業務一覧表は、①業務を洗い出す ②一覧表の骨子を作成する ③骨子に合わせて業務について記入する ④関係メンバーに確認を依頼し修正するの手順で作成します。
社内で発生している業務を「一覧表」を用いて可視化し、それを「業務整理」の一環として行うことは、業務改善に向けた第一歩です。
本記事では業務を一覧化し、業務一覧表を作成する目的と方法、さらに業務整理のポイントをご紹介しています。業務一覧表のサンプルも添付していますので、業務整理の手法としてぜひ取り組んでみてください。
業務を一覧化する目的とゴール
業務の一覧化は、業務改善に取り組む前段階として必要な「業務の可視化」のひとつの方法として役立ちます。業務の中で改善点を明確にするためには、現状の業務を正確に把握している必要があります。業務一覧表を作成し業務全体が見えるようになると、業務上の課題や改善点を見つけやすくなります。
したがって、業務を一覧化することの目的はあくまでも業務の可視化です。一覧化した後、業務整理・業務改善のための施策に取り組む必要があります。一覧化するだけで業務が効率化されたり、改善できるわけではないので、注意してください。
効業務の可視化には 業務改善・支援ツール「octpath」 の利用がおすすめです。
業務一覧表とは
業務をわかりやすくまとめるために用いられるのが、業務一覧表です。その名の通り、対象範囲の業務を一覧にしてまとめたツールです。
対象の業務内容によって、どのような項目を設けるか、どのくらい詳細に記載するかなど、記載する情報は異なります。自社の業務整理に役立つようにまとめるための工夫が必要です。
業務一覧表の作成方法
業務一覧表の作成方法についてご説明します。
業務一覧表のサンプルテンプレート
今回ご紹介する手順で作成できるexcelのサンプルテンプレートを添付しました。無料でこのままダウンロードしていただけますので、雛形としてお使いください。
具体的には、以下の流れで進めていきます。
- 業務を洗い出す
- 一覧表にまとめる
- 改善すべき箇所を探す
- 施策を選び、実行する
- 振り返りを行う
1. 業務を洗い出す
一覧化するために、対象の範囲内で行われている業務をすべて洗い出します。業務を正確に洗い出すためには業務を詳細に把握する必要があります。自分が関与していない業務も多いかと思いますので、実務を担当しているメンバーに適宜ヒアリングをしながら業務整理を進めましょう。業務ヒアリングについて記載している記事も参考にしてください。
また、はじめから一覧表にまとめると後から内容の粒度や業務のカテゴリを修正しづらくなってしまうため、まずは簡易に修正できるメモなどに箇条書きで洗い出すことをおすすめします。
ヒアリングの際は音声を自動で文字起こしする『Texta』がおすすめです。
2. 一覧表の骨子を作成する
次に、業務一覧表の骨子を作成します。テンプレートでは3行目にあたる、以下の部分です。
洗い出した業務をわかりやすくまとめるために必要な列を設定します。今回のテンプレートにない項目では、例えば「担当チーム」や「対応期間」「工数」「実施場所」などがあります。
骨子を作成する際には、記載する業務の粒度に注意してください。記載する内容の粒度が細かすぎると全体感を把握しづらくなってしまい、反対に荒すぎると実態を掴みづらくなってしまいます。“一覧表を見れば誰もが同じ業務をイメージできる”程度に記載しましょう。テンプレートの中項目・小項目のようにカテゴリをいくつか設けるとうまく分割できます。
3. 骨子に合わせて、業務について記入する
骨子が完成したら、枠組みに合わせて業務の詳細を記入していきます。
業務一覧表はあくまでも業務整理と可視化が目的です。マニュアルのように細かく記載する必要はないので、どんな業務かが分かる程度にざっくりと記載すれば問題ありません。
また、実務担当メンバーに一覧表ごと共有し、必要箇所を記入してもらう方法もあります。取り組む規模や業務の把握状況に合わせて検討してください。
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4.関係メンバーに確認を依頼し、修正する
業務についての情報を記入し終えたら、実務を担当しているメンバーにフィードバックをもらいます。業務に抜け漏れがないか、業務内容に齟齬がないかを確認してもらい、修正が必要な箇所があれば加筆します。
誰でも齟齬なく理解できるレベルにまとめることができたら、完成です。
このようにエクセルで業務一覧表の作成もできますが、業務管理ツールを使って業務整理を行うこともおすすめです。
業務一覧表を作成する際のポイント
業務を網羅的に洗い出す
定常的に発生している業務は無意識に処理してしまいがちなため、本当は実施している業務でも洗い出しを行う際に抜け漏れてしまうことがあります。時系列で1日の業務を思い出してみる、年間スケジュールを確認するなどして、すべての業務を書き出せるよう意識してください。
業務一覧表を作成するだけで満足しない
先述していますが、業務を改善するためには、業務一覧表をもとにして何某かの施策に取り組む必要があります。業務一覧表は業務を可視化するためのツールの一つにすぎませんので、作成することで満足しないよう注意してください。
具体的な施策については、業務改善カテゴリ内の記事や、業務効率化の方法について記載している記事を参考に取り組んでみてください。
誰の視点でも分かるように記載する
業務一覧表に限らずマニュアルやフロー図などの業務情報を記載したツールは、誰でも同じ業務をイメージできるように記載する必要があります。管理者の視点からだけでなく、実務を担当するメンバーや、新入社員など一度も業務を担当したことのないメンバーでも分かるように記載するよう心がけましょう。
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定期的に見直しを行う
マニュアルや手順書にも共通することですが、業務内容の変更に合わせて業務一覧表を最新化することを忘れてしまい、一覧表の内容と実業務が乖離してしまうことがあります。ツールが形骸化しないよう、定期的に見直しの機会を設けましょう。半期に一度など、更新のタイミングを事前に決めておくことがおすすめです。
また、業務管理ツールを使って業務整理を行うこともおすすめです。
おわりに
業務改善に取り組むためには業務整理・可視化が不可欠です。ぜひ記事を参考に業務一覧表を作成してみてください。