会議中にメモが追いつかず、重要な発言を取りこぼしてしまうことに悩んでいる方も多いでしょう。精度の高い議事録を作成するには、手早くメモを取りつつ、会議の要点を正確に書き留めるスキルが必要です。
この記事では、議事録のメモが追いつかない原因や問題点に加え、すぐに実践できるメモ取りのコツを紹介しています。メモの内容に抜け漏れが多く、情報共有までに時間がかかっている場合はぜひ参考にしてください。
議事録のメモが追いつかない原因
会議中にメモが追いつかない原因として以下の2点が挙げられます。
会議のスピードが速く、発言を追いきれない
参加者が活発に発言する会議では、一人ひとりの発言を追いきれず、重要なポイントを取りこぼしがちです。会議のスピード感に追いつけないと、後で発言内容を整理する際にも時間がかかり、情報共有の遅れにつながってしまいます。
これは単に「書くスピードが遅い」「タイピングが遅い」というよりも、情報を取捨選択できず、重要なポイントを見極められないことが根本的な原因です。
何が要点かわからず、一言一句すべてを記録しようとしている
会議メモにおいて重要な情報を取りこぼさないことは大切ですが、だからといって発言内容を一言一句メモする必要はありません。メモが追いつかない人は、議論の中心となる重要なポイント(=要点)をうまく掴めず、発言のすべてを書き取ろうとしてしまいます。
メモを取る際は「書くスピードが速い」という技術的なスキルも必要ですが、それ以上に議論の核となる要点を簡潔にまとめるスキルが求められます。
メモが追いつかない状態が招く問題点
議事録のメモが追いつかないと、単に記録が遅れるだけでなく、会議後の行動や情報共有にも影響を及ぼします。具体的な問題点として以下の3点が挙げられます。
重要な情報の抜け漏れが発生する
メモが追いつかない状態では、この日の決定事項や次回に繰り越す課題など、重要な情報が記録されないリスクが高まります。特に、プロジェクトの進捗やタスクの役割分担といった意思決定に関わる内容に抜け漏れがあると、会議に参加していない関係者へ正しい情報が伝わらず、業務に支障が生じる可能性があります。
会議後の情報整理・共有に時間がかかる
メモが追いつかないと会議後の情報整理に時間がかかり、議事録の作成も遅れてしまいます。これにより情報共有が遅くなると、スピード感を持って会議の成果を行動に移すことができず、タスクの進行や意思決定にも影響が及ぶ可能性があります。
議事録はなるべく早く、できれば当日中に作成・共有するのが理想です。会議の開始時間が遅い場合でも、翌日の午前中には関係者に共有できるよう準備しておくことが求められます。
関係者間で認識のズレが生まれる
情報の抜け漏れがある状態で議事録を作ってしまうと、関係者間で会議内容の認識にズレが生じるリスクがあります。認識に齟齬(そご)があると実務上のミスや二重対応を招き、チーム全体の効率を下げる要因になります。
特に複数の部署やメンバーが関わるプロジェクトでは、些細な認識のすれ違いが大きなトラブルに発展する恐れがあるため、会議内容は正確かつ統一された形で共有することが重要です。
会議中に効率よくメモを取る5つのコツ
「議事録のメモが追いつかない」という課題は、会議の要点を効率よく記録することで解消できます。ここでは、すぐに実践できるメモの取り方のコツを5つ紹介します。
会議の内容や関連資料を確認しておく
効率的にメモを取るためには、会議が始まる前の準備が欠かせません。事前にアジェンダや資料を確認し、その日に話し合うテーマや発言が予想されるポイントを把握しておくと、スピード感のある会議でも慌てることなく、重要な部分に集中してメモを取ることができます。事前準備によってメモの質が大きく左右されるため、会議前に少しでも時間を取って会議内容を確認しておくことが大切です。
5W1Hを明確にしながら要点をまとめる
5W1Hの各要素を意識しながら記録すると、必要な情報の抜け漏れを防ぎつつ、簡潔でわかりやすい会議メモを作成できます。
- When(いつ)
- Where(どこで)
- Who(だれが)
- What(何を)
- Why(なぜ)
- How(どのように)
後からメモを読み返すときも要点をスムーズに掴めるため、短時間でも情報を整理しやすく、すぐに議事録作成に取り掛かれます。特に「誰が・いつまでに・何をするか」を明確に残すことで、会議後のアクションが明確になり、タスクの漏れや認識のズレを防ぐことができます。
記号や略語を使って文字数を減らす
会議のスピードに追いつくには、簡単な記号や略語を使って文字数を減らす工夫が有効です。例えば、「◎」で決定事項を示す、「ex」で具体例を示す、頻出する用語や部署名を略語にするなど、あらかじめ自分なりのルールを決めておくとよいでしょう。複数人でメモを取る場合は共通のルールをつくり、後から情報を整理するときに迷わず統合できるようにしておくことも大切です。
ショートカットキーを活用する
パソコンでメモを取る場合は、よく使う操作のショートカットキーを使うことをおすすめします。マウスやトラックパッドで操作するとキーボードから手が離れるため、議論が飛び交う会議では入力が追いつかなくなることがあります。下記に便利なショートカットキーをまとめていますので、会議中のメモ取りに活用して作業スピードと効率を高めてください。
よく使うショートカットキーの例
| 操作内容 | Windows | Mac |
|---|---|---|
| コピー | Ctrl + C | Command + C |
| 貼り付け | Ctrl + V | Command + V |
| 全選択 | Ctrl + A | Command + A |
| 上書き保存 | Ctrl + S | Command + S |
| 元に戻す | Ctrl + Z | Command + Z |
| 太字 | Ctrl + B | Command + B |
| 下線 | Ctrl + U | Command + U |
議事録のテンプレートを用意しておく
抜け漏れのない正確なメモを取るためには、議題・発言内容・決定事項・保留事項などの項目を設けた議事録テンプレートを土台にするとよいでしょう。メモ用として各項目の欄を広めにとったものを用意しておくと、会議中に余裕を持って記録でき、会議後の整理や共有もスムーズに行えます。
以下の記事でも会議メモの取り方や議事録の書き方について解説していますので、本記事とあわせて参考にしてください。
関連記事:議事録の取り方・書き方のコツ|記録の精度を高めるおすすめツールも紹介
議事録のメモが追いつかないならツール活用がおすすめ
本記事で紹介したコツを実践すれば効率的にメモを取れるようになりますが、それでも会議のスピードについていけない場合や、記録の正確性をさらに高めたい場合には「ツール活用」がおすすめです。ここでは、会議メモの負担を軽くする代表的なツールを3つ紹介します。
ボイスレコーダー
ボイスレコーダーを活用することで、リアルタイムでメモを追いきれない状況でも後から音声を聞き返し、議論の流れや発言内容を正確に把握できます。専用の機器はもちろん、スマートフォンやパソコンに標準搭載されているアプリでも録音可能です。
ただし、複数人の発言や雑音が多い場合は音声が不明瞭になりやすく、マイクの位置や録音環境に注意が必要です。また、会議内容の録音は参加者全員の同意を得ることが前提となるため、あらかじめ確認を取っておきましょう。
文字起こしツール
会議の音声をそのまま文字に起こしてくれるツールです。話者ごとに区切って表示したり、時間軸を付与したりする機能もあるため、議事録の下書きとしても有効活用できます。単純な文字起こしだけでよければ、専用ツールを使わずともWordやGoogleドキュメントの音声入力機能でテキスト化することも可能です。
議事録作成ツール
発言内容の文字起こしだけでなく、その後の議事録作成までを自動化・効率化できるツールです。ツールによっては文字起こしデータを複数言語に翻訳する機能や、参加者全員で共同編集できる機能も備わっています。さらにタスク管理や進捗の紐付けまで行えるツールもありますが、多機能さを重視するよりも、自社に必要な機能や運用フローに応じたツールを選ぶことが大切です。
文字起こし&AI議事録生成ツール「Texta」
弊社が提供する「Texta」は、Web会議中の発言を書き起こす「リアルタイム文字起こし」と、録音済みの音声データをテキストに変換する「音声ファイル文字起こし」の両機能を備えています。文字起こしの内容はAIによって項目ごとに整理され、決定事項など重要なポイントを抽出した形で議事録としてまとめられます。会議メモや議事録作成の手間をなくし、時間短縮と業務効率化につなげたい企業様におすすめのツールです。
【Textaのプラン一覧】
| ライト | スタンダード | プロ | エンタープライズ | |
|---|---|---|---|---|
| 月額 | 20,000円 | 35,000円 | 50,000円 | 問い合わせ |
| 通常文字起こし | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
| 音声ファイル・補正文字起こし | 30時間/月 | 100時間/月 | 300時間/月 | 無制限 |
| 最大ユーザー数 | 5人 | 15人 | 35人 | 無制限 |
おわりに
議事録のメモが追いつかない原因には、スピード感のある会議についていけないことや、要点を掴めずにすべてを書き取ろうとしてしまうことが挙げられます。メモが間に合わなくなると、重要な情報の抜け漏れや認識のズレにつながり、会議後の情報整理や共有にも時間がかかってしまいます。
こうした課題を解消するには、本記事で紹介したメモ取りのコツを実践するのが効果的です。しかし、会議の内容や進行スピードによっては、それでも手が追いつかない場面もあるでしょう。その場合はボイスレコーダーや文字起こしツール、議事録作成ツールを活用することで、メモ取りの負担が軽減され、会議後の整理・共有までをスムーズに行うことができます。
