AI(人工知能)ができることは多岐にわたり、人間の暮らしを便利なものにしています。ビジネスにおいても業務効率化や品質向上などに寄与する技術ですが、AIにも苦手なことやできないことがあるため、自社に取り入れる際にはAIと人間の役割分担を明確にする必要があります。
この記事ではAIができること・できないことの具体例を紹介するとともに、ビジネスにおけるAI活用のメリットや導入時の課題について詳しく解説します。
AI(人工知能)とは
AIとは「Artificial Intelligence(アーティフィシャル・インテリジェンス)」の略称であり、日本語では「人工知能」を意味する言葉です。明確な定義はありませんが、一般的には「人間の思考プロセスを模倣し再現する技術やシステム」と理解されています。AIの研究は1950年代から続いており、生成AIが急速に普及した2022年頃から「第4次AIブーム」に入ったといわれています。
AIができること
さまざまな商品やサービスに組み込まれ、日常生活に浸透しているAI(人工知能)。
ここではAIができること・得意なことの具体例を紹介します。
画像認識
画像認識とは、画像や動画に写っている物体を認識する技術です。
画像に何が写っているか識別したり、画像に写っている物体から全体の状況を判断したりすることができます。人間が過去の経験をもとに画像に写っているものを判別するのに対し、AIは前もって学習している大量の画像データから対象物を特定する作業を行います。近年はディープラーニング(深層学習)の登場によって画像認識技術が飛躍的に向上し、医療や製造など多種多様な産業に影響を与えています。
《活用例》
・車の自動運転
・顔認証システム
・医療現場での画像診断
・製造現場での異常検知や不良品検出
・ECサイトでの画像検索
・画像から文字を認識(テキストデータ化、他言語への翻訳など)
音声認識
音声認識とは、音声データを文字形式に変換する技術です。
音声認識でもディープラーニングの活用が広がっており、膨大な量のデータ処理も高速かつ高精度で行えるようになりました。ビジネスにおいては会議の発言内容をリアルタイムでテキスト化し、そのまま議事録作成まで自動で行えるAIツールが登場しています。身近なところではAppleの「Siri」やAmazonの「Alexa」などが音声認識サービスの代表例です。
《活用例》
・音声入力
・文字起こし
・議事録の作成
・翻訳
・音声アシスタント
・コールセンターの自動応答
自然言語処理
自然言語処理とは、人間が日常的に使っている言葉をコンピュータで処理する技術です。
主に「形態素解析」「構文解析」「意味解析」「文脈解析」の4つの技術があり、直前の会話内容を次のコミュニケーションに活かす対話型AI(チャットボット)などに用いられています。また、音声認識技術によって音声データをテキスト化する際にも自然言語処理が活用されています。
《活用例》
・検索エンジン
・チャットボット
・スマートスピーカー
・メールフィルター
・翻訳
・文章要約
AI予測
過去のデータをAIが分析し、その特徴や傾向から将来変化を予測する技術です。
AIは大量かつ多様なデータもスピーディーに分析できるため、個人の経験や勘に頼らずとも精度の高い予測と迅速な意思決定が可能となります。ビジネスにおいては業績管理における売上金額の予想や、需要予測による在庫数の適正化などに役立てられています。
《活用例》
・売上金額予測
・商談成約予測
・製造業における原材料の需要数予測
・飲食店での来客数予測
・農作物の収穫量予測
・道路渋滞が発生する時間帯の予測
作業の自動化
AIはルールが明確な作業が得意であり、日々発生する定型業務の自動化に活用できます。
これまで単純作業の自動化には「RPA(Robotic Process Automation)」が使われてきましたが、自律的に学習するAIとの組み合わせによってさまざまなプロセスの自動化が可能となり、その利用範囲を格段に広げることができます。
▶︎自動化ツール6選|業務効率化に役立つおすすめツールを紹介
《活用例》
・書類情報の自動入力
・入力内容をもとにフローを作成
・在庫管理システムの更新
・チャットボットによる顧客対応
・行政機関における給付金支給業務
・契約書レビュー(内容チェックとリスクの洗い出し)
コンテンツ生成
AIはクリエイティブな作業も可能であり、人間の指示に従って新たなコンテンツを作り出すことができます。2022年11月に公開された「ChatGPT」(OpenAI社)を契機に生成AIへの関心が世界中で高まり、ビジネスにおいても業務効率化や品質向上を目的とした利活用が広がっています。
《活用例》
・文章生成:ブログやメールマガジン、プレスリリースの作成など
・音声生成:動画のナレーションやコールセンターの自動応答など
・画像生成:チラシやポスター、製品パッケージのデザインなど
・動画生成:自社のプロモーション動画や社員教育用ビデオの作成など
AIができないこと
人間の知的活動に大きな役割を果たしているAIですが、決して万能というわけではありません。AIにもできないこと・不得意なことがあり、その一例として以下が挙げられます。
人間の感情への理解・共感
表情や声から感情を分析する技術は進んでいるものの、人間の感情そのものをAIが感じ取ったり共感したりしているわけではありません。例えば「嬉しい」「悲しい」などの感情はそのままの言葉として受け取るため、その裏で人間が何を考えているか、本心はどう思っているかなどを汲み取ることはできないのです。
合理的ではない判断
AIは過去の学習データをもとに最も合理的な回答を導き出します。人間のように「その日の体調」や「その時の感情」に左右されることなく、事前にプログラムされた範囲内で的確な判断を下すことを得意としています。逆に言えば「合理的ではない判断」が苦手であり、AIに教えていない人間社会の常識や暗黙のルールに従うことはできません。これにより、常識的・倫理的とはいえない判断を下すこともあります。
少ないデータでの対応
AIは大量のデータをもとに高度な分析を行える反面、その前提となるデータ量が少ない場合には分析の精度が低下し、特定の個人に向けた対応が難しくなります。分析の精度を高めるためには十分な量のデータを用意するほか、クレンジングによって不要なデータやノイズを取り除く必要があります。
企業がAIを活用するメリット
企業によるAI活用のメリットとして以下の点が挙げられます。
- 業務効率化と生産性の向上
- 人的ミスの削減と作業品質の向上
- 異常検知による安全性の向上
- 精度の高いデータ分析
- 人手不足の解消
- 人件費の削減
AI搭載のツールを導入し作業を自動化することで、業務効率の向上や人的ミスの削減につながるメリットがあります。AIはその日の体調やモチベーションに左右されることなく、大量のデータを素早く処理し、常に安定した仕事を提供してくれます。AIで対応可能な業務はAIに任せることで、社員は「人間にしかできない業務」に従事でき、重要なコア業務へのリソースを増やせるようになります。
企業におけるAI導入の課題
AI活用には多くのメリットがある一方で、企業に導入する際には以下のような課題も伴います。
- セキュリティリスク
- AI活用の有用性
- 既存システムとの接続性
- AIを扱える人材の不足
- データ収集・整理・品質の問題
大量のデータを扱うAIの導入により、サイバー攻撃による情報漏洩リスクが高まることが懸念されます。AI搭載のツールを導入する際にはセキュリティへの取り組みについて確認し、安心して運用できるサービスを選定する必要があります。
また、導入にあたっては「誰でも使いこなせるのか」「本当に効果が出るのか」と不安な方も多いでしょう。このような場合には本導入前のトライアルで操作性を確認し、効果検証やヘルプデスクなど導入前後のサポートが充実したサービスを選ぶことをおすすめします。
AIが自動的にフローを作成!業務管理の負担を減らす「octpath」
弊社が提供する「octpath」は、あらゆるチームの業務改善を支援するプロセスマネジメントツールです。入力内容をもとにAIが自動的にフローを生成する「AIフロー作成」など、業務管理の負担を減らす便利な機能を搭載しています。サービス上の全ページで暗号化通信を採用するなどセキュリティ面においても複数の取り組みを実施し、お客様が安心して利用できるサービス環境を整えています。
octpathではチームの規模によって選べる4つの料金プランをご用意しています。
各プランともすべての機能を無制限にご利用いただけます。
プラン名 | 料金 | 上限人数 |
---|---|---|
ライト | ¥30,000 | 20 |
スタンダード | ¥45,000 | 50 |
プロ | ¥60,000 | 100 |
エンタープライズ | ¥100,000 | 100〜 |
octpathの全機能をお試しいただける15日間無料トライアルをご提供しています。
期間終了後の自動更新なく安心してご利用いただけます。
おわりに
本記事で取り上げたAIができることの一例は次のとおりです。
- 画像認識
- 音声認識
- 自然言語処理
- AI予測
- 作業の自動化
- コンテンツ生成
一方で、AIは人間の感情に共感できず、最も合理的な判断しか選ぶことができません。データ量が不足している場合には分析の精度が低下し、特定の個人への対応ができないこともあります。自社でAIを活用する場合には事前に業務の棚卸しを行い、どの業務をどこまでAIに対応させるか検討しておくとよいでしょう。
また、AIの導入にはセキュリティリスクを伴うため、万全の対策をとっているサービスを選ぶことが大切です。各サービスの機能や価格、操作性はもちろんのこと、自社の機密情報を守るセキュリティへの取り組みについても十分に確認することをおすすめします。