働き方改革が提唱されてから、生産性向上への意識が高まっています。その中で、決まった時間の中でいかに効率的に業務を進めるか、すなわちタイムマネジメントのスキルが求められるようになりました。この記事では、業務改善の一貫として、タイムマネジメントの方法とポイントをご紹介します。

タイムマネジメントの基本をおさらい

タイムマネジメントは言葉の通り“時間を管理すること”を意味していますが、実際には以下の2つの意味に分けて使われています。

  1. タスクを期限内に終えることを目的として、日々の時間の使い方を工夫する
  2. もっとも効果が大きい業務にリソースを投下できるよう、業務全体の時間の使い方を調整する

どちらも最終的なゴールは「業務効率化により、限られたリソースで成果を最大化すること」にあり、業務を進める上でとても重要な取り組みです。前者の観点を各メンバーが日々意識し、後者の観点から、定期的にチームメンバー全員で業務を振り返ることができると理想的です。

今回の記事では業務改善の文脈に特化し、主に「2. もっとも効果が大きい業務にリソースを投下できるよう、業務全体の時間の使い方を調整する」ためのタイムマネジメント方法をご紹介します。

タイムマネジメントの方法

タイムマネジメントを通して業務改善を進めるためには、時短テクニックやスケジュール管理などの表層的な施策を取り入れるだけでなく、業務自体を見直すことが重要です。そこで、業務の最適化を含めたタイムマネジメントのステップを4つに分けてご紹介します。全体の流れは以下の通りです。

  1. 業務を洗い出す
  2. 重要度×緊急度で業務を分類する
  3. 業務の最適化を検討する
  4. 業務を進行するための計画を立てる

1.業務を洗い出す

まずは、現在の業務を洗い出します。何にどのくらいの時間を使っているのかを把握し、時間の削減や改善の取り組みが可能な業務を確認するためです。チームでタイムマネジメントに取り組む場合には、チームメンバーの業務を各自で洗い出してもらい、業務量のバランスも含めて見直しましょう。
また、一つの観点として、業務の費用対効果も見直してみてください。時間がかかるのに成果へのインパクトが小さい業務・取り組みやすく効果も大きい業務などの傾向が分かり、業務を見直す際の優先順位をつけやすくなります。

2.重要度×緊急度で業務を分類する

次に、洗い出した業務を、以下の重要×緊急のマトリクスに業務を当てはめます。

実際の業務例としては、以下のようなものがあります。

  1. 重要かつ緊急…顧客対応、事業計画の策定
  2. 重要だが緊急でない…業務改善の取り組み、マニュアルの整備
  3. 重要ではないが緊急…電話応対、資料作成、印刷などのオペレーション
  4. 重要でも緊急でもない…デスクや棚の整理、書類の廃棄

実際には、マトリクス左上から①→②→③→④の順にタスクを消化していくのが理想です。しかし日々の業務に追われると、②重要だが緊急ではない業務を放置したり、③重要ではないが緊急の業務に時間を割いてしまいがちです。このように業務を4象限に分類することで、業務進行上の問題点や、不必要な業務、他の業務を圧迫している業務に気づくことができます。

3.業務の最適化を検討する

業務の分類ができたら、時間の使い方を改める前に、業務の最適化を検討しましょう。タイムマネジメントは今ある業務を効率的に進めるための手法なので、このフェーズで不要な業務を排除し、本当に必要な業務にのみタイムマネジメントを活用します。
主に、以下のような打ち手をとることで業務の見直しを行います。

  • 業務自体を廃止する
  • 業務の担当者を変更する
  • 業務のフローや作業内容を変更する

これらの打ち手は、主に④重要でも緊急でもない業務が対象になりますが、①②③の業務にも適用することができます。全体のバランスを見て、検討してください。

管理者の方にとって特に効果的なのは、担当者の変更です。管理者の立場になると、業務のチェックや承認など、自分にしか対応できない業務が一定発生します。一方で、育成も兼ねて部下に任せられるタスクも意外と多いものです。メンバーのリソースを確認した上で、任せてみるのがおすすめです。
それに関連して、アウトソーシングも一つの方法として有効です。特に、定型化されていて繰り返し発生するオペレーション業務がある場合には、一部を切り出してアウトソースした方が、より重要な業務に集中できます。

4.業務を進行するための計画を立てる

業務整理をした後に残った業務を効率的に進行する計画を立てます。ここでは、業務自体の並べ替えをするというよりも、マトリクスの優先順位通りに業務を進行できる状況をつくることがポイントです。例えば、午前中の1時間は緊急性の高い作業だけを処理する、定時前1時間は重要度の高い業務に当てるためミーティングは入れない、などです。合わせてチームメンバーとも共通認識を取っておきましょう。

あとは、計画通りに業務を進行していきます。

ポイント!業務を実行した後は必ず振り返りを行う

他の業務改善施策と同様、タイムマネジメントも、一度実行するだけでは効果を上げることはできません。業務が計画通りに進んだのか、何の業務にどのくらい差分が生まれてしまったのかを確認し、計画を練り直しましょう。複数回振り返りをすることで、適切な業務の進め方が分かってきます。振り返りの頻度は最低でも日次、可能であれば各タスク終了時に毎回見直すのがおすすめです。

タスクに取り組むときに使えるタイムマネジメントのポイント

業務の見直しをした後、実際の業務進行の場面で使用できるタイムマネジメントのポイントをご紹介します。

各業務の目標を確認してから取り組む

各業務の中でどこにコストをかけるべきなのかを判断するために、業務の目標を意識しましょう。「何を」「いつまでに」「どのレベルまで」終わらせるのか、タスクを始める前に予め決めておくことで、無駄なく、効率的に業務を進行することができます。

業務を細かく分解する

業務を抽象的に捉えていると、実際に業務を開始してから変更が生じやすくなります。業務開始前に、ある程度分解してから着手しましょう。例えば「打ち合わせの準備をする」という業務の場合「資料を作成する」「先方にメールを送る」などです。細かすぎても時間の管理が難しくなるので、業務の開始から終了までの所要時間が20-30分以上であることを一つの目安とするのがおすすめです。

【番外編】業務ではなく時間ごとに区切る

ここまで、業務単位でタイムマネジメントをする方法をご紹介しましたが、時間を軸に考える方法もあります。ポモドーロテクニックとも呼ばれ、30-50分くらいの業務時間とその後の10分間の振り返りを1セットとし、そのセットを何度も繰り返します。1日の業務内容に大きな変化がなく、業務時間を柔軟に調整できる場合には、こちらの方法も取り入れてみてください。

終わりに

タイムマネジメントは個人の時間管理術としても効果的ですが、チーム全員で取り組むことができればさらにインパクトが大きくなります。まずは身近な業務から、取り入れてみてください。

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