業務プロセスの可視化や標準化に欠かせない「フローチャート」ですが、「作成者によって形式がバラバラで見づらい」「せっかく作っても実務で使われない」といった課題を抱えるケースは少なくありません。見やすいフローチャートを作成するには、単に綺麗な図を描くことではなく、誰が見ても直感的に同じ作業手順を理解できる状態を作ることが不可欠です。
近年(2026年時点)では、ExcelやPowerPointによる従来の静的な図解作成にとどまらず、生成AIを用いたフロー図の自動生成や、ワークフローツール(octpathなど)を活用した「作業進行と連動する動くフロー図」でのリアルタイム管理が主流です。しかし、ツールの進化に関わらず、見やすさを左右する本質的な原則は変わりません。
本記事では、分かりやすいフローチャート作成に必要なポイントを「デザイン面の工夫(配色・配置・軸の揃え方)」と「記載ルールの統一(業務の粒度・分岐・標準記号の扱い)」の2つの側面から解説します。手元のフローチャートの見直しや、チーム内での標準化にぜひ役立ててください。
フロー図を活用した業務の可視化には 業務改善・支援ツール「octpath」 の利用がおすすめです。
この記事の目次
- おさらい|フローチャートを作成する重要性
- 見やすいフローチャートを作成するコツ、ポイント
- octpathでフローチャートを簡単作成
- Excelフローチャートのテンプレート
- フローチャートの作り方に関するよくある質問(FAQ)
- Q1. フローチャートと業務手順書(マニュアル)の違いは何ですか?
- Q2. フローチャートで使う色はどのように選べばよいですか?
- Q3. 業務の「粒度」はどれくらい細かく書くべきですか?
- Q4. フローチャート作成に専門的なJIS記号をすべて覚える必要がありますか?
- Q5. ExcelやPowerPointと専用クラウドツールはどちらで作るべきですか?
- Q6. イレギュラーな対応や例外処理はどのように記載すればよいですか?
- Q7. フローチャートの方向(縦・横)に決まりはありますか?
- Q8. 生成AIを使ってフローチャートを作成できますか?
- Q9. 作成したフローチャートが現場で使われない場合はどうすればよいですか?
- Q10. フローチャートを修正・更新する際のポイントは何ですか?
- まとめ
おさらい|フローチャートを作成する重要性
そもそもフローチャートとは、業務プロセスや作業手順やシステムのアルゴリズムなどの流れを記号を用いて表したものです。図式化することで複雑な業務も整理することができ、メンバーとの共通認識が取りやすくなる、業務改善に向けた業務整理ができる、などのメリットがあります。

フローチャートを作成する目的
フローチャートを作成する目的は、大きく「業務プロセスや流れの”整理”」と「業務プロセスや流れの”共有”」の2点が挙げられます。
「業務プロセスや流れの”整理”」においては、何も無いところから手順や順序、流れを設計する際に、全体像を整理しながら進められるため効果的です。
「業務プロセスや流れの”共有”」は、複数のメンバー間やチーム内で意思疎通や意識の統一を図るうえで役立ちます。ビジネスシーンにおいては、業務の設計よりも、既存業務の可視化や共有を目的として活用されるケースが多いです。
フロー図を活用した業務の可視化には 業務改善・支援ツール「octpath」 の利用がおすすめです。
フローチャートを作成するメリット
業務の流れや手順を図式化する方法としては、フローチャート以外にも手順書やチェックリスト、マニュアルなど複数の方法があります。フローチャートを活用するメリットは以下が挙げられます。
- フローにおける分岐・並行・繰り返しなど、複雑な流れでも表現しやすい
- もっとも直感的に全体像や流れを理解しやすい
- 比較的スピーディーに作成、アウトプットすることができる
したがって、特に複雑性が高い業務や、業務にかかる期間が長い業務を改善するための手法として適しているツールです。
また、今回は「見やすいフローチャートを作成するためのポイント」に限定してご紹介します。仔細な作成手順やフローチャート作成に利用できるツールについては、それぞれ紹介している記事がありますので、そちらを参考にしてください。


見やすいフローチャートを作成するコツ、ポイント
見やすいフローチャートを作成するということは、誰にとっても分かりやすく、理解しやすいフローチャートを作成することと同義です。ビジュアル的に綺麗なフローチャートを作成するだけでなく、誰でも同じように理解できるフローチャートを作成するためのポイントを、デザインに関するポイントと記載方法に関するポイントに分けてご説明します。
既にフローチャートがある場合に向けて「見直すべきポイント」を列挙していますので、手元のフローチャートと見比べてみてください。
🎨デザインに関わるポイント
まずは、フローチャートのデザインに関わるポイントからご紹介します。
フォーマットは統一されているか
マニュアルやフロー図を作成する際、メンバーごとに色使いや形式がバラバラになり見づらくなってしまった、というケースが多々あります。フロー内で利用する記号の種類や表現方法をルールとして決めておくことで、誰でも同じ品質でアウトプットを作成することが可能になります。フローチャートの作成を進める前に、主に以下について明らかにしましょう。
- フローチャート内で利用する記号のデザイン(サイズ、色味も含めて)
- 利用する媒体(Power Point / Excel / 専用ツール 等)
- 保存先や、アクセス権限範囲
また、フォーマットの統一には、あらかじめPower PointやExcelでテンプレートを作成して共有するか、フローチャートを作成できるツールを利用することが役立ちます。特に、管理コストやテンプレート作成の手間を抑えるために、クラウドサービスの利用をおすすめします。
幅や高さは揃っているか
フォーマットの統一にも関連しますが、フロー内の各ステップの記載幅や高さを揃えるだけでも見やすさはかなり向上します。バラバラに記号を繋ぐのではなく、簡単にラインを決めて角を合わせて並べていくと見栄えが良くなります。
フローの軸は定まっているか
また、フローをいずれかの方向に寄せることも見やすくするためのコツです。細かい部分ですが、縦横上下のどの方向に寄せるかによって形式が分かれます。画像ではAとBが縦方向、CとDが横方向に進行するフローチャートです。また、Aは左寄せ、Cは上寄せ、BとDは中央寄せになっています。

個人的にはAのフローチャートが最も見やすいと感じていますが、特に正解はありません。基本となるフローの軸を決め、必ずそのラインに戻るように表すことがポイントです。
必要最低限のカラーで作成されているか
重要なステップや条件を表すためにカラーを分けるケースもありますが、一つのフローの中で色を多用してしまうと、色ごとの違いが分かりづらくなり、見づらいフローチャートになってしまいます。基本となる白と黒を含めて全体で3~4色に抑えることで見やすくなります。また、複数のカラーを使う際は何を示しているカラーかを併記しましょう。

フロー図を活用した業務の可視化には 業務改善・支援ツール「octpath」 の利用がおすすめです。
情報の記載場所は明確になっているか
フローチャートを作成する目的や業務内容次第では、業務ステップだけでなく、担当者や利用するツールを併記するケースもあります。業務の流れ以外の情報も集約したい場合は、以下のように行ごとに情報を整理するとわかりやすくまとめられます。

📝記載ルールに関するポイント
次に、フローチャートの記載方法に関わるポイントについてもご紹介します。
業務の粒度は揃っているか
フローチャートの各ステップに記載する業務の粒度を揃えることで、業務の理解がしやすくなります。特にフローチャートでは、迷った際は大きめに括ることがおすすめです。粒度が細かすぎるとフローチャートが長くなり、読み取りづらくなる可能性があるためです。例えば「ツールのボタンAを押す」など動作ごとにステップを区切ると細かすぎてしまうため「作業の確認を依頼する」「メールを送信する」のようにアクションごとに区切るようにしましょう。

目安としては作業をするメンバーや部署が変わったタイミング、日付を跨ぐタイミング等でステップを分解することを推奨します。
粒度を細かく分けなければいけないほど手順が細かく分かりづらい業務の場合は、フローチャートではなく作業手順書やマニュアルの方が適している可能性もあります。
フロー図を活用した業務の可視化には 業務改善・支援ツール「octpath」 の利用がおすすめです。
分岐条件やイレギュラー対応も合わせて記載されているか
フローチャートの用途次第ですが、業務情報を集約しておく必要があれば、通常通りの業務だけでなく、分岐条件や、イレギュラーが発生した際の対応内容についても併記しておきましょう。イレギュラーの原因が予測できず対応内容を標準化できない場合は「対応方法が分からない場合はXXさんに連絡をする」など暫定対応を記載しておくと迷いがなくなります。
厳密なフローチャートにこだわりすぎていないか
フローチャートには専用の記号が複数存在します。ただし、業務の整理や共有が目的の場合は、あくまでも誰もが理解できるよう業務を可視化することが最重要であり、専門性の高いフローチャートを作成する必要はありません。記号を使いすぎると新人が理解しづらくなってしまう可能性もあります。フローチャート作成の経験がない場合は、タスク同士を並べて繋ぎ合わせるだけでも構いませんので、専門性を意識しすぎないことに留意してください。
反対にRPAの導入のために作成する場合や、外部のパートナーも交えて大規模に利用する場合は、ルールを守り専門的なフローチャートを作成する必要があります。
octpathでフローチャートを簡単作成
弊社では、フローチャートを簡単に作成し、そのまま業務管理ができるツール「octpath」を提供しています。
- フォーマットに従って、誰でも同じように見やすいフローチャートを作成できる
- 作成したフローチャートを利用してそのまま業務管理
- 作業結果に応じた分岐処理や、同時並行の処理を自動で実行
- 担当者や期限の設定も可能
業務フローの可視化と業務管理に課題を感じられている方は、ぜひご確認ください。

Excelフローチャートのテンプレート
また、Excelで簡単に見やすいフローチャートを作成できるテンプレートもご提供しています。情報入力なしで以下のボタンからそのままダウンロードいただけますので、Excelを利用して業務情報をまとめたい方はぜひご活用ください。

フローチャートの作り方に関するよくある質問(FAQ)
Q1. フローチャートと業務手順書(マニュアル)の違いは何ですか?
フローチャートは全体像と分岐を視覚的に整理するもので、手順書は具体的な操作や作業詳細を文章で記すものです。 業務の全体的な流れや判断分岐を把握したい場合はフローチャートが適しており、詳細な操作画面や入力ルールを伝える場合は手順書が適しています。
Q2. フローチャートで使う色はどのように選べばよいですか?
全体で3〜4色程度に抑え、役割ごとにルールを決めて使用します。 色を多用すると重要なポイントが伝わりにくくなります。例えば、基本の作業枠はグレーや白、判断分岐は青、イレギュラー対応や注意箇所は赤といったように、用途を統一して配色します。
Q3. 業務の「粒度」はどれくらい細かく書くべきですか?
「担当者や部署が変わるタイミング」「日付やシステムを跨ぐタイミング」を目安にアクション単位で記載します。 「ボタンを押す」「画面を開く」といった動作単位で細かく書きすぎると長くなり読みにくくなります。細かな手順はマニュアル側に補足するのが適切です。
Q4. フローチャート作成に専門的なJIS記号をすべて覚える必要がありますか?
社内共有や一般的な業務整理であれば、専門記号を厳密に使う必要はありません。 四角(処理)とひし形(分岐)と矢印(流れ)など、最低限の記号に絞ることで、誰でも直感的に理解できる図に仕上がります。ただし、RPA開発やシステム要件定義などで活用する場合は、ルールに準拠した記号を使用します。
Q5. ExcelやPowerPointと専用クラウドツールはどちらで作るべきですか?
手軽に1枚の図を作るならExcel/PowerPoint、チームでの共有や変更管理・業務実行まで行うならクラウドツールがおすすめです。 Excelは手軽ですが、作成者によってレイアウトが崩れやすくバージョン管理が難しくなります。クラウド型の専用ツールやワークフローツールを活用すると、フォーマットの統一や最新版の共有が容易になります。
Q6. イレギュラーな対応や例外処理はどのように記載すればよいですか?
条件分岐(ひし形)を用いて「通常ルート」と「例外ルート」を分け、分岐先に具体的な対応手順や連絡先を記載します。 対応方法が決まっていない場合は「担当者〇〇へ確認」と一時的な対応フローを記載しておくだけでも、現場での迷いを防げます。
Q7. フローチャートの方向(縦・横)に決まりはありますか?
上から下(縦方向)または左から右(横方向)に流れるように軸を固定します。 途中で進行方向が交差したり逆流したりすると視認性が落ちます。一度分岐したフローも、最終的にはメインの軸に戻る構造に統一します。
Q8. 生成AIを使ってフローチャートを作成できますか?
はい、テキストによる業務手順からMermaid記法などを出力させ、自動で図解化できます。 生成AIに業務手順を入力して構成案やダイアグラムコードを出力させ、作図ツールに読み込ませることで、作成にかかる時間を大幅に短縮できます。
Q9. 作成したフローチャートが現場で使われない場合はどうすればよいですか?
実際の業務手順とズレがないか確認し、業務管理ツールと連動させるなどの仕組み化を検討します。 図として保管するだけでなく、タスク進行と連携する「動くフローチャート」ツール(octpathなど)を導入すると、日々の業務の中で自然と参照されるようになります。
Q10. フローチャートを修正・更新する際のポイントは何ですか?
編集権限と管理者を明確にし、バージョン管理と更新履歴を残すことが重要です。 誰でも自由に編集できる状態にするとフォーマット崩れや誤情報の原因になります。管理責任者を定め、変更があった際はチーム全体へ共有する運用ルールを作ります。
まとめ
見やすいフローチャートを作成するためのポイントはご理解いただけましたでしょうか。フォーマット、ルールを決めることで、誰にでも分かりやすいフローチャートの作成が可能になります。業務の属人化解消に向けて、ぜひ作成してみてください。
