属人化解消に役立つツール7選|おすすめのサービスと導入時のポイント

属人化解消ツールについて解説している記事のイメージ画像です。

属人化が進むと業務プロセスやノウハウが個人に依存し、業務効率や作業品質の低下を招くおそれがあります。属人化を解消するには、マニュアルを作成・共有できるクラウドツールの活用が有効です。この記事では、業務の属人化を解消するおすすめツール7選とともに、ツール選定から導入までの流れとポイントを解説します。

属人化とは

属人化とは、業務内容や流れを特定の担当者しか把握できていない状態です。まずは属人化の問題点と解消方法を紹介します。

属人化の問題点

業務が属人化すると、以下のような問題が発生しやすくなります。

これらの問題を解消するには、業務内容や流れを特定のメンバー以外も把握できる状態にする必要があります。

属人化を解消する方法

属人化を解消する主な方法は「マニュアルの作成・共有」です。業務の進行に必要な情報やノウハウを集めてマニュアル化し、誰もがいつでも閲覧できる状態にすることで、特定のメンバー以外も作業内容や流れについて把握できるようになります。

しかし、WordやExcelで管理するマニュアルでは、フォーマットがバラバラで読みづらかったり、リアルタイムで更新を通知できずに古い内容のまま作業を進めてしまったりと、さまざまな課題が生じます。こうした課題を解消するのがクラウドツールによるマニュアル管理です。テンプレートを用いて簡単にマニュアルを作れたり、いつ誰がどのような内容を更新したのかリアルタイムで通知できたりと、マニュアルの作成・運用をスムーズに進められます。

属人化の解消に役立つおすすめツール7選

業務の属人化を解消するおすすめツールを7つピックアップしました。社内で利用しているものも多いので、使用感含めてぜひ参考にしてみてください。

Confluence

サービスサイト:Confluence

弊社でも利用しているナレッジマネジメントツールで、個々が持つ知見をクラウド上のナレッジベースに集約し、一元管理できます。リアルタイムでの共同編集が可能で、変更した内容は強調表示できるため、更新に気づかずに古いナレッジやマニュアルのままで作業を進めることを防止できます。プロジェクト形式で進行する業務やマーケティングなどあらゆる用途に対応できる多種多様なテンプレートが用意されているため、利用者が一から設計する必要はなく、すぐにナレッジ・マニュアル管理を始められます。サービス自体は日本語対応していますが、テンプレートは殆どが英語で提供されていることに注意が必要です。

プラン料金ユーザー数容量
Free¥0(無料)102GB
Standard1ユーザーあたり¥690/月35,000250GB
Premium1ユーザーあたり¥1,310/月35,000無制限
Enterpriseお問い合わせ35,000無制限

Notion

サービスサイト:Notion

Notionはプロジェクト管理やマニュアル、Wikiなどあらゆる情報を自由に管理できるオールインワンツールです。かなり柔軟性が高いため、自由にカスタムしたい方、管理方法から考えたい方に適しています。
メンバーの知識を一か所にまとめられる上、検索のフィルターオプションが豊富にあるため、必要なタイミングで必要な情報をすぐに探し出せます。また、コンテンツの内容を変更すると、同期したすべての場所で変更が反映される同期ブロック機能によって最新情報を確認することができるなど、細かな便利機能が豊富です。

プラン料金ゲスト数容量
フロー$0(無料)10最大5MB
プラス$8/月/人(年間契約)100無制限
ビジネス$15/月/人(年間契約)250無制限
エンタープライズ問い合わせカスタム無制限

toaster team

サービスサイト:toaster team

toaster teamは累計導入社数が2,000社を突破した、マニュアルとナレッジを一括で管理できるクラウドツールです。文書マニュアルは画像と動画に対応し、WordやExcelなどのファイルを添付することもできます。パソコンの操作画面をそのまま録画してマニュアルとして保存できるビデオクリップ機能、社内用語や専門用語をまとめる用語集、日報や社内報などのドキュメントをまとめる社内Wikiなど、属人化解消に役立つ細かな機能が多く提供されています。

プラン料金編集・閲覧アカウント数容量
ライト¥35,000/月(年間契約)50無制限
スタンダード¥60,000/月(年間契約)100無制限
ビジネス¥120,000/月(年間契約)200無制限

※初期費用10万円(全プラン共通)

Qast

サービスサイト:Qast

Qastは業務マニュアルや社内FAQ、議事録などあらゆるナレッジを蓄積できるクラウドツールで、誰でも迷わずに使えるシンプルな設計が特徴的です。投稿があればメールやチャットなどにリアルタイムで通知され、投稿ごとに既読のメンバーと人数を可視化できます。キーワード検索だけでなく、添付ファイルや共有リンク内の文言検索、ひらがな⇆カタカナ検索など、高精度な検索機能も付いています。

プラン料金ユーザー数1ファイル容量
スタンダード問い合わせ20〜50MB
エンタープライズ問い合わせ20〜250MB

※初期費用は別途問い合わせ

NotePM

サービスサイト:NotePM

NotePMはナレッジ共有に強みを持つ社内Wikiツールで、マニュアルを閲覧したメンバーを把握したり、コメント・いいね機能で気軽にコミュニケーションをとったりといった細かな管理が可能です。何度も検索・閲覧するようなストック型の情報管理に強く、フォルダやタグを用いた情報整理や自動記録される変更履歴、強力な検索機能などで、バラバラに散らばっていたナレッジの一元管理が可能です。テンプレートも豊富に用意されており、操作手順書や運用マニュアルなどを簡単に作成できます。

プラン料金ユーザー数容量
8¥4,800/月880GB
15¥9,000/月15150GB
25¥15,000/月25250GB
50¥30,000/月50500GB
100¥60,000/月1001TB
200〜1000¥120,000〜¥600,000/月200〜10002TB〜10TB

※各プランのユーザー数の3倍までは無料で招待可能(参照専用ゲスト)

​​Teachme Biz

サービスサイト:​​Teachme Biz

​​Teachme Bizは動画マニュアルに強みを持つマニュアル作成・共有ツールで、飲食や製造など現場作業のある業種に特に適しています。撮影した写真や動画はそのままマニュアルのステップとして登録可能で、画像・動画編集もツール上で簡単に操作できます。マニュアル閲覧リンクはQRコードとして出力・印刷できるため、ツール上で検索せずにQRコードを介して直接マニュアルにアクセスができ、スマホやタブレットで気軽に操作できることも特徴です。

プラン料金編集アカウント数閲覧アカウント数
スターター¥50,000/月(年間契約)1050
ベーシック¥100,000/月(年間契約)30150
エンタープライズ¥300,000/月(年間契約)100500

※初期費用は別途問い合わせ

octpath

サービスサイト:octpath

octpathは弊社が提供しているプロセスマネジメントツールで、マニュアルをステップごとに分けて登録し、そのまま進捗管理まで行えます。マニュアルに特化したツールではありませんが、作業に合わせて順番に表示されるマニュアルを確認しながら、誰でも迷わずに作業を進めることができます。チームメンバーが抱える業務や工数も見える化されるため、個々の進捗状況やパフォーマンスの把握・管理にも役立ちます。

プラン料金
スタンダード1ユーザーにつき¥1,500/月
ビジネスComing Soon

属人化解消ツールの導入方法

属人化解消ツールを取り入れる際は、以下の流れに沿って進めることでスムーズに導入・運用できます。

1. 課題を明確にする

冒頭で述べたように、属人化の解消はマニュアルの作成・共有が主な解決策となります。業務の属人化が進んでいる場合、既存のマニュアルが以下のような状態に陥っていることが考えられます。

ツールは自社の課題解決を手助けするための手段です。まずはマニュアルを使って作業しているメンバーに現状の課題をヒアリングし、その内容を参考にしながらツール選びを行うことがポイントです。

ヒアリングの際は音声を自動で文字起こしする『Texta』がおすすめです。

2. ツール選定の要件を整理する

抽出した現状の課題をもとに、ツールに求める要件を整理します。
属人化解消に役立つツールはさまざまな種類があり、マニュアル作成だけでなく一つのツールで業務管理まで行えるものもあれば、現場作業向きの動画マニュアルに強みを持つものもあります。また、メンバーに「読まれるマニュアル」を作るためには、情報が更新された際にリアルタイムで通知できるツール、いま求めている情報をすぐに探し出せる強力な検索機能を持つツールを選ぶことが大切です。
要件を検討する際、マニュアル作成のコツをまとめた記事も参考にしてみてください。

3. 複数のツールを比較する

整理したツール選定の要件をもとに、複数のツールを選び比較検討します。ツールを比較する際はトライアルを行い、自分の手で触って操作性を確かめるようにしましょう。多くのクラウドツールはシンプルで使いやすい設計をアピールしていますが、実際に操作してみなければ本当の意味での「使いやすさ」はわかりません。また、トライアルは複数のツールで実施し、操作方法や機能などを比較検討できるようにしましょう。

4. 仮運用で問題がなければ本運用する

ツールを選定できたら、本運用の前に試験的な仮運用を行い、導入に問題がないか確認します。新しいツールを導入する際はスモールスタートから始めることがポイントです。まずはシンプルな業務や小さい範囲から、実際にマニュアルを使って作業する現場メンバーも巻き込みながら仮運用を実施し、特に問題がなければ業務範囲を広げていくことをおすすめします。

ツール導入のポイント

属人化解消ツールを導入する際のポイントを以下にまとめました。

複数のツールでトライアルを実施する

ツール導入でありがちなのが、最初に試したツールを他と比較せずにそのまま導入することです。一つのツールで導入を決めると比較対象がなく、本当にそのツールが自社に適しているか判断することは困難です。
クラウドツールの多くは、導入前のトライアルやデモンストレーションに対応しています。ツールは一度導入するとなかなか切り替えが難しいため、選定の際は複数のツールでトライアルやデモを行い、抽出した自社の課題を解決できるか、ツールに求める要件を満たしているかなどを入念に確認するようにしましょう。

導入後の運用ルールを決めておく

本運用の前にルールを設定しておくと、ツールの運用・定着がスムーズに進みます。

このような運用ルールを先に決めておかなければ、ツールを導入しても必要なタイミングで更新されない、更新内容にミスがあってもそのまま作業を進めてしまうなど、さまざまな問題が生じます。特に属人化の解消が目的でツールを導入する場合、マニュアルが機能しなければ解消につながらないため、マニュアルの更新・共有に関する運用ルールは明確に決めておく必要があります。

業務を把握できているか確認する

属人化を解消したいと考えている対象の業務範囲の中には、担当しているメンバーしか把握できていない業務が隠れている可能性があります。現状の業務を正しく把握できているかが怪しい場合は、まずはメンバーへの業務ヒアリングなどを行いながら情報収集に取り組むこともおすすめです。企業や対象業務の規模が小さい場合は、ツール上でのマニュアル作成を通して業務を把握・共有することも可能です。スムーズに進められる方法で実施してみてください。

ヒアリングの際は音声を自動で文字起こしする『Texta』がおすすめです。

おわりに

属人化の解消に役立つマニュアル作成ツールにはさまざまな種類があり、どのような機能をツールに求めるのかあらかじめ社内で明確にしておくことが大切です。今回ご紹介したクラウドツールや導入方法・ポイントを参考に、自社の課題を解決するツールの導入に取り組んでみてください。

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