コンセプト図(概念図)とは概念同士のつながりを表した図のことで、ビジネスにおける複雑な情報をわかりやすく整理できます。コンセプト図の作成にクラウドツールを用いると、初心者でも簡単に作図できるのはもちろん、他のメンバーとリアルタイムで共同編集することも可能です。
この記事では、コンセプト図の書き方やおすすめの作成ツール、ツール活用のメリット・デメリットについてわかりやすく解説します。
コンセプト図とは
コンセプト図とは、知識やアイデアなどの概念を並べ、それぞれの関係性をわかりやすく表現した図のことです。視覚的に表すことで、複数の概念のつながりを一目で把握でき、複雑な概念も理解しやすくなります。
コンセプト図が活用される領域はさまざまで、特に教育現場やビジネスシーンで用いられています。ビジネスにおいては、プロジェクト計画においてプロセスの流れやつながりを明確にするために活用したり、社員教育の際に複雑な概念をわかりやすく表現する手法として活用したりします。図を用いることで概念を体系的に理解でき、情報伝達においても認識の齟齬(そご)がなくなるメリットがあります。
コンセプト図(コンセプトマップ)の種類や活用シーン、作成するメリットについては以下の記事でも詳しく解説しています。本記事とあわせて参考にしてください。
関連記事:コンセプトマップとは|作成するメリットや書き方を紹介
コンセプト図の書き方
コンセプト図を作成する手順を紹介します。
STEP1:中心のトピックを決める
まずはコンセプト図で表したい概念のメイントピックを決定します。
メイントピックがコンセプト図のスタート地点となるため、関連する概念を追加していく前に最初に決めておく必要があります。コンセプト図のテーマを明確にすることで、概念同士の関連性にブレが生じず、各要素のつながりを正確に把握できます。
STEP2:関連する概念をリストアップする
テーマとなるメイントピックが決まったら、それに関連する概念をリストアップします。
プロジェクト全体の流れを作図する場合、マップ化する前に主要なタスクやプロセスを整理しておくとスムーズです。まずはブレインストーミングの形で思いついた概念をリストアップしていきましょう。
STEP3:コンセプト図を作成する
書き出した概念を整理し、各要素のつながりを明確にしたコンセプト図を作成します。
コンセプト図の作成には「ノード」(概念を示す図形)と「リンク」(ノード同士を結ぶ線や矢印)を使います。概念の抜け漏れがないよう、概念同士のつながりや階層を意識しながら作図していきましょう。
STEP4:フィードバックを受ける
完成したコンセプト図は関係者と共有し、フィードバックの機会を設けます。
フィードバックを受けて見直すべき点は改善し、コンセプト図をブラッシュアップしていきましょう。
コンセプト図の作成におすすめのツール
コンセプト図は紙に手書きすることもできますが、ビジネスで用いる場合はツールの活用をおすすめします。現在主流のクラウドツールを導入する場合、端末とインターネット環境があればいつでもどこでもアクセス可能で、出張や在宅勤務などで社内にいないときも他のメンバーと一緒に共同編集できます。
ここでは、コンセプト図の作成におすすめのクラウドツールを5つ紹介します。
※各ツールのプラン・料金・機能は2024年4月30日時点の情報をもとにまとめています。
Lucidchart
サービスサイト:Lucidchart
Lucidchartはビジネスのさまざまな用途で使える作図・資料作成ツールです。コンセプト図やプロセスマップ、フローチャート、組織図などの豊富な作図テンプレートが揃っており、チームのアイデアや情報を視覚的に管理できます。リアルタイムでの共同編集やコメントの追加、ビジネスチャットなど、円滑なチームワークをつくるための機能も充実しています。外部アプリとの連携にも対応しているため、チームが日常的に使用しているアプリ上で作図することも可能です。
プラン | 料金 | マップ数 | 共同編集 |
---|---|---|---|
無料 | ¥0(無料) | 3 | ○ |
個人 | ¥1,175 | 無制限 | ○ |
チーム | ¥1,325/人 | 無制限 | ○ |
企業 | 問い合わせ | 無制限 | ○ |
※対応OS:Windows・Mac・Linux・Chrome OS・iOS・Android
MindMeister
サービスサイト:MindMeister
MindMeisterは無駄のないUIデザインが特徴の作図ツールです。直感的に操作できるシンプルな設計のため、誰でも簡単にイメージ通りのコンセプト図を作成できます。作成した図をプレゼンツールとして活用する「プレゼンモード」、箇条書きのアウトラインとの切り替えができる「アウトラインモード」など、チームの生産性を高める機能が用意されています。チームで利用する場合は、一度の契約で複数メンバーが利用できる「プロ」または「ビジネス」プランを選ぶことをおすすめします。
プラン | 料金 | マップ数 | 共同編集 |
---|---|---|---|
ベーシック | ¥0(無料) | 3 | ○ |
パーソナル | ¥800/月 | 無制限 | ○ |
プロ | ¥1,150/月/人 | 無制限 | ○ |
ビジネス | ¥1,950/月/人 | 無制限 | ○ |
※対応OS:iOS・Android
boardmix
サービスサイト:boardmix
boardmixはリモート・テレワークに対応できる作図ツールです。複数人での同時編集が可能で、チームワークの向上に効果的です。多種多様なテンプレートが用意されているため、初心者でも簡単にコンセプト図やマインドマップ、フローチャートなどを作成できます。下記のプランのほか、AI機能を無制限で利用できる「Boardmix AI」もあり、AIマインドマップ生成ツールやAIフローチャート作成ツールなどが含まれています。
プラン | 料金 | マップ数 | 共同編集 |
---|---|---|---|
無料 | $0(無料) | 3 | ○ |
チーム | $6.9/月 | 無制限 | ○ |
エンタープライズ | 問い合わせ | 無制限 | ○ |
※対応OS:Windows・Mac・Linux
EdrawMind Online
サービスサイト:EdrawMind Online
EdrawMind Onlineは100人以上のメンバーがリアルタイムで同時編集できる作図ツールです。ノードをToDoとして設定するタスクモードがあり、コンセプト図の作成だけでなくプロジェクトの進行状況まで把握できます。レイアウトやスタイル、カラーチャートなどの種類が多く、細かい部分のカスタマイズも可能です。AIを活用してマインドマップを最適化する「EdrawMind AI」もあります。
プラン | 料金 | トピック数 | 共同編集 |
---|---|---|---|
フリー版 | ¥0(無料) | 100 | 1つのファイルで最大3人と共同作業が可能 |
有料版 | ¥5,900(1年間) ¥12,900(永久ライセンス) |
無制限 | ○ |
※デスクトップ版(Windows・Mac・Linux)、iOS版、Android版あり
Canva
サービスサイト:Canva
Canvaはデザインにこだわりたいチームにおすすめの作図ツールです。アイコンや画像、写真、イラストは無料プランでも多くの種類を使用でき、これらを組み合わせて視覚的にわかりやすいコンセプト図を作成できます。チームプランには複数人での使用に役立つさまざま機能があり、リアルタイムでの共同編集やコメント、タスクの割り当て、チームの権限設定などが行えます。
プラン | 料金 | テンプレート等 | 共同編集 |
---|---|---|---|
無料 | ¥0(無料) | 8,000種類以上 | ○ |
プロ | ¥11,800/年 | 60,000種類以上 | ○ |
チーム | ¥9,000/年/人 | 60,000種類以上 | ○ |
エンタープライズ | 問い合わせ | 問い合わせ | 問い合わせ |
※対応OS:Windows・Mac・iOS・Android
クラウドツールを活用するメリット・デメリット
ツール導入にはメリットだけでなく、あらかじめ理解しておくべき注意点もあります。
コンセプト図の作成にクラウドツールを使用するメリット・デメリットを以下にまとめました。
クラウドツールのメリット
クラウドツールのメリットとして、端末とオンライン環境があればどこからでもアクセスできること、離れた場所にいるメンバーともリアルタイムで同時作業できること、短期間で運用を始められることなどが挙げられます。コンセプト図を作ったことがないメンバーも、ツール内の作図テンプレートを利用すれば誰でも簡単にコンセプト図を作成できます。
また、多くのクラウドツールは本導入前のトライアルに対応しているため、実際にツールを操作してみて「作図しやすいか」「必要な機能が揃っているか」などを事前に確認できるメリットもあります。
クラウドツールのデメリット
クラウドツールを使用するときはオンライン環境が必須となります。オンライン環境があればどこからでもアクセスできるのは大きなメリットですが、ネットワーク障害が生じたときや電波の届かない場所にいるときはアクセスできません。コンセプト図はアナログな方法でも作成できるため、オンライン環境がなければ利用が制限されるクラウドツールを使いにくいと感じる人もいるでしょう。
おわりに
知識やアイデア、プロセスなどの情報を視覚的にわかりやすく表した図を「コンセプト図」といいます。コンセプト図として見える化することで、各要素の関連性を一目で把握できるようになります。情報伝達においても有用で、多くの要素が絡み合う複雑な概念も、コンセプト図があればスムーズに情報共有できます。
コンセプト図をチームで共有したい場合は、クラウドツールを使って作図することをおすすめします。本記事で取り上げたおすすめの作図ツールは以下の5つです。
- Lucidchart
- MindMeister
- boardmix
- EdrawMind Online
- Canva
クラウドツールなら他のメンバーとの共同作業が可能で、コンセプト図をリアルタイムで作成・編集できます。無料プランは利用できる機能が制限されますが、有料プランを検討する前に操作性を確かめられます。まずは各ツールの無料プランやトライアルを利用し、自社で活用できるツールかどうか確認するとよいでしょう。