

オススメの記事