アジャイルとは|ビジネス上の意味や注目される背景をわかりやすく解説

アジャイルとは、変化を前提とした適応型のアプローチであり、状況に応じて柔軟に対応できる点が強みです。もともとはソフトウェア開発の現場で生まれた手法ですが、近年はIT以外のビジネス領域でも積極的に取り入れられています。

この記事では、アジャイルの意味や注目される背景などの基礎知識とともに、実践時によくある課題や解決するためのヒントもあわせて解説します。ビジネスにおけるアジャイルとはどういうものかを網羅的に理解できる内容になっていますので、変化に強いチームづくりや迅速に価値を提供できる組織づくりの参考にしてください。

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アジャイルとは

アジャイル(agile)とは「機敏な」「素早い」などの意味を持つ言葉であり、ビジネスにおいては「変化に対して迅速かつ柔軟に対応するアプローチ」を指します。

IPA(情報処理推進機構)によるアジャイルの定義は次のとおりです。

「ビジネス価値の実現にむけて、 ITとビジネスにおける複雑・不確実な問題を探索と適応を繰り返して解決するアプローチ」

(引用元:なぜ、いまアジャイルが必要か?

一般的にはソフトウェア開発における「アジャイル開発」という手法が広く浸透していますが、近年は組織運営やマーケティングなど幅広いビジネス領域で採用され始めています。長期的な計画に縛られることなく、状況の変化に合わせて軌道修正しながら、その価値を最大化することを重視しています。

アジャイルで重要視される価値観

2001年に公開された「アジャイルソフトウェア開発宣言」では、アジャイルを実践する際の重要な価値観が以下のように表現されています。

(引用元:アジャイルソフトウェア開発宣言

注意点として、これは「左記の項目に価値がない」というわけではありません。よりよい開発を行うために、「左記よりも右記のほうに価値を置く」という意味であり、左記にも価値があることを認めています。

ウォーターフォールとの違い

ウォーターフォール(waterfall)とは「滝」を意味する言葉であり、上流工程から下流工程へ一方向に開発を進める手法をいいます。最初に開発全体のスケジュールを決定し、工程ごとに完了してから次に進むため、どの時点でも進捗状況を把握しやすい点がメリットです。

一方で、工程途中での修正が難しく、臨機応変な対応ができない点はデメリットとなり得ます。この点、アジャイルは短期間で開発と検証を繰り返し、状況に応じて柔軟に対応できる強みがあります。計画を前提としたウォーターフォールは「予測型」、変化を前提としたアジャイルは「適応型」のアプローチといえるでしょう。

アジャイルに関連する用語

アジャイルは開発手法にとどまらず、変化に強いビジネス戦略としてさまざまな領域で利用されています。ここでは、アジャイルの代表的な関連用語を3つ紹介します。

アジャイル開発

アジャイル開発とは、近年のソフトウェア開発において広く用いられている手法であり、開発工程を機能ごとに小さなサイクルで繰り返すアプローチのことです。例えば「機能A」「機能B」「機能C」がある場合、アジャイル開発では機能単位でそれぞれ開発プロセス(企画→設計→実装→テスト)を回していきます。これによりスピード感のある開発が可能となり、進行途中での修正・変更にも柔軟に対応することができます。

アジャイル組織

アジャイル組織とは、変化に対して迅速かつ柔軟に対応するために、短期間で実行と改善を繰り返す組織構造を指します。従来の階層型の組織構造とは異なり、現場に一定の権限を与えるため、小さなチーム単位で速やかに意思決定できるのが特徴です。メンバーの役割や責任が明確となることで、一人ひとりが価値創造に向けたやりがいを感じやすく、自律的に行動できる点も大きな強みです。

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アジャイル思考

アジャイル思考とは、小さな単位で素早くPDCA(計画→実行→評価→改善)を回し、徐々に完成度を高めていく考え方を指します。初めから完璧なものを仕上げようとせず、試行錯誤を繰り返しながら改善を重ねていくのが特徴です。早期にフィードバックを得て改善につなげることを重視するため、失敗を恐れずに挑戦する姿勢が求められます。

アジャイルが注目される背景

変化の早い時代に合わせ、柔軟性とスピードを両立したアジャイルの考え方に注目が集まっています。ここでは、アジャイルが注目される背景について解説します。

不確実性の高い時代への対応

先行きが不透明なVUCA時代※においては、想定外の事態が起こっても迅速かつ柔軟に対応し、価値を生み出し続けることが求められます。アジャイルは「変化が起こること」を前提に、短いサイクルで試行と改善を繰り返すため、リスクを抑えつつ状況変化に素早く適応することができます。

※VUCA(ブーカ):「変動性(Volatility)」「不確実性(Uncertainty)」「複雑性(Complexity)」「曖昧性(Ambiguity)」の頭文字を取った造語。環境の変化が激しく、未来の予測が難しい状況を指す。

変化する顧客ニーズへの対応

市場は常に変化しており、数か月前に立てた計画や仕様がリリースする頃には時代遅れになっているケースも少なくありません。従来の開発手法では最初に仕様を固め、長期にわたって開発プロセスを実行していくため、完成時には顧客の期待とズレてしまう可能性があります。変化の激しい時代において、顧客ニーズとのミスマッチを防ぐためには、短期間で成果を確認しながら柔軟に方向性を修正できるアジャイルが必要とされているのです。

従来のウォーターフォール型の限界

ここまで説明してきたように、現代の不確実性の高い環境や変化する顧客ニーズに対応するには、柔軟で迅速な開発・改善の仕組みが求められます。そのため、従来のウォーターフォール型のアプローチでは、変化に追従できず限界があるとの考えから、変化に強いアジャイルに注目が集まっているともいえます。

ただし、規模の大きさや仕様変更の少なさによっては、計画に沿って進めるウォーターフォールのほうが適しているケースもあります。どちらか一方に固定するよりも、プロジェクトの性質に応じて適切に使い分けるのが望ましいでしょう。

アジャイルを導入するメリット

アジャイルを導入するメリットとして以下の点が挙げられます。

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顧客満足度の向上

アジャイルでは、個人との対話や協調を重視し、状況に応じて柔軟に対応できるのが特徴です。短期間で成果物を提供し、その都度顧客からのフィードバックを受け取ることで、仕様や方向性をすぐに改善できます。これにより、顧客のニーズに沿った価値を届けやすくなり、顧客満足度の向上につながるメリットがあります。

早期リリースと手戻りの減少

アジャイル開発においては、機能ごとに開発プロセスを繰り返すため、早期にリリースまで持っていける強みがあります。細かくテストすることで、不具合や仕様変更が発生しても手戻りが少なく、必要な修正や改善を迅速に反映できる点も大きなメリットです。

チームワークの向上

アジャイルでは、少人数でチームを組み、メンバー同士が密にコミュニケーションを取りながら協力してプロジェクトを進めます。各人の役割や責任が明確なため、自律的な判断や行動が促され、課題解決に向けて積極的に取り組む姿勢がチーム全体に育まれます。このような能動的なチームでは、メンバー間の連携や意思疎通もスムーズに行われ、プロジェクトを円滑に進行させることができます。

実践時によくある課題と解決策

アジャイルは、詳細な計画を立てず、小さな単位で試行と改善を繰り返します。スピード感のある開発や組織運営を可能とする一方で、全体のスケジュールや進捗状況を把握しにくいというデメリットもあります。

こうした課題を解消するには、個々のタスクを一元管理できる「タスク管理ツール」の活用が有効です。各タスクに個別に期限を設定できるため、抜け漏れを防ぎながらスケジュールの遅延を抑えられます。また、チーム全体で進捗状況を共有することで、円滑な業務進行を妨げるボトルネックを早期に発見し、迅速な調整・改善ができるようになります。

「octpath」で進捗状況を見える化する

弊社が提供する「octpath」は、個人・チームが担うタスクの内容や進捗状況をフロー形式で見える化するツールです。自分が「担当者」となっているタスクを確認できるのはもちろん、各メンバーのタスク状況がグラフやリスト形式で表示される全体管理機能もあり、チームの進捗状況を一目で把握できます。さらに、直近のタスクを毎朝お知らせする通知機能もあるため、メンバーはその日の優先事項をすぐに把握し、タスクの抜け漏れや遅延を防ぎながら効率的に作業を進められます。

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おわりに

アジャイルとは、変化に対して迅速かつ柔軟に対応し、その価値を最大化していくアプローチのことです。計画から実装までを一度に進める従来の手法とは異なり、アジャイルでは小さな単位で区切って反復的に進行し、フィードバックを得ながら改善を重ねていきます。進行途中の修正や方向転換も柔軟に行えるため、不確実性の高い時代でもリスクを最小限に抑えつつ、市場や顧客ニーズの変化に対応できる体制が築かれます。

一方で、アジャイルを実践する際には「全体のスケジュールや進捗を把握しにくい」という課題があり、これを解消するには「タスク管理ツール」の活用が有効です。タスクの内容や進捗状況、メンバーごとの役割を可視化することで、作業の遅れや重複を防ぎながら効率的にプロジェクトを進めることができます。

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