「平準化」や「標準化」という言葉を聞いたことがあっても、両者の違いを詳しく説明できる方は少ないかもしれません。実施する目的は異なるものの、どちらも業務改善を進めるうえで必要な取り組みです。
この記事では「平準化と標準化の違い」について解説し、業務改善に取り組む具体的なステップやあらゆるビジネスに適応するマネジメントツールを紹介しています。業務負担の偏りや作業品質のばらつきに課題を感じている方は参考にしてみてください。
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平準化とは
平準化(へいじゅんか)とは、偏りのある物事を均等にしていく取り組みをいいます。業務が平準化されていないチームでは特定のメンバーにのみ業務量が集中し、チーム内での業務負担にばらつきが生じてしまいます。この偏りをなくし、メンバーの業務量や労力を均等にする取り組みが「業務平準化」です。
関連記事:業務平準化とは|業務負担の偏りを解消する具体策を紹介
標準化とは
標準化(ひょうじゅんか)とは、判断や行動の目安となる「標準」に物事を合わせていく取り組みをいいます。業務が標準化されていないチームでは、人によってできる作業・できない作業があり、担当者が不在になると業務進行が滞ってしまう可能性があります。いわゆる「属人化」の状態を防ぎ、誰でも同じ品質の仕事を遂行できるように業務プロセスを統一する取り組みが「業務標準化」です。
平準化と標準化の違い
平準化と標準化にはどのような違いがあるのか、両者の「目的」「メリット」「アプローチ」の3つの観点から相違点を解説します。
相違点1. 目的
平準化の目的は「個々の業務量を均等にすること」です。あるメンバーに負担が偏っている業務を特定し、チーム内で最適な役割分担を再考することで、一部のメンバーにのみ大きな負荷がかかる状態を解消していきます。
一方、標準化の目的は「業務の進め方を統一すること」です。属人化した業務はブラックボックス化し、誰がどのような手順で業務を進めているのかわからなくなります。特定のメンバーしか業務のやり方を熟知していない状況を避けるためには、各業務の標準的な手順をまとめたガイドラインが欠かせません。チーム内でガイドラインを共有し、それに沿って進めることで誰が担当しても一定の作業品質を担保できるようにします。
相違点2. メリット
平準化に取り組むとチーム内の業務負担が均等になり、特定のメンバーに負担が偏ったり手持ち無沙汰になったりすることがなくなります。これによりチーム全体の業務効率と生産性が向上し、対応可能な業務量が増えるメリットがあります。業務過多な状況に不満を抱えていたメンバーにとっては、業務量が分散されることで負担が減り、仕事に対するモチベーションやパフォーマンスが高まることも期待できます。
一方、標準化のメリットとしては属人化の解消や業務品質の安定が挙げられます。複数のメンバーで業務を遂行できるようになれば、メイン担当者が不在のときも業務がストップすることはありません。作業手順の統一化により仕事の品質が大きく左右することもなくなり、いつでも安定した品質を確保できるようになります。
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相違点3. アプローチ
平準化は業務量に偏りが生じている状況、標準化は属人化が進んでいる状況において有効なアプローチとなります。平準化・標準化への取り組みはそれぞれ単独で行うこともできますが、これらを組み合わせて統合的に実施することでより効果を発揮します。基本的には平準化を行う前に作業手順を最適化し、標準化された業務について新たな役割分担を検討するのがおすすめです。
ここからは平準化・標準化を統合したアプローチ方法について解説します。
業務の平準化・標準化を進めるステップ
業務改善に取り組むうえで欠かせない業務の平準化・標準化。業務効率化や生産性の向上を実現するためには、平準化と標準化を統合したアプローチが効果的です。
ここでは業務の平準化・標準化を進めるステップを紹介します。
【1】現状を把握する
平準化・標準化を進めるうえでまず取り組むべきは、現状の業務量やフローを正確に把握することです。
- いつ発生する業務なのか
- 誰が担当しているのか
- どのように業務を遂行しているのか
- どのくらいの時間がかかっているのか
担当者へのヒアリングも行いながらこれらの事項を調査し、現時点で平準化や標準化が必要な業務を洗い出していきます。
【2】平準化・標準化が必要な業務を特定する
現状の調査結果をもとに、平準化・標準化が必要な業務を見極めます。
平準化に取り組むべき業務
平準化すべきは特定のメンバーに業務負担が偏っている業務です。
業務遂行にかかっている時間や難易度、担当者のスキルレベルや精神的な負担などを分析し、平準化に取り組むべき業務を特定します。通常業務だけでなく、特定の時期や季節にのみ業務量が増えるものも平準化の対象とすることがポイントです。
標準化に取り組むべき業務
標準化すべきは現時点で属人化している業務です。
特定のメンバーのみが仕事の進め方を理解している業務や、担当者によって仕事のスピードや品質に差が生じている業務は標準化の対象となります。属人化している業務が多い場合は優先順位を付けて、早急に標準化を進めるべき業務を特定します。
【3】業務を標準化する
平準化のアプローチの前に、業務の標準化を実施します。
まずは【2】で特定した業務のプロセスを見直し、作業手順が最適化されているかどうかを確認します。この時点で、無駄な作業や非効率な工程が見つかった場合は除外し、より効率的な方法を取り入れるなどしてプロセスを最適化していきます。
業務プロセスの見直しが終わったら、最適化した業務をマニュアルや手順書に落とし込みます。業務を進めるうえで最適な手順を指南するガイドラインを作ることで、その業務を誰が担当しても迷うことなく、同程度の作業品質を維持できるようになります。これにより業務が標準化し、属人化やブラックボックス化を防ぐことができます。
業務プロセスの改善・マニュアル作成については以下の記事で詳しく解説しています。
標準化に取り組む際は本記事とあわせて参考にしてください。
▶︎業務プロセスから業務改善に取り組む方法|課題の見つけ方と改善策の検討ポイント
▶︎マニュアル作成のコツ7選|失敗しない作り方と運用時のポイント
【4】平準化のアプローチを行う
業務の標準化の次は、一人ひとりの業務負担を均等にするためのアプローチを行います。
特定のメンバーに負荷がかかっている業務に対し、リソースの再配分を行って仕事の分担を最適化していきます。メンバーごとのスキルや経験年数なども考慮しつつ、誰がどの作業をどのくらいの分量で担当するのか、チーム内でなるべく均等になるように振り分けるのがポイントです。
時期によって増減のある業務の平準化
時期や季節によって業務量にばらつきが生じるものについては、業務が発生するタイミングを調節して「業務が多い時期」「業務が少ない時期」の差を埋めるのが理想的です。しかし、実際には業務量そのもののコントロールは難しいケースのほうが多いでしょう。このような業務を平準化していくには、業務量が増える前に関係部署と連携をとって準備を進めておく、忙しい時期の納期は通常よりも少し長めに設定するなどの対策が必要となります。
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【5】定期的にモニタリングを行う
平準化・標準化のアプローチを実施した後は、定期的にモニタリングを行います。
実施したアプローチの効果を測定し、平準化や標準化の状態が維持できているかを確認します。あまり効果が出ていないアプローチに関しては見直しを行い、マニュアルの内容をブラッシュアップしたり仕事の役割分担を再考したりする必要があります。
メンバーにとっては既存の業務プロセスや役割分担が変わることになり、新しい業務の進め方や自分の役割に慣れるまでにある程度時間がかかります。チームの管理者やリーダーが各人の進捗状況をチェックし、必要に応じて他のメンバーがフォローに入るなどチーム内で連携できる体制をつくることが大切です。
業務の平準化・標準化を実現するなら「octpath」
クラウド型プロセスマネジメントツール「octpath」は、作業手順が複雑な業務の平準化・標準化に貢献できるサービスです。作業ごとに見積り時間の設定と結果の記録をすることで、メンバーごとの忙しさが見える化され、一人ひとりに最適な業務の分担を行えるようになります。また、業務ごとにフロー形式でマニュアルが表示されるため、今やるべきタスクが明確になり、誰でも迷わずスムーズに作業を進めることができます。
シンプルな料金プラン
octpathは選べる4つのプランであらゆるビジネスに適応します。プランによってユーザー数の上限が異なり、プラン内であればすべての機能を無制限でご利用いただけます。
プラン名 | 料金 | 上限人数 |
---|---|---|
ライト | ¥30,000 | 20 |
スタンダード | ¥45,000 | 50 |
プロ | ¥60,000 | 100 |
エンタープライズ | ¥100,000 | 100〜 |
全機能を試せる無料トライアル
すべての機能を自由に体験できる15日間の無料トライアルをご用意しています。実際の操作画面による体験で、トライアル時のデータは本利用時に引き継がれます。期間終了後の自動更新はありませんので、まずは触ってみたいという方も安心してお試しいただけます。
おわりに
平準化とは「個々の業務量を均等にする取り組み」、標準化とは「業務の進め方を統一する取り組み」を指します。平準化と標準化を組み合わせたアプローチを行うことで、より効果的な業務改善が実現します。まずは業務を標準的な手順に統一化し、その後で個々の役割分担を再考するのがポイントです。
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