チェックリストを業務で活用したい方向けに、具体的な作り方と運用の方法についてご紹介します。過去に様々なクライアント様の現場でもチェックリストを活用した業務設計を行ってきました。一見シンプルな施策のように思えますが、業務の抜け漏れやミスを減らすうえで、効果は絶大です。

チェックリストを作り始める前に抑えたいポイント

具体的なチェックリストの作成方法をお伝えする前に、ポイントをいくつかご紹介します。チェックリスト活用のよくある失敗として「チェックリストを作成したが、使われなくなってしまった」ということが挙げられます。ポイントを抑えてから作成することで、スムーズな定着と活用を目指しましょう。

チェックリストを作る目的と利用シーンを考える

チェックリストと一口に言っても利用目的は様々です。はじめに、「“どの業務において”“何のために”チェックリストを作成したいのか」を考えてください。
チェックリスト活用の代表的な目的は以下の通りです。

  1. 作業の結果を記録するため
  2. 作業内容に抜け漏れがないか点検するため
  3. 組織全体で確認観点を明確にすることで業務品質を安定させるため
  4. 作業マニュアルの一部として作業方法を明確に示すため

一般的には1〜3の目的でチェックリストが活用されるケースが多いです。まれに4のように作業手順を表現するためにチェックリストを使用する場合がありますが、基本的に作業手順書とチェックリストは分けたほうが管理はしやすいです。
作業手順書の詳細や作り方をまとめた記事もありますので、最初に目的を考えて、どちらがが最適か考えてみてください。

また、チェックリストを「誰が」「いつ」「どのように」利用するのかも事前に確認しましょう。この結果により、具体的な項目やどのようなフォーマットにするのか(紙で印刷するのか?Excelやスプレッドシートに記入するのか?)など、最適解が異なってきます。

チェックリストを利用する業務の性質を確認

前項の「2. 作業内容に抜け漏れがないか点検するため」の目的でチェックリストを導入する場合ですが、「抜け漏れがどれだけ許されない業務か」は意識してください。
例えば、医療や金融など、少しのミスや抜け漏れが顧客に甚大な影響を与える業務もあります。基本的にチェックリストは、実際に運用に乗せる部分のハードルが最も高いので、可能であれば、最初は簡易なチェックリストから作成をお勧めします。しかし、ミスが許されない業務であれば、確認観点が完璧に網羅されたチェック項目を最初から揃える必要がありますので、注意してください。

最初は作業者の負担にならないように意識する

チェックリストは業務品質を向上させるためには大変便利なツールですが、作業者からすると「チェックリストを確認し、記入する」という作業が1つ増えることになります。
習慣化のハードルを下げるためにも、初回導入においては「負担にならない範囲で使えるチェックリスト」を作成しましょう。

チェックリストの作成方法

1. 作業内容の洗い出し

チェックリスト化する作業の内容を時系列に沿って洗い出していきます。
チェックリストを作成しているのが作業者自身であれば、それほど難しくないかと思いますが、管理者やリーダーがチェックリスト作成を実施している場合、現場メンバーにヒアリングしながら洗い出しをしましょう。項目としては以下を確認してください。

【ヒアリング時のチェック観点】
・作業項目
・作業の方法と注意点
・作業完了後の確認観点/チェック内容
・作業にかかる時間
・作業者
・備考

まとめ方はメモ帳などに記載しても良いですし、Excelやスプレッドシートで簡単な表を作成しても問題ありません。いきなり最終的なチェックリストの形にしないように注意してください。

画像1: ヒアリング時のメモ

また、複数人が同じ作業を担当しているような業務の場合、担当者自身が自分用のチェックリストや確認用のメモを作成していることがよくあります。ヒアリングの際に合わせて確認して、洗い出しの参考にするようにしましょう。

2. チェックリスト形態の決定

チェックリストを利用する形態を決めます。大きな観点としては「紙に印刷して利用するか」どうかです。特に、チェックリスト利用者がパソコンを保有していない場合や、作業環境上電子機器の持ち込みが難しい場合には紙で用意する必要があります。印刷をする前提の場合、チェックリストを用紙に収める必要があるのでその点も留意しながら最終的なチェックリストを作成します。
また、紙で印刷する必要性がなく、複数人で1つのチェックリストを同時に更新するような場合は、スプレッドシートの活用がおすすめです。

3. チェックリストの作成

実際にチェックリストを作成していきましょう。ヒアリングした内容からチェックリストを作成していきます。以下の順序で作成を進めてください。

業務を適切な粒度に分解・結合

ヒアリングした時点では各行の作業内容が大きすぎたり小さすぎたり、粒度がバラバラになっているはずです。一度全体を見直し、まとめて記載する作業、分けて記載する作業を調整しましょう。観点として、「その作業を実施するのは同じ人か」「作業にかかる時間に大きな差がないか」「その作業におけるチェック内容の量は適切か」に留意すると良い分類ができます。

カテゴリで整理する

必須ではありませんが、作業のステップ数が多い場合にはカテゴリで分類をしておくと、作業ごとの関連性がわかりやすくなり活用しやすくなります。

入力用の欄を追加

今回はサンプルとして「作業者」「作業日時」「チェック欄」を追加して作成しています。チェック欄は単純なチェックマークだけでなく、作業結果の記録(メモや文章)を記載する場合もありますので、業務内容に応じて柔軟に検討してください。参考として以下にチェックリストに登場する項目を列挙します。

【作業内容を表す項目】
・No
・カテゴリ
・作業項目
・作業の方法
・確認観点/チェック内容
・所要時間
・実施期限(納期からX日前まで、等)

【作業者が入力する項目】
・作業者
・作業日時
・チェック欄
・備考
・申し送り事項

上記項目のうち、特に注意していただきたいのは「確認観点/チェック内容」 の部分です。内容を記入する場合は「誰でも判断できるように記載する」ことが重要になります。例えば、「システムの表示を確認」ではなく「システムの通知画面上に『登録が完了しました』と表示されていることを確認」のように、確認ポイントを具体的にすることで判断ミスが減らせます。

画像2: チェックリストサンプル

4. 利用者にフィードバックをもらい修正する

実際に運用・利用開始する前に作業の担当者から内容についてフィードバックをもらいましょう。記載の誤りや、抜け漏れ、分かりづらい部分がないかをチェックしてもらい最終化します。もしできれば、試験運用してもらうことが理想的です。そうすることで、より精度の高いフィードバックを受けられます。

チェックリスト利用を現場に定着させる

チェックリストは運用に乗せ続けることがゴールになります。もちろん、一度作ったら完成ではなく、業務の内容やより精度の高いチェックのために改変も続けるようにしましょう。ここでは、チェックリストの利用を定着・継続利用するためのコツをご紹介します。

業務プロセスの中に明示的に織り込む

もし対象の業務にマニュアルや業務手順書があれば「チェックリストに記録する」という内容を明確に記載しましょう。また、非常にタイトなスケジュールで作業をしている場合はチェックリストに記録するためにかかる工数を加味して、作業の持ち時間や期限を調整しましょう。

ダブルチェックをすることでチェック忘れを防ぐ

チェックリストの活用にあたっては、同様の内容を2人目がチェックする「ダブルチェック」運用も有効です。完全に同じ項目をチェックすると時間がかかり過ぎてしまう、ということであれば、「重要な箇所のみダブルチェック」や「作業工程の最後に、チェックリストが記入されていることを管理者が確認」などの方法で取り入れてみましょう。

継続してチェックリストを最新化しつづける

チェックリストを活用している業務も時間の経過とともに、体制や作業内容が変化していきます。チェックリストの更新はできるだけ細かく、高頻度にしましょう。理想的な形は、現場のメンバーが気づいたときに修正できるようにしておくことです。可能であれば、管理者の方がチェックリストの更新ルールを決め、チームに共有してください。

まとめ

チェックリストについて作り方や活用のポイントはわかりましたでしょうか。サンプルとしても活用できるチェックリストのテンプレートはこちらからダウンロードできます。ご自由に改変してご利用ください。

繰り返しにはなりますが、チェックリストは継続的に活用できるかがポイントになります。まずは簡易な項目のみチェックリスト化して運用し、効果を実感できてから徐々に内容を充実させる方法も有効です。最初は無理がない形で活用にチャンレンジしてみてください。

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