会議や商談、日々のアイデアを手軽に記録できるボイスメモ。録音した音声を文字起こしと組み合わせることで、議事録や企画書、報告書などの作成にも活用でき、情報共有や作業効率の向上に役立ちます。

この記事では、ボイスメモを文字起こしする方法と、ビジネスに適したおすすめツールを紹介します。音声データを有効活用したい方や、情報整理に時間がかかっている方はぜひ参考にしてください。

ボイスメモの文字起こしは「Texta」がおすすめです。

ビジネスに役立つボイスメモ

ボイスメモは、iPhoneに標準搭載されている音声録音アプリです。思いついたアイデアや残しておきたい情報を、その場ですぐに手元のスマートフォンで録音できます。作業中や移動中など、手が離せない場面やゆっくりメモを取れない場面で大いに活用できるアプリです。

ビジネスでの活用例としては次のような場面が挙げられます。

  • 突然のひらめきやアイデアの記録
    ひらめきやアイデアをすぐに音声で記録し、後から文字起こしをして企画書や改善案などに発展させることができます
  • 営業活動中の顧客メモ
    記憶が鮮明なうちに顧客の要望や反応を記録し、次回の訪問や営業資料の作成に役立てることができます。
  • 会議や打ち合わせの記録
    議事録作成のために会議や打ち合わせの音声を録音し、ツールを使って文字起こしします。文字起こしの文章を要約してくれるツールもあります。

ボイスメモは文字入力よりも記録スピードが早く、上手く活用することで日々の業務効率が向上します。文字起こしと組み合わせればさらに活用範囲が広がり、議事録や企画書などビジネス文書の作成に役立てられます。

なお、ボイスメモの他にも音声録音アプリは多数リリースされており、iPhone以外のスマートフォンやタブレットでも利用可能です。例えばAndroidのGalaxyシリーズでは「ボイスレコーダー」というアプリが標準搭載されています。

ボイスメモを文字起こしする方法

ボイスメモを文字起こしする手順は次のとおりです。

  1. アプリで音声を録音する
  2. 音声ファイルをエクスポートする
  3. 文字起こしツールに音声ファイルをアップロードする
  4. 出力された文章を確認・修正する

iPhoneのボイスメモは文字起こしに対応(※iOS18.0以降)していますが、ビジネス文書として使える精度の高い文字起こしをするには外部ツールの活用がおすすめです。以下でボイスメモから文字起こしする流れを詳しく解説します。

【1】アプリで音声を録音する

まずはボイスメモなどの音声録音アプリを開き、録音したい内容を記録します。

録音後は内容を確認し、必要に応じてトリミング(不要な箇所を切り取る編集作業)をアプリ上で行います。音声がそのまま拾われるため、できる限り雑音が入らない静かな場所で録音するのが望ましいでしょう。

【2】音声ファイルをエクスポートする

録音が終わったら、音声ファイルを文字起こしに使うためにエクスポートします。
iPhoneのボイスメモの場合は「共有」をタップし、メールやメッセージアプリ、AirDropなどを使ってパソコンに送ることができます。

【3】文字起こしツールに音声ファイルをアップロードする

パソコン上で文字起こしツールを開き、ボイスメモの音声ファイルをアップロードします。

文字起こし&AI議事録生成ツール「Texta」の場合、インターネットとブラウザ環境がなくても対応可能です。文字起こしだけでなく、AI議事録作成や翻訳にも対応しており、スマホで録音した音声を会議内容の要約やメモの代わりに活用できます。

【4】出力された文章を確認・修正する

文字起こしの内容を確認し、必要に応じて誤字脱字の修正や言い回しの調整を行います。
自動で出力された文章は誤変換もあるため、そのまま使わずに人間の目で確認することが重要です。発言者の名前や時間情報を付け加えて文章を整えると、より実用的な記録に仕上げることができます。ツールによっては文字起こしの内容を自動要約し、議事録の形式に整えてくれるものもあります。

おすすめの文字起こしツール5選

ビジネスでも活用できるおすすめの文字起こしツールを5つ紹介します。
作成した音声ファイルは文字起こしとの組み合わせでさらに活用範囲を広げられます。

Texta

サービスサイト:Texta

Web会議の内容を即座に書き起こす「リアルタイム文字起こし」と、ボイスメモなどのデータをテキスト化する「音声ファイル文字起こし」に対応しているツールです。これらで文字起こししたテキストは「AI議事録作成」で要約できるため、会議後は面倒な議事録作成に追われることがなくなります。作成したデータはクラウド上に保管し、メンバー同士のデータの受け渡しや編集内容の共有もスムーズに行えます。

ライト スタンダード プロ エンタープライズ
月額 15,000円 30,000円 50,000円 要お見積り
通常文字起こし 無制限 無制限 無制限 無制限
音声ファイル・補正文字起こし 30時間/月 100時間/月 300時間/月 無制限
最大ユーザー数 5人 15人 35人 無制限

Rimo Voice

サービスサイト:Rimo Voice

音声・動画のデータをAIが文字起こしするツールです。1時間のデータであれば約5分で文字起こしが完了し、ChatGPT を利用して要約を生成することもできます。雑音を自動除去する機能や、業界・組織の専門用語を登録する機能があり、ビジネス利用に適した精度の高い文字起こしが完成します。パソコンだけでなく、スマートフォンのWebブラウザからも利用できます(iPhoneの場合はSafariのみ)。

個人 法人
金額 ・音声:22円/30秒
・動画:33円/30秒
要問い合わせ

Notta

サービスサイト:Notta

あらゆる場面での音声を自動的にテキスト化し、重要な箇所を抽出・要約できるツールです。会議や商談、インタビューなどの対面コミュニケーションのほか、音声や動画のファイル、Web会議の文字起こしにも対応しています。無料で利用できるフリープランもありますが、文字起こし時間が月120分までの制限があるため、ビジネスで利用する場合には有料プランへの移行が必要となるでしょう。

フリー プレミアム ビジネス エンタープライズ
月額 0円 1,980円 4,180円 要問い合わせ
文字起こし時間 120分/月 1800分/月 無制限 カスタマイズ
アカウント数 1 1 1〜50 51以上

※年額プランあり

AutoMemo

サービスサイト:AutoMemo

パソコンで直接録音したデータや音声・動画ファイルを文字起こしするツールです。自動でクラウドと連携する専用ボイスレコーダーやスマホアプリもあり、会議の規模や実施形式を問わず多様な使い方ができます。文字起こしが完了したデータはAIによる「要約専用プロンプト」で自動要約され、人間が作る要約文に近い形でアウトプットされます。文字起こし正解率が98.9%と、テキスト化の精度が高いのが特徴です。

お試し スタンダード プレミアム
年額(サブスク) 無料 15,360円 23,760円
文字起こし時間 1時間/月 30時間/月 30時間/月
要約回数 1回/月 1回/月 10回/月

※月払いあり
※初回のみ1か月分買い切りあり(スタンダード:1,580円、プレミアム:2,280円)

スマート書記

サービスサイト:スマート書記

直接録音したデータや音声・動画ファイルの文字起こしと、AIによる自動要約・要点抽出が行えるツールです。最大20名までの発話者を認識し、「あー」「えー」などの意味を持たない言葉は自動で削除されるため、会議後の議事録作成の時間を大幅に短縮できます。パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットにも対応しており、パソコンが利用できないような会議・打ち合わせでも録音可能です。

基本 AIパック(オプション)
月額 10,000円〜 +15,000円~
ユーザー数 人数によって金額変動 人数によって金額変動

ボイスメモを文字起こしするときの注意点

ボイスメモから文字起こしをするときに注意したいポイントを以下にまとめました。

録音環境を整える

ビジネス用途での利用が前提であれば、録音時点で「資料化すること」を見据える必要があります。録音時の音質によってその後の文字起こしの精度が変わってくるため、なるべく周囲の雑音や反響が入らない静かな場所で録音するようにしましょう。スマートフォンのマイクの向きを確認し、音声が直接届くように意識することも大切です。クリアで聞き取りやすい音声ファイルを意識的に作ることで、精度の高い文字起こしや要約文・議事録を作成できます。

着信やアラームの対策をしておく

ボイスメモの録音中に電話の着信やアラームが鳴ると、途中で録音が中断されてしまいます。録音ミスを防ぐためには、録音前にスマートフォンを「機内モード」に設定し、すべての通信を一時的に遮断するのが確実でしょう。また、録音時間帯に余計な通知が鳴らないよう、事前にアラームの設定を見直しておくことも大切です。

セキュリティが万全なサービスを利用する

文字起こしに使用するサービスは、セキュリティ対策がしっかりと施された信頼性の高いものを選びましょう。特にビジネス利用においては、個人情報や内部情報など機密性の高い内容が音声ファイルに含まれるケースが多く、提供元が不明瞭なサービスでは情報漏えいのリスクがあります。各サービスの利用規約やプライバシーポリシーを確認し、データの安全性がどのように保証されるのかチェックしておきましょう。

おわりに

ボイスメモをはじめとした音声録音アプリは、日常のメモからビジネスの会議記録まで幅広いシーンで活用されています。ビジネスにおいては、文字起こしツールとあわせて活用することで、議事録や報告書作成の時間を大幅に短縮できます。

最近ではAIが自動で要約し、議事録を作成してくれるツールも登場しており、情報整理がさらに効率的に行えるようになっています。ビジネス利用が前提であれば、単なる文字起こしだけでなく、その後のビジネス文書の作成まで対応可能なツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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