日々の業務内容や進捗状況を記録する「日報」。今日1日何を行ったのか、どのような成果があったのかなど、その日の業務について上司や先輩に伝える役割を持ちます。日報は原則として毎日書くものだからこそ、効率的に作成するために書き方のポイントを押さえておくのがおすすめです。

この記事では、日報に書くべき項目や内容、作成時のポイントについて解説します。

日報を書く目的

日報とは、その日に自分が行った業務や活動について記録した文書のことです。
日報を書く主な目的として次の2つが挙げられます。

日々の業務内容を報告する

一つ目の目的は、その日の活動内容や進捗状況、実績、所感などを自分の手でまとめて、上司や部署のメンバーに報告することです。日報を書くことで、上司は部下の業務内容を把握し、業務における悩みや課題、モチベーションまで理解できるようになります。

上司は部下の仕事を気にかけていますが、自分の業務も忙しく、部下一人ひとりの状況を詳細に把握するのは難しいといえます。このとき日報があれば、部下の業務や進捗について毎日確認することができます。日報は上司が部下の仕事を理解し、安心するためのツールともいえるでしょう。

その日の業務や成果を自分で振り返る

二つ目の目的は、その日の業務や成果を振り返り、自分自身の成長につなげることです。終業前にあらためて今日1日の活動内容を振り返ることで、業務上の課題を認識するとともに、改善のために何をすべきか深く考えるようになります。

日報を毎日書くことを「面倒」と感じる社員は多いものの、その日の業務を上司に報告するだけが日報の役割ではありません。日報を書くことによって、自分の仕事を振り返る習慣が身につき、それが自らの成長へとつながっていくのです。

【日報の書き方】基本の構成と内容

ここからは日報の書き方を具体的に解説します。

日報に決まったフォーマットはありませんが、毎日の活動を記録・報告するうえで次の項目は最低限必要となります。

  • 目標・計画
  • 業務内容
  • 所感
  • 特記事項
  • 翌日の目標・計画

社内用の書式があればそれを活用、なければ以下に挙げた基本の構成に沿って書くことをおすすめします。

目標・計画

その日に達成したい目標や行動計画を簡潔に書き出します。

目標を書く際は具体的な数値を用いるのがポイントです。曖昧な表現を避けることで目標が明確になり、読み手にも伝わりやすくなります。

【具体例】

  • テレアポ50件、新規アポイントメント3件獲得
  • A社訪問、新規プロジェクトのプレゼンテーション
  • B社のクレーム対応(担当:営業部 鈴木様)

業務内容

その日の業務内容や進捗状況を詳しく記載します。就業中に行った業務を書き出し、それぞれの進捗についても明確に示します。

さまざまな書き方がありますが、客先への訪問・打ち合わせが1日に複数件ある営業職など、記載すべき業務が多い職種であれば時系列に沿って書くとわかりやすくなります。業務内容をどのくらい詳細に記載するかは上司の判断にもよるため、この点は上司と部下であらかじめ共有しておきましょう。

また、新入社員や若手社員も仕事に慣れるまでは時系列で書くのがおすすめです。ただし、職種によっては業務ごとにまとめて書いたほうが整理しやすい場合もあるため、はじめのうちは上司や先輩が書き方をアドバイスするとよいでしょう。

所感

日報には必ず「所感」を記載します。ここでいう所感とは、業務中の気づきや課題、疑問のことで、その日の業務を振り返ってみて「よかったこと」「反省すべきこと」などを書き出します。

所感を書くときは、それが単なる感想にならないように注意が必要です。重要なのは、業務中に気づいたことや課題に感じたことを、これからの業務にどうやって活かしていくかです。さまざまな気づきとともに、それを踏まえた今後のアクションプランについても記載するのが望ましいでしょう。

特記事項

業務上で疑問に感じたことや注意してほしいことなど、上司や部署のメンバーと共有しておきたい事項を記載します。所感と混同されがちですが、特記事項には他の人にも認識してほしいことを書くのがポイントです。その日に伝えたいことがなければ「特になし」としても問題ありません。

翌日の目標・計画

最後に、翌日の業務目標と行動計画を記載します。

この時点で目標を決めておくと、次の日に行うべき業務が明確になり、翌日スムーズに取り掛かれます。日報を確認する上司も翌日の業務や行動について把握し、必要に応じて事前に声掛けをすることができます。

【日報の書き方】効率的に作成するポイント

日報はその日の業務記録として毎日書くのが基本です。「日報を書く」という作業を負担に感じる方もいるかもしれませんが、以下のポイントを押さえることで効率的に作成できるようになります。

業務ごとに記録を残す

日報は基本的に1日の終わりに作成するものですが、その日の業務内容を終業前にすべて書き出そうとするとどうしても時間がかかってしまいます。最後にまとめて書こうとせず、業務が終わるごとにその内容や成果、進捗について記録しておきましょう。

この時点では丁寧にまとめようとせず、業務の合間の隙間時間を利用しながら簡単にメモを取る程度で問題ありません。ただし、その業務の成果など数値で表現できる部分は数値で書いておくと、後から確認する手間を省けます。

【具体例】

  • テレアポ42件(目標50件)→ 新規アポ1件(目標3件)
  • A社 詳細資料をメール送付、後日再訪問(日程調整中)
  • B社 担当者不在、明日13:00対応予定

テンプレートを用いる

日報を効率的に作成するためには、書くべき項目をまとめたテンプレートを用いるのがおすすめです。自社に書式がない場合は「【日報の書き方】基本の構成と内容」を参考に自作するか、インターネット上で配布されている日報のテンプレートを活用しましょう。その際は業務内容に合わせてカスタマイズし、次回以降も使えるように保存しておくとよいでしょう。

5W1Hを意識する

5W1Hとは「When:いつ」「Where:どこで」「Who:だれが」「What:何を」「Why:なぜ」「How:どのように」の頭文字をとった言葉です。ビジネスにおいては、5W1Hを意識したコミュニケーションによって情報をわかりやすく伝達し、伝え漏れや認識の誤りを防ぐことが重要です。日報を書く際にも5W1Hを明確にしながら書き進めることで、必要な情報を過不足なく簡潔にまとめられ、読み手が理解しやすい文書を作成できます。

箇条書きでまとめる

読みやすい文書には「余白」があり、要点が明確に示されています。文章で長々と伝えるよりも、項目として一つひとつ列挙していくほうが読みやすく、相手の理解を促すことにもつながります。日報においても、項目が列挙する部分は箇条書きにして、余白を作ることを意識しましょう。

【箇条書きのポイント】

  • 1つの項目につき1つの文でまとめる
  • 文末の表現(用言、体言止め)を揃える
  • 1文40字以内を目安に簡潔に書く

決めた時間内で書き切る

あらかじめ日報を書く時間を決めておき、その時間内で書き切るようにするのも効率的な日報作成のポイントです。新入社員や異動したばかりの社員など、業務に慣れないうちは日報を書くにも時間がかかるものですが、設定した時間内に書き終えることを目標に取り組むとスムーズに書き進められるようになります。【日報の書き方】効率的に作成するポイントを駆使し、時間をかけずに日報を書き切れるように工夫しましょう。

日報を書くときの注意点

日報を書くときに注意したいポイントを以下にまとめました。

読み手の目線に立つ

日報は業務内容を報告する文書であり、自分以外の第三者にも読んでもらうものです。はじめのうちは丁寧に書いていても、日報を毎日続けるうちに少しずつ書き方が雑になってくる人もいます。人に確認してもらう文書であることを認識し、相手の目線に立って読みやすい日報を作ることが大切です。書き終わってもすぐに提出せず、誤字脱字はないか、伝え漏れている情報はないか、曖昧な表現になっていないかなどを必ず確認しましょう。

数字や固有名詞を使う

業務の成果や進捗状況を報告するうえでは「数字」が出てくるはずです。例えば「テレアポ42件実施、そのうち1件アポイント獲得」というように、具体的な数字を用いることで誰が読んでもその内容を同じ認識で理解できます。また、人名や会社名、商品名なども正確に書くことを意識すると、完成度の高い日報になります。自分にとって読みやすい文章ではなく、自分以外の人も理解できる文章を作ることが重要です。

フォーマットを統一する

日報のフォーマットがばらばらになっていると、上司が確認する際に余分な時間と手間がかかります。社内に規定のフォーマットがあれば問題ありませんが、決まった書式がない場合も、なるべく部署のメンバー全員で統一するのが望ましいでしょう。その際は上司がテンプレートを作成し、部署内で共有するのが最も効率的です。

当日中に作成する

日報はその日の業務記録であるため、基本的には当日中に作成・提出するものです。業務で得た気づきや課題は、時間が経つと忘れてしまうかもしれません。残業などでその日のうちに提出するのが難しい場合もありますが、業務が終わるごとに内容や進捗を簡単に記録しておくことで日報の作成時間を短縮できます。やむを得ない場合を除き、日報はその日のうちに書くことを徹底しましょう。

おわりに

日報とは「その日の業務内容を記録した文書」であり、上司や部署のメンバーに報告するだけでなく、自分自身の成長にもつなげられるものです。しかし、原則として当日中に作成・提出する文書であるために、毎日の日報作成を負担に感じる社員も少なくありません。本記事で紹介した効率的に作成するポイントを押さえておくと、日報をスムーズにまとめられ、作成時間を短縮できます。日報を書く際の注意点も参考に、誰が読んでもすぐに理解できる完成度の高い日報を目指しましょう。

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