進捗管理は業務運営において不可欠ですが、紙やエクセルで進めるには限界があるためクラウドサービスでの管理がおすすめです。本記事では、弊社がSaaSの提供や業務改善のご支援をしている中で業務の管理に利用しているツールを含む、7つのツールをご紹介しています。合わせて選定基準や導入時のポイントも解説していますので、ぜひ参考にしてください。

進捗管理ツールとは

その名の通りですが、進捗管理ツールはタスクの進捗状況を見える化し、業務のマネジメントをサポートしてくれるシステムです。具体的な機能はツールによって様々ですが、基本的には以下の情報を管理することができます。

  • ある業務やプロジェクトの中で発生しているすべてのタスク
  • 各タスクのステータス
  • 各タスクの担当者、管理者
  • 各タスクの期限

これらをツール内に登録しておくことで、業務進捗の管理を容易にすることができます。

業務改善ツールならoctpathがおすすめ。

ツールを導入することによる効果

進捗管理自体のメリット

そもそも、進捗管理自体には大きく以下のようなメリットがあります。

  • 各業務の担当者や期日が明らかになる
  • 抜け漏れや遅れを事前に防ぐことができる/瞬時に気づくことができる
  • タスクの優先度が明らかになる
  • 通知や自動アサインにより、進捗管理自体の負荷を減らすことができる

関係するメンバーや業務量が多くなると全ての業務を把握することが難しくなるため、各タスクに関する情報をまとめ整理することで、タスクを問題なく履行できます。

進捗管理ツールを導入するメリット

その上で進捗管理をツールで行うことの1番のメリットは、リアルタイムにタスクの進捗状況を把握できることです。クラウドサービスであれば複数名が同時に利用・更新できるため、常に最新の進捗状況を記録することができます。
また、業務管理をツールに任せることができるため厳密な管理の必要がなくなり、マネジメントの工数自体を減らせることもポイントです。

進捗管理ツールの分類

進捗管理はワードが抽象的なため、業務の進行状況や担当者の管理ができるツールはほとんどが進捗管理ツールに該当します。今回は、業種や業務を問わず汎用的に利用いただけるものに限定して、以下の3つのカテゴリに分けてご紹介します。

進捗管理ツールの分類に関するイメージ画像です。

タスク管理

日々発生する小さなTodoやタスクを記録、管理するツールです。「一日以内に終わるタスク」や「対象のタスクの手順や工程が複雑でないシンプルなタスク」を対象として、進捗管理に利用できます。

プロジェクト管理

プロジェクトの管理に特化しているため、単純なタスク管理ツールと比較して主に以下のような特徴があります。プロジェクトだけでなく、事業を跨いだ社内全体での業務管理に利用されているケースもあります。

  • タスク同士に前後関係を持たせることができる
  • スケジュールを柔軟に・細かく管理できる
  • 部署やチームを跨ぐことを前提として、大人数での利用に必要な機能が揃っている

フロー管理

フロー形式で進捗管理ができるツールです。繰り返し発生する定型業務が主な管理対象で、フロー全体とタスクそれぞれで進捗管理ができることや、タスク間でのやり取り・情報連携に関わる部分も効率化できることがポイントです。

どのツールも進捗管理をすることは可能ですが、業務の特徴に合っていないと十分に効用を得ることができなくなってしまいます。進捗管理と一括りにせず、自身の業務の特徴に合うツールを選択できるよう比較検討してみてください。

octpathならフロー形式で業務を管理できます。

おすすめの進捗管理ツール(タスク管理)

まずはタスク管理ツールをご紹介します。筆者が使用した感想も合わせて記載しているので、参考にしてみてください。

asana

asanaはfacebookの共同創業者が開発した、シンプルさが特徴のタスク管理ツールです。弊社でも、日々発生する細かいタスクを管理するために使用しています。
サービスサイト: https://asana.com/

asanaの画面イメージです

サービスの特徴
シンプルさが1番の特徴で、一文程度でタスクの概要を記載し、タスクが完了したらチェックをクリックするだけで進捗管理ができます。サンプル画像にあるようなリスト表示の他、かんばんやカレンダーなどの表示形式に切り替えることができたり、期限設定や変更も容易です。単発で発生したタスクを管理するニュアンスが強く、備忘として小さい業務をメモしておく感覚だと使いやすいです。

料金
ユーザー制限はなく、無料からエンタープライズまで4つのプランがあります。細かい機能は有料のものが多いですが、シンプルな業務管理であれば無料でも十分使えるかと思います。詳細はサービスサイトをご確認ください。

Trello

かんばんボードで広く知られている進捗管理ツールです。筆者も過去に業務管理に使用していました。
サービスサイト: https://trello.com/ja

Trelloの画面イメージです

サービスの特徴
左から右へタスクをずらしていくことで業務のステータスを確認できる「かんばんボード」が大きな特徴です。どのステータスにどれだけのタスクがあるのかをパッと確認できるほか、ステータスごとに担当者や期限を決めておくことで分かりやすくタスク管理ができます。

料金
全部で4つのプランに分かれ、無料でも利用できます。人数制限はなく、プランによって利用できる機能に違いがあるため、使用したいチームやプロジェクトに合わせて検討してください。

おすすめの進捗管理ツール(プロジェクト管理)

次に、プロジェクトの管理に適したサービスをご紹介します。それぞれUIも細かな機能も異なるため、細部まで比較して検討してみてください。

JIRA

JIRAはもともとソフトウェア開発の進捗管理のために作られたクラウドサービスです。有名企業にも多数導入されていて、弊社でも、ビジネスサイドと開発用の両方で使用しています。
サービスサイト: https://www.atlassian.com/ja/software/jira

JIRAの画面イメージです

サービスの特徴
大企業ではJIRA専門の担当者が置かれるほど、多機能でパワフルなサービスです。もともとソフトウェア開発に使用されていたことからチケット単位でタスクのステータスを管理できることが特徴で、リストやかんばん形式に切り替えて進捗状況を分かりやすく確認できます。また、大企業に多く導入されていることから他サービスとの連携やセキュリティの管理も分厚く設計されています。

料金
10ユーザーまでは無料でご使用いただけます。有料プランは1ユーザーにつき月額920円から利用でき、7日間の無料トライアルも可能です。個人的には機能の割にかなり安価だと感じます。

backlog

大手企業にも導入されている、日本製のプロジェクト管理ツールです。業務ごとではなく全社的に導入されているケースも目にします。
サービスサイト: https://backlog.com/ja/

サービスの特徴
プロジェクト進行に必要な機能が満遍なく提供されている印象で、シンプルさが特徴です。ミーティングの議事録や仕様書などのぶ文書の記録ができるようなwiki機能や、ファイル共有機能もあり、プロジェクトに関わる情報を一箇所にまとめて管理することができます。

料金
全部で4つのプランがあり、最も安いプランでは月額2,970円で30ユーザーまで利用できます。ユーザー数のほか利用できる機能にも違いがありますので、詳細はサービスサイトを確認してください。

monday.com

mondayはアメリカの企業が提供している、10万以上のチームに導入されているサービスです。ユーザーがカスタムできる範囲が広いため、柔軟に管理することができます。
サービスサイト:https://monday.com/lang/ja/

mondayのサービス画像です。
画像はダークモードのサービス画面です

サービスの特徴
メインの画面はGoogleスプレッドシートのデザインに近く、カラムを自由に作成し、進捗状況だけでなく必要なデータ・記録事項も管理することができます。ダッシュボードという機能を使用すればグラフやチャート形式で簡単に図式化することも可能です。全体的にカラフルで、ビジュアル化することによる分かりやすさを重視しているツールです。

料金
全部で4つのプランがあり、最も安いプランでは1ユーザーにつき月額900円から利用可能です。2名までであれば無料でも利用でき、14日間の無料トライアルも実施しているため、まずは感触を確かめてみることがおすすめです。

おすすめの進捗管理ツール(フロー管理)

次に、業務をフロー形式で管理できるツールをご紹介します。フロー形式の進捗管理ツールはBPMツールとも言われます。BPMツールをまとめてご紹介している記事もありますので、ぜひ参考にしてみてください。

octpath

octpathは弊社が提供しているプロセスマネジメントツールです。業務をフロー形式で可視化し、そのまま進捗管理ができます。

octpathのサービス納品プロセスに関わるイメージ画像です

サービスの特徴
業務のフローと手順を登録した後、そのまま業務管理にも利用できます。複雑性の高い業務の管理に適していて、タスクごとにチェックリストを挿入したり、作業結果に応じた分岐処理を自動実行することも可能です。作業ミスや抜け漏れを防止できるだけでなく、教育や引き継ぎにかかるコストも削減できます。

料金
1ユーザーにつき月額1,650円の1プランで提供しています。上記サイトよりデモのご予約、資料請求を受け付けておりますので、詳細はお打ち合わせにてご相談ください。

pipefy

かんばんボードが特徴的なサービスです。日本ではまだ知名度が高くありませんが海外では急成長しているサービスで、少なくとも110以上の国々で、12,000社以上に利用されています。
サービスサイト: https://www.pipefy.com/

pipefyのイメージ画像です

サービスの特徴
各業務ステップをかんばんボードの1列ごとに設定し、タスクを左から右へ進めながら進捗状況を管理していきます。各チケットにはファイルの添付やチェックボックス、入力項目の設置も可能で、簡易的なマニュアルや作業結果の記録としても利用できます。ただし、日本語対応はしていないため英語での利用となる点に注意が必要です。

金額
全部で4つのプランがあり、無料プランも用意されています。筆者が使ってみた範囲では無料でも十分な機能が備わっていました。詳細はサイトの料金表を確認してください。

ツールの選定基準

進捗管理ツールに限らず今は多数のツールが開発されており特徴も異なるため、自社の業務に合うものを選ぶ必要があります。利用人数やデータ量の制限などの制約条件にプラスして、以下の基準を参考にツールを選定してみてください。

管理したい業務の特徴に適しているか

進捗管理の対象業務がプロジェクトなのか、単発で発生するタスクなのか、ルーティンで発生するフローなのかなど、業務の特徴によって適切な管理方法は異なります。自身の業務形態に合っているか、具体的に業務を当てはめて確かめてみてください。

現場メンバーが使いやすいか

ツール導入を行うのは管理者・マネージャーであることが多いですが、実際にツールを使用して作業を進行するのは現場の担当者です。ツールの導入を決めたもののうまく運用に乗らず失敗してしまうケースも多々あります。マネジメントの立場だけでなく、メンバーの視点で使いやすいと感じられるかどうかを事前に確認しましょう。可能であればメンバーにも試してもらえるとベストです。

コストに見合う業務改善効果が見込めるか

当然のことですが、十分に業務を改善することができるのか、コストと合わせて必ず確認しましょう。ここで言うコストは費用だけでなく、導入時に発生する管理方法の移行コストや、運用に乗せるための現場への教育コストも含まれます。ツールを導入するまでの流れを具体的にイメージして、コストに見合う効果が得られるかを正しく評価しましょう。

ツール導入時のポイント

必ず複数のツールを比較検討・トライアルする

同じ進捗管理ツールでも機能や使い方にはサービスごとに差異があります。自社にとって必要な機能条件に合うものの中から複数のサービスを比較してから導入を決めましょう。特によくある失敗例として、とりあえず最も安いサービスを導入したり、1番最初に営業を受けたツールをそのまま導入したりした結果、業務にフィットせず運用できなかったというケースがあります。今はほとんどのサービスでトライアル期間やデモの機会を設けていますので、具体的な機能まで確認してみることをおすすめします。

定着・運用方法も設計する

業務管理の方法を変更することは、管理者にはもちろん現場メンバーにも負荷がかかり、新しい管理方法に慣れるまではミスや抜け漏れが頻発します。可能な限り早く安定運用ができるよう、現場への装着の方法についても取り組む前から検討しておきましょう。具体的には、全業務を管理しきるまでのスケジュール、全メンバーへのツールの使い方の共有方法などです。

メンバーも積極的に巻き込む

先述した通り、サービスをうまく定着させるためには、実際にサービスを利用する現場担当者が使いこなせることが肝心です。実際にシステムを使用するメンバーにもサービスの選定やデモに参加してもらい、感触を確かめてから導入しましょう。選定に関わってもらうことで、トップダウンで導入を進めるよりも納得感を得やすく、スムーズな導入に繋がるという効果もあります。

トライアルの期限を決めておく

サービスの切り替えには移行コストがかかるため、試験利用から本格導入までの期間が長期化してしまいがちです。期限を設けずトライアルを続けていてもいつまでも本格運用に切り替えることができません。はじめに設けた期間の中でトライアルをしてみて、合わなければ中断する、もし本格導入するのであれば本腰を入れて切り替える準備を進める、という風に期限を設けましょう。

おわりに

進捗管理ツールは多岐に渡るため、自社に合うものをきちんと選定する必要があります。関係メンバーと協力して取り組みましょう。また、どのツールも提供元企業のサポートが充実しています。分からないことがあればお問合せで確認してみたり、資料を請求してみたりなど、積極的に情報収集をして比較選定してみてください。

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