ビジネスにおける「オペレーション」は、使われるシーンや業種・業界によってさまざまな意味を持つ言葉ですが、共通して「業務の流れやフローと、それを進行させるための活動」を意味します。オペレーションを見直すことで、業務フロー全体の効率化や生産性の向上に繋がります。
この記事では、オペレーションの意味や具体例とともに、オペレーション業務を改善する方法・手順についてわかりやすく解説します。

オペレーション業務とは

オペレーションは、ある業務の一連の流れを定めること、また、あらかじめ決められたフローやマニュアルに沿って作業を進行させることを指します。まずはオペレーションの意味や業務の具体例をご紹介します。

「オペレーション」の意味

そもそもオペレーション(operation)は以下のように多様な意味を持つ英単語で、主に「操作」「作業」「業務」に関わる意味を持ちます。

1 機械などの操作。運転。
2 中央銀行(日本では日本銀行)が手持ちの有価証券を売買して金融を調節する市場操作。オペ。
3 作戦。軍事作戦行動。
4 外科手術。オペ。
引用元: Weblio辞書

ビジネスにおいても「業務の流れやフローと、それを進行させるための活動」を意味し、中でも特に業務の流れや手順が決まっている定型的な業務を指すことが多いです。抽象度の高い言葉であり細かい意味合いや対象業務は使われるシーンによって変わりますが、さまざまな業種や業界、部門、部署に存在しています。

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オペレーション業務の具体例

オペレーション業務の多くは、既存のフローに沿って作業を進める定型的な業務です。人事部門を例に挙げると、人事業務(職務)は大きく「戦略」「企画」「運用」「オペレーション」に区分されます。人事部におけるオペレーション業務は戦略・企画・運用を支える取り組みであり、例えば以下のような業務が該当します。

  • 採用: 求人案内、面接日程調整、候補者フォロー、各種申請処理、契約更新手続き
  • 給与: 給与計算、支給実務
  • 厚生: 福利厚生実務、社会保険・入退社・異動などの各種手続き
  • 育成: 研修日程調整、研修者フォロー
  • 評価: 評価制度運用資料の作成、評価集計

人事部門が担う人材の採用・管理においては、このようにさまざまな事務的な手続きが発生します。戦略や企画のように都度判断が必要となる業務ではないものの、オペレーションが整っていなければ自社の人事業務をスムーズに進めることはできません。オペレーション業務は、縁の下の力持ちのような役割を持っているとも言えます。

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業種・業界で異なる業務内容

オペレーション業務の内容は、以下のように業種・業界によっても異なります。

業種・業界オペレーションの意味・内容
建設業機械の操作・運転など
ホテル業宿泊予約、チェックイン・チェックアウト業務、電話対応など
飲食業厨房の作業手順、オーダー・会計の手順、注文管理など
小売業生産計画、工程管理、販売管理、在庫管理など
イベント業イベント当日の進行・流れ、人員配置など

このようにオペレーションの意味や内容は業種・業界によって変わってくるものの、基本的にはフローに沿って操作・運営する一連の業務が「オペレーション業務」といえます。

オペレーション業務を見直す重要性

オペレーション業務を見直す重要性には以下が挙げられます。

さらなる業務の改善案が見つかる

長年更新されていない古いオペレーションには、無駄な手順やフローが含まれている可能性があります。定期的にオペレーション業務を洗い出し見直してみることで、非効率となっている業務の発見や、より効率的な体制・仕組み作りに繋がります。

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インパクトが大きい箇所を効率化できる

オペレーション業務は基本的に繰り返し取り組まれることが殆どであるため、必然的にある程度の業務ボリュームが発生します。オペレーションを整え誰でも同じように作業を進められる状況を作ることは、その他の業務を見直すよりも、相対的に効率化へのインパクトが大きいと考えられます。
また、オペレーションを整備しミスや漏れ、遅れなどのトラブルを抑止することで、煩雑な進捗管理やマネジメントのコストの削減にも繋がります。

コア業務に集中できる

定型的なオペレーション業務の見直しによって業務効率化が実現すれば、重要な意思決定や判断を要するコア業務に多くの時間を充てられるようになります。例えば人事部門が担当する採用業務の場合、採用担当者が特に注力すべき業務は採用計画の立案や採用基準の設定、面接業務などのコア業務です。一方、面接日程の調整や会場の手配、説明会・選考会の運営、合否連絡などはオペレーション業務にあたり、ツールやシステム、アウトソーシングの導入によるオペレーション改善で効率アップが見込める領域です。
一般的に「○○業務」と呼ばれるものには複数のタスクがあり、それらが連なることで一つの業務が形成されています。なかでも事務的なオペレーション業務は工数が多く、定型的でありながらも手間や時間を要する作業です。これまで多くの時間を費やしてきたオペレーション業務を効率化し、空いたリソースを重要なコア業務に投入することで、意思決定を伴う戦略・設計といった本当に注力すべき業務に集中できるようになります。

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オペレーション業務を改善する方法

オペレーション業務を改善・最適化する方法は以下の4ステップです。

1. 現状を整理する

まずは現時点で自社のオペレーション業務がどうなっているのか、すべてのタスクやフローを洗い出し、現状を整理することから始めます。Excelや専用のシステムを用いることで、オペレーション業務の内容や一連の流れ、その全体像を俯瞰的に可視化できます。

フローチャート(業務フロー図/業務プロセス図)のサンプル画像です。
フローチャートのサンプル画像

主な方法としては、業務の流れを図式化できるフローチャートを作成するか、手順を細かく記載できる作業手順書を作成することがおすすめです。Excelでのフローチャートの作成方法をまとめた記事おすすめのフローチャートツールをまとめた記事作業手順書の作成方法について解説している記事がそれぞれありますので参考にしてください。

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2. 課題を抽出する

現状把握の結果をもとに、スムーズな業務進行を妨げている箇所を抽出します。具体的には、以下に当てはまるような箇所はオペレーション全体の進行に影響を及ぼしている可能性があります。

  • 多くの人員が割かれている
  • 過去の実績と比較してパフォーマンスが落ちている
  • 頻繁に作業の待ちや遅れ、ミスが発生している
  • 担当者ごとに作業内容が異なり品質にばらつきがある

また、オペレーションを可視化した資料やアウトプットを作業メンバーに共有し、どのプロセスにどのような問題点があるかをヒアリングすることも有効です。オペレーションの改善には実際に作業にあたるメンバーの理解が欠かせないため、一部で取り決めせずに作業メンバーも巻き込みながら改善に取り組みましょう。業務ヒアリングの方法について解説している記事も参考にしてください。

ヒアリングの際は音声を自動で文字起こしする『Texta』がおすすめです。

3. 改善案を実行する

抽出した課題をもとに、オペレーション業務の改善案を作成・実行します。

オペレーション改善の一例

  • マニュアルを再構築する
  • クラウドツールを導入する
  • RPAで自動化する
  • 外部に委託する(アウトソーシング)

オペレーション改善のアプローチ方法はさまざまあり、どの改善案が有効かは現在の業務内容やメンバーの人数、個々のパフォーマンス、ネックとなっている課題・問題点によって異なります。自社のオペレーション業務に最適な改善案を作成・実行するためには、前段階となる「現状把握」と「課題抽出」をしっかりとやり切っておくことが大切です。

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また、この場合、管理方法や実施対象を見直すことと合わせて、大元となる業務自体を見直すこともポイントです。業務改善のフレームワークであるECRSの観点などに沿って、オペレーション業務そのもの、つまり手順やタスクの流れを修正することも検討してみてください。

ecrsの解説画像です

4. 効果を測定する

改善案を実行したら必ず効果測定を行います。オペレーション業務の改善にもコストがかかるため、どのくらいの効果が出たのか、期待した効果が得られたのかについて把握し、費用対効果をきちんと把握しましょう。
また、定期的にモニタリングを行い、思うような効果が出ていない部分については改善案を再構築するなど、PDCAを回してオペレーション業務を最適化していくことが重要です。

番外編|プロセスマネジメントツールを利用する

オペレーション業務の継続的な可視化・改善にはプロセスマネジメントツールを利用することも効果的です。弊社で提供している「 octpath」もその一つで、定型的な業務をフロー形式で見える化し、そのまま業務管理まで行えます。業務の流れや手順を繰り返し更新しながら実作業の管理まで行うことができますので、ぜひご確認ください。

octpathのプロセス詳細画面のイメージです。

オペレーション業務の改善で意識すべきポイント

オペレーション業務の改善においては、以下のポイントを意識することが大切です。

PDCAサイクルが構築されているか

オペレーション業務を最適化するにはPDCAを回すことが有効です。PDCAとは「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」の頭文字を取った業務改善のフレームワークをいいます。実行部分のみが重視されがちですが、実行前に行う「計画」と実行後に行う「評価」も重要な要素です。評価の過程で改善すべきポイントが見つかった場合は次の実行プランに反映させることで、オペレーション業務の品質をさらに高めていくことができます。

PDCAサイクルの流れを表した画像

オペレーション改善の重要性が浸透されているか

オペレーション業務の多くはすでに形式化されており、作業メンバーはその内容や手順に沿って業務を遂行しているため、オペレーション業務を改善するということは、メンバー間で共有・浸透されている既存の業務やフローに手を加えるということになります。例えばオペレーション改善の一環で新たにシステムを導入する場合、これまでの作業手順を変更したりシステムの操作方法を覚えたりする必要性が生じるため、既存のオペレーションが変わることに否定的な意見が出る可能性があります。

オペレーション業務の改善には実際に作業を行うメンバーの協力が不可欠です。なぜオペレーションの見直しが必要なのか、改善することでどのような効果があるのかなど、オペレーション改善の目的や重要性についてはあらかじめ社内でしっかりと共有しておくことが大切です。

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おわりに

オペレーション業務は型が決まっている定型業務・ルーティン業務が多く、戦略や設計といった組織の根幹を成すコア業務をサポートするような役割を持っています。
オペレーション業務のプロセスやフローの問題点を発見・改善することで大幅な効率アップを見込むことができ、重要なコア業務に多くのリソースを充てられるようになるほか、組織全体の生産性向上や持続的な企業成長にも繋がるでしょう。
まずはオペレーション業務の全体像を見える化し、スムーズな業務進行を阻害している要因を見つけることから始めてみてはいかがでしょうか。

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