チェックリストは作業の進捗状況を可視化できるだけでなく、業務の標準化にも利用できるツールである一方、内容が更新されておらず形骸化してしまっているケースも少なくありません。
この記事では、チェックリストの重要性とともに形骸化してしまう原因・解消法について解説しています。チェックリストがあるものの活用できていない、という方はぜひ参考にしてください。
チェックリストの役割とは?
そもそもなぜチェックリストが必要なのか、まずはチェックリストの役割とメリットについて解説します。
ミスや抜け漏れの発生を未然に防止する
チェックリストの主な役割は作業におけるミスや抜け漏れの発生を防止することです。各作業において必ず取り組むべき項目や注意すべき項目を記載しておくことで、ミスやトラブルの発生、作業漏れを防ぐことができます。あらゆる業務で役立てることができますが、特に客先の業務や医療現場のような、ミスが絶対に許されないクリティカルな業務で役立ちます。
また、チェックリストによっては担当者や期限を同時に記載するケースもあります。プロジェクトに関わっているメンバーが多いほど管理が煩雑になり、ミスが発生しやすくなリマス。チェックリストの中で「誰が」「何を」「いつまでに」作業しなければいけないのかを一覧化することで、タスクの実施漏れの防止にも繋がります。
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管理者の負担を減らす
付随する価値として、作業のミスや抜け漏れを事前に防げることにより、管理者による個別のフォローや確認の手間を減らすことがあります。作業終了後に必ずダブルチェックをしている、進捗の遅れがないように何度もチャットツールで確認連絡をしているなどと言った、そもそもの作業管理・チェックの必要性をなくセルことで、管理コストの削減にも繋がります。
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作業品質を安定・向上させる
チェックリストによって確認すべき観点や手順、役割分担が明確になることで、属人化を解消し、業務を標準化することが可能になります。標準化とは誰でも同じ品質で業務に取り組めるよう、作業手順や工程を統一することで、作業内容を統一でき、業務品質の安定性を高めることができます。
標準化の詳細については標準化のメリットについて解説している記事もありますので、参考にしてください。
なぜチェックリストは形骸化しやすいのか?
チェックリストはとても重要な役割を持つものの、実際の現場では更新が滞り内容が形骸化してしまいがちです。形骸化してしまう要因として、以下のケースに当てはまっている可能性があります。ご自身の担当業務で当てはまるものがないか、確認してみてください。
そもそも作成の目的が曖昧
当然の項目ではありますが、あらゆるドキュメントやツールは何かしらの目的を果たすために作成・利用されます。チェックリストの利用における目的やゴールが曖昧な状態のまま作成を進めてしまうと、内容も使用タイミングも不適切なものになり、十分に活用しきれなくなってしまう可能性があります。
チェックすること自体が作業になってしまっている
メンバーが作業に慣れていたり業務経験が豊富であったりすると、チェックリストを見ずとも作業を進められてしまうため、きちんとチェック項目を確認せずにただチェックを押すだけの作業になってしまうことがあります。その結果、作業内容とチェック項目のズレが発生しても更新されず、形骸化してしまうことに繋がります。
作業に慣れてきた頃の方が思わぬミスが発生しやすくなる可能性があるため、理想的にはどんなメンバーでもチェックをしてもらえるような状況を作っておく必要があります。
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重要でない事項もチェックリストに含んでいる
細かく管理できるようにと、あらゆる情報をチェック項目として記載してしまうと、チェックすべき項目が増えることで手間がかかってしまうだけでなく、本当に注視すべき項目が分かりづらくなってしまうことにも繋がります。本来は重要な項目だけを確認すべきチェックリストがその役割を果たさなくなることで、作業者の中でも重要度が下がり、現場に定着しづらくなってしまいます。
チェックリストの形骸化を防止するコツとは
チェックリストの形骸化を防ぐためのポイントとして、「チェックリストそのものの作成方法」と「作成後の運用方法」の二つに分けてご説明します。
チェックリスト「作成時」のポイント
本当に必要な項目に限定して作成する
繰り返しになりますが、チェックすべき項目数が多すぎると「本来注視すべき項目が分かりづらくなる」「チェックすることに手間と時間がかかる」などの問題が生じてしまう可能性があります。したがってチェックリストを十分に機能させるためには、作業の1~10まで詳細に記載するのではなく、以下に当てはまるような重要項目に限定して作成することがポイントです。
- 業務の成否に関わるような、肝となっている業務
- ミスやトラブルが極端に発生しやすい箇所
- 絶対に欠かしてはならない作業
また、業務次第では、作業の漏れがないように「タスクの完了」の証跡を残すことを目的としたチェック項目を作成することもおすすめです。
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具体的なアクションベースで記載する
チェック項目に個人の解釈が入ることによる判断ミスを防ぐため、「何を完了した時点でチェックすべきなのか」「どういう結果であれば良いのか」が分かるよう、なるべく具体的なアクションベースで記載します。そうすることで誰にでも同じ状況をイメージできるようになり、チェックをしたものの実は作業が不完全だった、というトラブルを防ぐことができます。
(例)請求書や契約書手続きなどの資料作成・送付が必要な場面
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× 資料を作成したか
◯ 作成した資料をフォルダに格納したか
◯ 資料を先方ご担当者様宛に送付したか
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「作成」ではゴールが曖昧なので、「フォルダへの格納」や「メールで送付する」などのタイミングで記載する。
請求書の管理は、『SmartDeal(スマートディール)』がおすすめです。
チェックリスト「活用時」のポイント
関係者全員と事前に読み合わせを行う
チェックリストを形骸化させないためには、業務に関わるメンバー一人ひとりがチェックリストを活用する意味や目的を理解していることが大切です。実際に運用を開始する前に、関係者全員を集め、利用における目的やタイミングの確認と、各チェック項目の読み合わせを行うことがおすすめです。認識の齟齬をなくせるだけでなく、不明点の解消にもつながります。
オペレーションに組み込む
業務進行に合わせて利用できるよう、チェックリストの利用を業務の流れの中に明確に組み込んでおくことも重要です。「どのタイミングでチェックリストを確認するか」「確認済みのチェックリストはどうしたら良いか」など、チェックリストの扱い方を決めておくことで、必要なタイミングで毎度利用されるような環境を整えることができます。
定期的に更新をする
当然ではありますが、チェックリストは業務内容ときちんと対応していなければ効果がありません。業務内容の変更があり次第、チェック項目も更新していくことがポイントです。また、更新が滞らないよう、定期的な更新のタイミングを決めておくと良いです。業務におけるさらなる改善点を見つけるという目的も含めて、最低でも半年に一度は見直しを行うことをおすすめします。
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クラウドサービスを利用する
チェックリストをクラウドサービスで管理することも、形骸化を防ぐための手段の一つです。チェックリストツールを利用することで、以下のような利点があります。
- 更新時に都度チームメンバーに共有する手間を減らせる
- メンバーが理解しやすい形にフォーマットを統一できる
- 誰がいつ更新したのかを一目で確認でき、未使用の場合に気付ける
- 正しく作業されていない場合にアラートを表示することで作業ミスや漏れを抑止できる
おすすめのチェックリストツールをご紹介している記事もありますので、参考にしてみてください。
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