ビジネスではメモを取る機会が多く、仕事で使えるメモの取り方を身につけておく必要があります。上手にメモが取れるようになると、必要な情報を過不足なく記録でき、仕事を効率的に進められます。
メモを取る際の基本的な方法や注意点、5W1HやPREP法などのテクニックの解説や、EvernoteやNotta、Google Keep、Textaなどのおすすめツールもご紹介します。
基本的なメモの取り方
まずはあらゆるシーンで使える基本的なメモの取り方を紹介します。
タイトルと日付を書く
日々多くのメモを取る場合、それがいつ・何について記載したメモなのかわかるようにしておく必要があります。メモの上部にはタイトルと日付を書き、会議やミーティングであれば参加者もメモしておきます。自分が書いたメモでも、時間が経つとどのような内容か忘れてしまうことがあるため、後から見返したときに何のメモかすぐに判断できるようにしておきましょう。
要点を掴んで書く
メモを取るときは話の要点を掴み、必要な情報のみを書き留めるようにします。なるべく多くの情報を書こうとしても、一言一句漏らさずに書くことはほぼ不可能です。それよりも話の内容を理解し、要点を絞って書くことが大切です。後から見返すときも、取捨選択されていない多くの情報が書いてあるメモよりも、必要な情報のみが書かれたメモのほうが役に立ちます。
略語や記号を使う
メモを取るシーンはさまざまですが、時にはスピーディーにメモを取らなければならない場面もあります。このときは言葉を略したり記号を用いたりすることで、素早くメモを取れるようになります。例えば担当者を「担」と書いたり、重要なポイントに「★」を付けたりするなど、後から自分が読み返したときに何を意味するかわかるような略語・記号を使うのがポイントです。
色を分ける
2色ボールペンを使って、基本は黒、特に重要なキーワードは赤というように、色分けしてメモを取るのもおすすめです。色が多くなると時間がかかり、何が重要な情報なのかわかりづらくなるため、多くても3色までにしておきましょう。ただし、素早くメモを取らなければならない場面では無理に色を分ける必要はありません。その場合は、重要な箇所に「★」を付ける、丸や四角で囲って目立たせるなどの工夫をするとよいでしょう。
余白を残す
メモを取るときに意識したいのが「余白を残す」ことです。小さい文字で詰めて書くのではなく、後から追記できるような大きめの余白を取ることを意識し、余裕を持ったページの使い方をしましょう。メモが見やすくなるのはもちろん、後から思い浮かんだアイデアや気づき、補足情報などを加えやすく、よりわかりやすいメモを作成できます。
仕事で役立つメモの取り方
仕事でメモを取るときに役立つテクニックを紹介します。
基本的なメモの取り方にプラスして取り入れてみてください。
5W1Hを明確にする
5W1Hとは以下の英単語の頭文字を取ったものです。
- When(いつ)
- Where(どこで)
- Who(だれが)
- What(何を)
- Why(なぜ)
- How(どのように)
メモを取るときは5W1Hを明確にし、必要な情報を過不足なく書いていきます。5W1Hが明確になっていると後から読み返したときもわかりやすく、他のメンバーと共有するときに互いの認識に齟齬(そご)が生じることもありません。
5W1Hに「How much(いくら/価格)」や「How many(いくつ/規模)」を加えた「5W2H」「5W3H」もあるため、メモを取るシーンに合わせて使い分けるとよいでしょう。
PREP法を意識する
PREPとは以下の英単語の頭文字を取ったものです。
- Point(結論)
- Reason(理由)
- Example(具体例)
- Point(結論/まとめ)
PREP法は「書く」と「話す」の両方で活用できるテクニックです。メモを取るときは結論から書き始め、その結論に至った理由、具体例と続き、最後にまとめを書きます。
これはメモの量が多くなりがちなシーン、例えば会議メモを取るときに特に有効活用できます。多くの情報があるなかで、まず結論から書くことでその会議の要点が明確になり、後から議事録にまとめるときもスムーズに書き進められます。
関連記事:議事録の書き方|作成のポイントからメモの取り方まで解説
曖昧な部分はカタカナで書く
メモを取るときに正確に聞き取れなかった部分、漢字や英語の綴りがわからない部分については、一旦聞き取った内容を「カタカナ」で書いておきます。カタカナで書けない内容(数値など)は印を付け、後から読み返したときにわかるようにしておきましょう。
例えば先輩社員からの業務指導でメモを取るとき、曖昧な部分がある度に確認しているとその都度説明が中断してしまいます。ある程度の区切りまで説明を聞き、曖昧な部分があればまとめて確認するのが望ましいでしょう。
マインドマップを作成する
マインドマップとは自分の思考を視覚的に表現する手法のことで、中心のメイントピックから放射線状に言葉をつないでマップ化します。個々の情報のつながりを一目で把握できるメリットがあり、メモを取るとき以外にもアイデアを出すときやタスクを整理するときなどさまざまなシーンで活用できます。
ビジネスでマインドマップを使用する場合は共同編集が可能なオンラインツールがおすすめです。ツールの基本機能や選定ポイントとともに以下の記事で詳しく紹介しています。
関連記事:マインドマップツール5選|ビジネスで使えるおすすめツールを紹介
メモを取るときの注意点
メモを取るときに注意すべきポイントを以下にまとめました。
一言一句すべてを書こうとしない
一言一句をメモする必要はありません。話の内容をそのまま書くよりも、5W1H(いつ/どこで/だれが/何を/なぜ/どのように)を意識し、話の要点を明確にしながら書き留めていくことが大切です。すべての情報を書こうとすると「書くこと」だけに集中しがちで、必要な情報を聞き逃してしまうことがあります。
メモを取る手を止めない
メモを取るなかで聞き取れなかった部分があっても、そこで中断せずにメモを取り続けることを意識しましょう。曖昧な部分は後から確認する必要があるため、該当箇所がわかるように色を付けたり丸や四角で囲ったりしておきます。漢字がわからないときはカタカナで書き、後から調べて正しい漢字を書き加えましょう。自分だけが使うメモであればカタカナのままでも問題ありませんが、他の人と共有したりメモをもとに議事録を作ったりする場合には修正しておくことをおすすめします。
後から読み返すことを考える
基本的にメモは「後から読み返すもの」です。メモを取るときにはこれを意識し、ストレスなく読み返せるようにしておく必要があります。例えば素早くメモを取ることを意識するあまり殴り書きのようなメモになってしまうと、書いた本人でも読み返しにくく、他の人と共有することもできません。要点がわかりにくいメモは理解するのに時間がかかり、必要な情報が漏れているメモは役に立ちません。時間が経って読み返したときに、その内容を正しく理解できるメモを作ることが大切です。
おすすめのメモ帳ツール
メモを取るシーンが多いビジネスではメモ帳ツールの活用もおすすめです。異なるデバイスでメモの内容を確認できるため、手書きのメモと比べて管理しやすく、社内での共有も容易となります。また、多くのメモ帳ツールにチェックリスト機能が付いており、メモを取るだけでなく日々のタスク管理としても活用できます。
ここではおすすめのメモ帳ツールを3つ紹介します。
Evernote
サービスサイト:Evernote
Evernoteはテキストや画像、PDF、音声ファイルなどを記録できるツールです。形式・デバイスを問わずに保存可能で、すべてのデバイスに自動的に同期されます。メモを取るだけでなく毎日のタスクやスケジュール管理にも適しており、オフラインモードを使えばインターネット環境がなくても使用できます。
対応デバイス | Mac、Windows、iOS、Android、Linux |
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料金 | ¥0(無料) |
手書き入力 | ○ |
画像・PDF対応 | ○ |
※有料プランあり
Notta
サービスサイト:Notta
Nottaは音声を自動的に文字起こしできるツールです。1時間の音声であれば5分で文字起こしとAI要約が完了するため、作業効率を大幅に向上できます。会議や講座・セミナーなどの対面コミュニケーションのほか、音声や動画のファイル、Web会議の文字起こしにも対応しています。無料プランは使える機能が制限されるため、ビジネスで使用する場合には有料プランへの移行が必要となるでしょう。
対応デバイス | Mac、Windows、iOS、Android |
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料金 | ¥0(無料) |
手書き入力 | × |
画像・PDF対応 | × |
※有料プランあり
Google Keep
サービスサイト:Google Keep
Google Keepはメモやリスト、写真、音声を記録できるツールです。Googleアカウントがあればログインのみで利用可能で、作成したメモはスマートフォンやタブレット、パソコンなど複数のデバイスで同期されます。リマインダー機能を使って日付と時間を設定すれば、指定した時刻にメモを表示させることもできます。
対応デバイス | Mac、Windows、iOS、Android |
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料金 | ¥0(無料) |
手書き入力 | ○ |
画像・PDF対応 | ○ |
Texta
サービスサイト:Texta
Textaは、リアルタイムで正確な文字起こしを行い、その後の議事録作成や翻訳も簡単操作で作成できます。音声ファイルや動画からも、文字起こしが可能で、Web上での編集や、AIを活用した要約や翻訳も可能です。
また、文字起こしデータやAI議事録データなど全てのデータをクラウド上で保管することで、どこからでもアクセスすることができます。
対応デバイス | Mac、Windows |
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料金 | ライト:15,000(月/税抜)/ スタンダード:30,000(月/税抜)/ プロ:50,000(月/税抜)/ エンタープライズ:要お見積り |
手書き入力 | × |
画像・PDF対応 | × |
おわりに
メモを取るときは「後から見返す」ことを想定し、時間が経って見返したときにわかりやすいかどうかを意識する必要があります。基本的なメモの取り方だけでなく、仕事で使えるメモの取り方も身につけ、仕事の効率アップにつなげましょう。
おすすめのメモ帳ツール・アプリは以下の記事でも紹介しています。選び方のポイントや活用方法についても詳しくまとめていますので、本記事とあわせて参考にしてください。