フローチャート(業務プロセス図/ビジネスプロセス図)におけるループ・繰り返しの記載方法について、具体例を挙げながらご紹介します。
※本記事ではビジネスや業務手順におけるフローチャートを前提としていますのでご留意ください。
また、フローチャート全体の書き方や利用する記号ごとの意味について解説した記事 もご確認ください。
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フローチャートにおけるループ・繰り返しの書き方
ループ・繰り返しは「2回以上実施する可能性がある同じ作業」を表します。繰り返す回数が何回であるかは関係なく、特定の条件に従って反復する作業を表現できます。例えば、営業リストへのメール送信や、社内システムへのデータ入力が具体業務としては該当します。今回は、フローチャートにおけるループ・繰り返しの書き方について2つの方法をご紹介します。
- 「ループ記号」を活用した繰り返しの表現方法
- 「条件分岐記号」を活用した繰り返しの表現方法
それぞれの記載方法を比較するために、例として同じ業務を想定します。
【想定業務】
・メールの送信業務
・リストに記載されているクライアント様全員にメールを送る
・メールは雛形をコピーして送信
・毎回、リスト分すべて送信するまで実施し、リストを消化したら終了
それでは、それぞれでどのような記載になるのかご紹介します。
方法1: ループ記号を活用した表現方法
繰り返し条件を表現するには以下の記号を活用して、「開始」と 「終了」の内容を表現します。開始の記号には「繰り返し実施する処理の内容」を一言で記載します。
そして、繰り返しが終了する部分に「終了となる条件」を記載します。中間で処理・作業の記号を挟むことで具体的な作業内容を表します。
実際に上記の記号を組み合わせてループを表現すると以下のような形です。
表現方法として中間にある「処理・作業」の記号を除いた形で記載する方法もあります。しかし、もし中間で2ステップ以上の作業が発生する場合は明確に記載することを推奨します。
方法2: 条件分岐を活用した表現方法
次に「条件分岐」の記号を用いてループ処理を表現する方法をご紹介します。以下のひし形の図形を利用して、「繰り返し処理が終了となる条件判断を加えて分岐」という形にします。
少々簡略化された形ではありますが、冒頭のメール送信を繰り返す業務の例だと以下のような形になります。
画像のとおり、「未送信のメールの件数が0件になったら繰り返し処理を終了する」という形の記載になっています。
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ループ記号/条件分岐記号による繰り返し表現の使い分け
筆者のおすすめとしては、「繰り返し処理で実施する作業内容の複雑さ(長さ)」によって使い分けると良いです。
- 繰り返し作業の内容が簡単な(短い)場合 => 繰り返し記号
- 繰り返し作業の内容が複雑な(長い)場合 => 条件分岐記号
理由としては、繰り返し記号内で複雑な処理を表現すると、開始記号と終了記号の間に複数の処理記号が並ぶことになり、「どこからどこまでが繰り返し処理なのか?」の読み取りが難しくなってしまいます。そのため「次に進む条件/戻る条件」を条件分岐記号で表現したほうが全体の可読性が向上します。
フローチャートでループを記載する際のポイント
迷ったら条件分岐記号で繰り返しを表現する
現場のメンバーがフローチャートに慣れていない場合も「条件分岐」の記号を用いて表現することをおすすめします。条件分岐の記号はそもそもの利用頻度が高いということに加え、フローチャートに精通していないメンバーでも直感的に何が表現されているのかを読み取りやすいというメリットがあります。フローチャートの読者・利用者を想定して最適な繰り返し表現を活用してみてください。
繰り返しが継続/終了する条件を意識する
フローチャートでループ処理をわかりやすく表現する場合のポイントとして、「ループ処理が継続or終了する条件を明確にする」ことが挙げられます。例えば、先程のメール送信業務の例では「リスト上でメールを送信していないリストが0件になったら(リストのすべてにメールを送信したら)繰り返しを終了」が該当部分になります。先にこの点を明らかにするとループ表現で明記しなければならないことが明確になります。また、こちらを含めて以下の点を明らかにすることで、わかりやすい繰り返し処理がフローチャートで表現できます。
- 繰り返し処理の開始点: どこから繰り返し処理が開始されるのか
- 繰り返し処理の終了条件: どのような状態になれば繰り返し処理を終わるのか
- 繰り返し処理内で実施する作業: どのような作業を繰り返すのか
さいごに
フローチャートにおけるループ・繰り返しの表記方法についてご理解いただけましたでしょうか。フローチャート全体の書き方や利用する記号ごとの意味について解説した記事も参考にして、ぜひ、わかりやすいフローチャートを作成してみてください。
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