フローチャート(業務プロセス図/ビジネスプロセス図)における分岐/条件分岐の記載方法についてご紹介します。本記事ではビジネスや業務手順におけるフローチャートを前提としていますのでご留意ください。また、フローチャート全体の書き方や利用する記号ごとの意味について解説した記事もご確認ください。

フローチャートにおける分岐の書き方

分岐は「特定の条件に従って処理が2種類以上のパターンに分かれる作業」を表します。分岐は枝分かれするケースの数に関係なく表現が可能です。例えば、物品購入の稟議の承認経路の分岐として「10万円以上」「50万円以上」「100万円以上」で決裁経路が3種類存在するようなケースも表せます。今回は、フローチャートにおける分岐の表現方法を以下3パターンでご紹介します。

  1. 2パターンだけの分岐表現
  2. 3パターン以上の分岐表現
  3. 繰り返しを表す分岐表現(番外編)

それぞれ、表現したい分岐の内容によって最適な表記方法が変わりますので、具体的な例とともにご紹介します。

ケース1: 2パターンだけの分岐表現

もっとも簡易な分岐表現で良く利用するケースです。「YES/NO」や「あり/なし」など2択で表現できる分岐です。分岐は以下の記号を用いて表現します。

フローチャートにおける条件分岐を表す記号です。
フローチャート_条件分岐記号

今回は例として以下の業務を想定します。

【想定業務】
・ECサイトの運営業者を想定
・商品購入時に「初回購入かどうか」によって対応が分かれる
・「初回購入である」場合は10%オフのクーポンを付与
・「初回購入でない」場合はお礼のお手紙を送付

実際にフローチャートの条件分岐記号を用いて表現すると以下のような形になります。

フローチャートで条件分岐を2パターンで表した画像です
条件分岐(2パターン)の場合の例

こちらは簡単かつ直感的にご理解いただけるかと思います。条件分岐記号内に分岐条件を記載して、その条件に対応する結果を頂点2箇所に記載し枝分かれさせます。上記は「Yes/No」で表現していますが条件記号内を「購入回数は?」として「1回目」「2回以上」と表現することも可能です。

ケース2: 3パターン以上の分岐表現

続いては3パターン以上に分岐するケースです。以下の業務を想定し、分岐が3つに分かれることをフローチャートを用いて表現します。

【想定業務】
・物品購入の稟議を想定
・購入金額によって承認すべき担当が分岐する
・「10万円未満」の場合は課長決裁
・「10万円以上100万円未満」の場合は部長決裁
・「100万円以上」の場合は社長決裁

ここでは更に2つの表現方法をご紹介します。実際にそれぞれの方法を記載すると、以下の形です。

分岐条件記号1つで表現する場合

先程、2パターンの分岐で表現した形と近い表現が以下の通りです。1つの条件分岐記号を用いて枝分かれするケースを追加しています。

フローチャートで条件分岐を3パターン以上で表した画像です
条件分岐(3パターン以上)の場合の例

条件分岐記号2つ以上を使って表現する場合

全く同じ内容を条件分岐記号を2つ用いて表現することもできます。

フローチャートで条件分岐を3パターン以上で表した画像です。分岐記号を2つ以上利用します。
条件分岐(3パターン以上)の場合の例 その2

それぞれの使い分けについてですが、「3パターンまでの分岐」であれば、1つ目の表現方法でよいでしょう。しかし、4パターン以上に分岐する場合、1つの分岐記号から枝分かれする数が多くなってしまい視認性が下がるため、複数の分岐記号を用いて表現することを推奨します。後者の形であれば、理論上は分岐のパターンがいくつあっても表現が可能です。

ケース3: 繰り返しを表す分岐表現(番外編)

分岐表現を用いることで繰り返し・ループを表現することも可能です。ループ・繰り返しは「2回以上実施する可能性がある同じ作業」を表します。例として以下の繰り返しを含む作業を分岐記号を用いて表現します。

【想定業務】
・メールの送信業務
・リストに記載されているクライアント様全員にメールを送る
・メールは雛形をコピーして送信
・毎回、リスト分すべて送信するまで実施し、リストを消化したら終了
フローチャートで条件分岐を用いてループ処理を表した例です。
分岐条件記号でループを表現

分岐の片方のケース(上記の例では「NO」の場合)を、過去の作業に戻すことで特定の条件を満たすまでの繰り返しが表せます。ループや繰り返し表現の詳細について知りたい方は、ループ・繰り返しについて詳細に解説した記事も合わせてご確認ください。

フローチャートで分岐を記載する際のポイント

分岐の条件を明確にする

最初に分岐の条件を明確にすることが大切です。「分岐の条件」「ケース」の2要素を明確にすることで、わかりやすい記載が可能です。

  • 分岐の条件: 分岐の基準となる要素
  • ケース: 要素における具体的な結果

ビジネスにおけるフローチャートはケースが定量化しづらいもの(例えば、営業現場での「お客様の検討度」など)も存在します。可能な限り定量的で明確な判断が可能なものが好ましいですが、気にしすぎる必要はありません。

わかりやすい分岐条件を心がける

同じ分岐条件でも表現の方法はいくつか存在します。例えば先程例で記載した以下の業務でも、2パターンで表現できます。

【想定業務】
・ECサイトの運営業者を想定
・商品購入時に「初回購入かどうか」によって対応が分かれる
・「初回購入である」場合は10%オフのクーポンを付与
・「初回購入でない」場合はお礼のお手紙を送付

【パターン1】
・条件: 「初回購入かどうか?」
・分岐: 「Yes」/「No」

【パターン2】
・条件: 「何回目の購入か?」
・分岐: 「1回目」/「2回目以上」

上記は全く同じ分岐ですが、表現方法が異なります。どのような表記をするかは、フローチャートの目的や読み手を考慮してより伝わりやすい方を選択しましょう。

本当に分岐条件が必要か確認する

業務プロセスをフローチャートにまとめる場合に、あまりに細かい判断まで記載してしまうと読みづらいものになってしまいます。例えば「誤字脱字がないか確認し、ミスがあれば修正する」という作業も厳密に言えば分岐ですが、あらゆる箇所に登場する自明なはずです。そのような場合にはあえて細かく分岐条件として表現しないことを検討しましょう。

さいごに

フローチャートにおける分岐の書き方についてご理解いただけましたでしょうか。フローチャート全体の書き方や利用する記号ごとの意味について解説した記事も参考にして、ぜひ、わかりやすいフローチャートを作成してみてください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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