仕事の流れが確立されている定型業務は、自動化ツールを用いることで大幅に業務効率が向上します。少子高齢化による労働力不足が深刻化するなか、ITツールの活用で一部の業務を自動化・簡素化できれば、多くの企業が抱える人材不足や長時間労働などの課題解決につなげられます。この記事では、業務効率化に役立つおすすめの自動化ツールを6つご紹介します。

自動化ツールとは

自動化ツールとは、その名の通り人手による作業を自動化できるサービスです。自動化の方法や対象業務はツールによって大きく異なります。
また、ビジネスシーンでは特にRPA(Robotic Process Automation/ロボティックプロセスオートメーション)と呼ばれる、主にパソコン作業における定型的なルーティンワークをロボットに覚えさせ、人間の代わりにロボットが作業を実行するツールを指すことが多いです。これまで人の手で行っていた作業をロボットに任せることで業務効率化が実現し、自動化によって空いたリソースを重要なコア業務にあてることができます。

基本的に自動化ツールはノーコードで利用でき、自動化の仕組みを構築するための専門知識は必要ありません。誰でも簡単に自動化の仕組みを作れるよう、直感的に操作できる仕様になっています。また、多くのサービスは無料でツールを体験できるトライアル期間を設けており、導入支援・導入後のサポートも充実しているため、ツール提供元の指示に従えば、初めてのツール導入でも迷わずに自動化を進められるでしょう。

自動化ツール導入の成功事例

自動化ツールの導入は多くの企業にとって大きな変革をもたらしました。以下に、その成功事例をいくつか紹介します。

  • 顧客サービスの自動化
    大手小売企業は、顧客からの問い合わせを管理するためにチャットボットを導入しました。この自動化により、顧客の問い合わせに対する応答時間が大幅に短縮され、顧客満足度が向上しました。
  • HRプロセスの自動化
    あるテクノロジー企業は、採用プロセスを自動化するためにAIベースのツールを採用しました。履歴書のスクリーニング、初期面接のスケジューリングなどのタスクが自動化され、HR部門の作業負荷が軽減され、より効率的な採用プロセスが実現しました。
  • 在庫管理の自動化
    製造業のある企業は、在庫管理を自動化するシステムを導入し、在庫レベルの監視、注文の自動発行などを行うようにしました。これにより、過剰在庫や品切れのリスクが減少し、運転資本の効率化が図られました。

また、自動化ツールにはoctpathもおすすめです。

自動化ツールの選び方

自動化ツールを選ぶ際には、その機能、使いやすさ、価格だけでなく、あなたのビジネスが直面している具体的な問題を解決できるかどうかを考える必要があります。適切な自動化ツールを選択することで、業務プロセスを効率化し、生産性を向上させることができます。以下のポイントを参考に、自社に最適な自動化ツールを見つけましょう。

評価すべき主要機能

自動化ツールを選ぶ際には、以下の機能に注目してください。

  • 統合性
    ツールが他のシステムやアプリケーションと簡単に統合できるかどうか。この機能により、異なるプラットフォーム間でのデータの移動や同期がスムーズに行えるようになります。
  • ユーザーフレンドリー
    操作が直感的で、学習曲線が急でないこと。非技術者でも容易に使用できるインターフェースが望ましいです。
  • カスタマイズ性
    組織の特定のニーズに合わせてカスタマイズできる程度。柔軟性が高いツールほど、さまざまな業務プロセスに適応しやすくなります。
  • スケーラビリティ
    組織の成長に伴って、ツールの規模を拡大できるかどうか。将来的なニーズの変化に対応できるツールを選ぶことが重要です。
  • セキュリティ
    データ保護機能が充実しているかどうか。企業データの安全性を保ち、リスクを最小限に抑えるためには、高度なセキュリティ機能を備えたツールが必要です。

企業のニーズに合ったツールの選定基準

企業のニーズに最適な自動化ツールを選ぶためには、以下の基準を考慮することが重要です。

  • 業務プロセスの複雑さ
    自動化したい業務プロセスの複雑さを考え、それをサポートする機能を備えたツールを選択します。
  • 予算
    自動化ツールの導入にかけられる予算を明確にし、コストパフォーマンスの高いツールを選ぶことが大切です。隠れたコストがないかも確認しましょう。
  • サポート体制
    ツールの提供会社がどの程度のサポートを提供しているか。万が一のトラブル時に迅速に対応してくれるかどうかも選定基準の一つです。
  • 将来性
    技術は日々進化しています。現在だけでなく将来も継続して使用できる、更新やアップグレードが予想されるツールを選択することが望ましいです。

自動化ツールの選択は、単に機能性だけでなく、長期的な視点を持って、組織のニーズに合致するものを選ぶことが重要です。正しいツールを選べば、業務効率は飛躍的に向上し、企業の成長を加速させることができます。

業務プロセスを簡単にしたoctpathを体験してみてください。

業務効率化に役立つ自動化ツール(RPAツール)

今回は、自動化ツールの中でも冒頭で述べた「RPAツール」と、 比較的利用が簡単な「ツール連携サービス」に限定してご紹介します。ここでは、毎日の定型業務を効率化するおすすめのRPAツールをピックアップしてご紹介します。

UiPath

サービスサイト:UiPath

UiPathのイメージ画像です

UiPathは「発見」「自動化」「運用」の各フェーズを一つにまとめたプラットフォームで、最も有名と言えるRPAツールです。大企業にも多く導入されている実績があります。
プロセスやタスクの改善点を発見し、UIとAPIによる自動化で業務プロセスを効率化させます。自動化プロジェクト全体や実行状況の分析、自動化に対する継続的なテストなどが行える運用機能もあるため、自動化した業務をさらに最適なものにブラッシュアップできます。UiPathの活用方法を無料で学べる「UiPath Academy」や他ユーザーとノウハウを共有できる「UiPath Community」など、ユーザーへのサポートも充実しています。

プラン料金
Free$0(無料)
Pro$420/月
Enterprise問い合わせ

※60日間の無料トライアルあり(Proプラン)

AUTORO

サービスサイト:AUTORO

AUTOROのイメージ画像です

AUTOROは「ウェブオートロボット」というクラウド型のRPAツールで、「登録」「確認」「集計」「保存」「整理」といった日々の単純作業を自動化するツールです。例えば求人応募者への自動返信、勤怠の打刻漏れチェック、ECサイトの商品登録など、クラウド上の業務であればニーズにあわせて自由に業務を設計し、自動化できます。クラウド型でサーバーの構築が不要で、ブラウザとインターネット環境があればいつでもどこからでもアクセス可能です。

プラン料金
問い合わせ。ツール利用料(月額)のほか初期設定費用、サポートプラン、ワークフロー作成代行の有無、その他オプションあり

※2週間の無料トライアルあり

BizteX cobit

サービスサイト:BizteX cobit

biztex cobit のイメージ画像です。

BizteX cobitもAUTOROと同様にクラウド型のRPAツールです。大企業から中小企業までさまざまな企業が導入しており、複雑な専門知識は必要なく誰でも簡単に操作できます。導入支援から導入後のトレーニング、RPA浸透の勉強会まで、ツール導入・活用における社内全体への支援体制が充実しています。
また、BizteXでは他にもAI-OCRを用いた書類スキャンの自動化ツールやツール間連携が可能なiPaaS等などの自動化ツールも提供しているため、合わせてご検討ください。

プラン料金
カスタマイズ問い合わせ

※7日間の無料トライアルあり

BizRobo!

サービスサイト:BizRobo!

BizRoboのイメージ画像です

BizRobo!は日々のルーティンワークを自動化するソフトウェアロボットです。一つのライセンスで無制限にロボットの開発環境をインストールできるため、開発者が増えてもライセンスコストがかさむことはありません。段階的な製品ラインアップにより、スモールスタートから部署・チームごとの展開、全社展開まで幅広いニーズに対応しています。また、オンラインでのサポートのみならず、国内10拠点からオフラインによる支援も行っています。

製品ラインアップ料金
BizRobo! mini90万円/年
BizRobo! Lite120万円/年(初期費用:30万円)
BizRobo! Lite+180万円/年(初期費用:30万円)
BizRobo! Basic720万円/年

※1か月間の無料トライアルあり

業務効率化に役立つ自動化ツール(ツール連携サービス)

異なる複数のツールを連携させることで、業務を自動化することも可能です。ここでは、おすすめのツール連携サービスをピックアップしてご紹介します。

zapier

サービスサイト:zapier

zapierの画面イメージです

zapierは5,000を超えるツールの連携が可能なサービスで、現在業務で使っているツールをそのまま活用することができます。例えば、Instagramに投稿した写真をTwitterでも共有する、Gmailに届いた添付ファイルをGoogleドライブに保存するなど、ツールを超えた連携が可能です。料金のかからないフリープランから個人向けプラン、会社全体で自動化を構築できるチーム・組織向けプランまで用意されているため、会社の規模や求める機能によって個々に最適なプランを選択できます。

プラン料金
Free$0(無料)
Starter$19.99/月(年間請求)
Proffesional$49/月(年間請求)
Team$399/月(年間請求)
Company$799/月(年間請求)

※14日間の無料トライアルあり(Professionalプラン)

IFTTT

サービスサイト:IFTTT

IFTTTのイメージ画像です

IFTTTとは「IF This Then That」の略で、700を超えるツールを連携できるサービスです。専用のiOSおよびAndroidアプリが公開されており、いつでもどこでもスマートフォンから簡単に操作できます。独自に自動化のアプレット(プログラム)を作ることも、すでに公開されているアプレットを使うことも可能で、Proプラン・Pro+プランであればカスタマイズを加えてさらに高度なアプレットを作成できます。

プラン料金
Free¥0(無料)
Pro¥350/月
Pro+¥700/月

※無料トライアルあり(Proプラン)

自動化ツールで効率化できる業務

自動化ツールを活用し効率化できる業務は、明確なルールに基づいて行う定型的な作業です。すでにマニュアル化されており、その通りに進行すれば一定の作業品質を担保できる業務であれば、自動化ツールに置き換えることができます。
たとえば、自動化ツールで対応できる業務には以下のようなものがあります。

  • 受注データを基幹システムへ登録する
  • 勤怠・稼働のエラー情報を検知し該当者へ通知する
  • 求人情報を自社システムに転記する
  • Web上にある自社製品への口コミを収集する
  • 交通費を集計し会計システムに反映させる
  • 問い合わせメールに返信する

ツールの活用で自動化できる業務は幅広く、営業部や人事部、経理部、マーケティング部、コールセンターなどさまざまな部門で活用されています。ロボットが検知したエラーデータは除外されるため、自社社員はイレギュラーのみ対応することで大幅に業務効率を改善できます。

ただし、イレギュラーが発生しやすい業務に自動化ツールを導入すると、かえって非効率になってしまう可能性があります。自動化ツールを自社業務に十分に活かせるよう、ツール導入前には必ずトライアルを行い、どのような業務で自動化の仕組みを構築できるか自分の手で確かめておくとよいでしょう。

自動化ツールを活用するメリット

定型業務に自動化ツールを活用するメリットには以下が挙げられます。

コストを削減できる

これまで人の手で行っていた定型業務を自動化ツールが代行することで、担当者の人件費を削減できます。また、担当者の異動や退職があっても新たな人材をあてがう必要がないため、採用・育成コストもかからなくなります。当然ながらツール導入においては一定の費用がかかるものの、正確な業務進行が担保されるうえにさまざまな経費を削減できるため、費用対効果は十分にあると考えられます。

業務品質が向上する

自動化ツールが得意とするのは、繰り返し行う単純作業や大量のデータを扱う業務です。これらは長時間行うとヒューマンエラーが起きやすく、ミスに気づかないまま作業を続けてしまうこともしばしばあります。一方で、自動化ツールは決められたルールに基づき忠実に作業を行うため、人間のように途中で疲れたり集中力が途切れたりすることはありません。自動化ツールに定型業務を任せれば、これまで起こりがちだった人的ミスを防ぎ、業務品質の向上が期待できます。

付加価値の高い業務に注力できる

これまで手作業で行っていた定型業務が自動的に行われるようになれば、業務効率化につながるのはもちろんのこと、人間でなければ務まらない付加価値の高い業務に注力できるメリットも生まれます。自動化ツールが対応できる業務はあくまで事前に設定されたルールに基づく単純作業であり、状況に応じてその場で判断を変えるような、いわゆる「柔軟な対応」はできません。まずは自社業務において自動化ツールで代行できるもの・できないものを整理し、ツールで対応可能な業務はツールに任せること、それにより空いたリソースを重要な意思決定を伴うコア業務にあてることが最善のツール活用といえます。

自動化ツール導入時の注意点

自動化ツールを導入する際には、成功を確実にするためにいくつかの重要な注意点があります。

  • 明確な目標の設定
    自動化を実施する前に、何を達成したいのか、どのプロセスを改善したいのかを明確にすることが重要です。目標が明確でないと、適切なツールの選定や成功の測定が難しくなります。
  • 従業員のトレーニングとサポート
    自動化ツールの導入は従業員にとって大きな変化です。適切なトレーニングとサポートがなければ、ツールの利用が進まない可能性があります。従業員が新しいツールを理解し、快適に使用できるようにするための計画を立ててください。
  • 段階的な導入
    すべてのプロセスを一度に自動化しようとすると、混乱を招くことがあります。まずは小規模から始めて、徐々に範囲を広げていくことをお勧めします。
  • 継続的な評価と調整
    自動化ツールの導入後も、その効果を定期的に評価し、必要に応じて調整を行うことが重要です。ビジネスの変化に合わせて自動化の戦略も進化させる必要があります。

自動化ツールの導入は、適切に計画され、実行された場合、業務の効率化、コスト削減、生産性の向上など多くの利益をもたらします。成功事例を参考にしつつ、自社に適した自動化戦略を構築していきましょう。

おわりに

自動化ツール(RPAツール)とは、決められた内容・流れに沿って行う定型業務をロボットが代行するツールを指します。人的ミスがなくなることで業務品質と生産性が向上し、さらに自動化により創出された時間を付加価値の高いコア業務にあてることで、人材不足の解消や競争力の強化にもつながっていきます。

今後ますます労働人口の減少が進む日本において、業務の自動化は避けては通れないものとなっています。今回ピックアップした自動化ツールを参考に、気になるサービスがあればトライアルから始めてみてはいかがでしょうか。

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