KPIは事業やプロジェクトの目標達成のために定点観測する指標です。業務の進捗やマーケティング状況を確認し、戦略や日常業務にフォードバックすることで、組織の方向性を明確にして効率的な業務遂行を可能にします。
KPIは「Key Performance Indicator」を略した言葉で、日本語では「重要業績評価指標」と訳されます。KPIは事業やプロジェクトの目標達成のために必要不可欠な指標です。本記事では、KPIの意味を中心に、目的と効果、使い方について解説します。
KPIの意味とは
言葉そのものの意味
KPIの 「重要業績評価指標」 という言葉の意味の通り、業績を評価するために用いられる指標で、単に目標となる数値自体を指すこともありますが、KPIを用いる目的に合わせて以下のように解釈されることもあります。
事業目標の達成に向けて、無駄なく行動するために集中する点を明確にし、その進捗を測るためのもの
引用元: 人と組織を効率的に動かす KPIマネジメント-楠本和矢
事業の進捗状況を測定するための指標とご理解いただければ問題ありません。
KGIとの関係性
KPIは、KGIとセットで使用される指標で、以下のような構図で成り立っています。
KGIは「Key Goal Indicator」の略で、事業やプロジェクトで最終的に達成したい目標を定量的に表した指標です。例えば「業務を効率化する」という定性的な目標では漠然としていて効果を測定できないので、KGIとして「コストを30%削減する」といったように定量的に設定します。
KGI達成のためにフォーカスすべき点、どの手段にどのくらい傾斜をかけて取り組むかを明確にするのがKPIです。KPIを達成できなければKGIも達成されない構図になっています。KPIツリーを説明している記事も参考にしてみてください。
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KPIの3つの種類
KPIは、レベルによってさらに3つの種類に分かれます。これらは日頃の進捗管理の場面ではなく、KPIを設定する際に使い分けることが多いです。
②KRIを起点として、①KFI、③KAIを行き来して指標を決定します。それぞれの指標について簡単にご説明しますので、参考にしてください。
①KFI(Key Finance Indicator)…重要財務指標
事業活動の財務的な成果を把握するための指標で、売上や収益を設定します。最終的に達成したい目標を表す指標なので位置付けはKGIと同様ですが、事業の最終目標は財務に関わる事柄であることが多いため、KFIと表すこともあります。どちらで表しても違いはありませんが、現在ではKGIの方が一般的に用いられています。
②KRI(Key Result Indicator)…重要結果指標
①財務指標に対して最も効果の大きい項目の達成率を測るための指標です。例えば、①で売上や利益を設定した場合に、リピート率や顧客満足度を設定するようなイメージです。最終的に達成したい目標と日々のアクションを結びつけるための重要な指標です。
③KAI(Key Action Indicator)…重要活動指標
3つの中でもっとも具体度の高い、アクションレベルの進捗を測る指標です。アポ数やSNSの発信数など、純粋なアクションの回数を設置することが多いです。日々とるべきアクションは時と場合によって変わりやすいため、アクションが事前に明確になっていない場合には設定する必要はありません。
3つを厳密に分けて設置するかどうかは、事業内容やチーム規模次第です。はじめは抽象的な指標から設定し、アクション管理も必要だと判断したら③など具体的に設置していくこともあります。
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KPIを設定する目的
KPIを設置する目的は「最終目標の達成に向けてフォーカスすべき点を明確にし、定量的に結果を計測できるようにすること」です。
事業運営では「選択と集中」が重要です。KPIを設置することは、反対に取り組まないことを定めることでもあります。KPIを用いることで取り組むべき業務が明確になり、効率的に最短距離で目標達成することが可能になります。
また、定量的に結果を表せることで目標に対する現在地の把握も可能になります。KPIによって現在地を正確に把握できるようになり、最適な次の打ち手を検討することができます。
KPIを用いることによる効果
目的と重複する箇所もありますが、業務進行においてKPIを用いることによる効果を3点ご紹介します。
目標達成までの道筋が明確になり、業務効率化に繋がる
戦略を山登りに例えることがありますが、山頂を最終的に達成したい目標(KGI)とすると、そこに到達するまでの道筋を決めるのがKPIです。KPIによって進むべき方向を明確にすることでメンバーも必要な業務に集中でき、業務を効率的に進められます。
客観的に評価でき、属人化を防ぐことができる
事業やプロジェクトの状態を定量的に表すことで、個々の判断によらない客観的に評価が可能になります。例えば「売上を去年より増やす」というだけでは人によって目標値がばらつきますが、「売上1億円」を目指している中で現状が7,000万円であれば、残り3,000万円が足りていないのは誰がみても明白です。チーム全員が同じ基準で事業の状況を把握できるので、その後の打ち手をスムーズに進行することにも繋がります。
問題点を正確に把握できる
定量的に成果状況を表すことができるので、停滞している数値があればすぐに気づくことができます。現状と目標値の乖離を正確に把握することが正しい解決策を出すことに繋がり、効率的な問題解決が可能になります。
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KPIを設定するまでのステップ
KPは複数の要素を鑑みて慎重に設定するものですが、今回の記事では大枠の手順をざっくりとご説明します。KPI設定の流れをイメージする際に参考にしてください。
また、KPIの設定も目標設定のひとつです。目標設定の方法について解説している記事も見てみてください。
1.最終的な目標と、達成のための理想的な状態を明確にする
まずは最終的に達成したい目標(KGI)を改めて確認します。また合わせて、KGI達成のために実現すべき状態を明らかにします。最も効率的に目標達成するために必要な行動や状況のことで、KR(Key Result)やKSF(Key Success Factor)と言い表すこともあります。
例えばKGIを「XX事業での年間売上1億円」とした場合、目指すべき状態として「リピーターがいること」「XXが顧客に認知されている状態」などです。数値の設定は後半で行うので、この時点では項目のみ出しておきます。
2.必要なアクションを洗い出す
次に、理想とすべき状態を実現するために必要なアクションを洗い出します。ここでは実行レベルの細かいアクションではなく、仕組みや施策を検討します。どのような取り組みによって理想状態を実現するかのイメージがつけば良いので「SNSを始める」「割引制度を設ける」くらいの粒度でOKです。
3.KGI〜KPIの指標をストーリーとしてまとめる
1.2.を通して必要な施策をおおかた出し終えたら、それらをストーリー形式で整理してまとめます。具体的には、各KPI達成後の状態を想像し、すべてのKPIを達成したときにKGIを達成できるか、を確認します。
指標だけでは現実と乖離してしまったり抜けが生まれてしまう可能性があるため、全体を一つの流れとしてまとめ、現状のプランの中で脆弱な部分を洗い出します。
4.各項目に測定可能な指標を当てはめる
全体の流れを確認し問題なければ、1.2.で出した各項目に数値目標を施します。過去の実績や他社事例で参考になる数値があればそれを参考に、もしなければ仮説で立てても構いません。前項までにあげた例であれば「新規顧客のリピート率: 30%」「SNSフォロワー数: YY人」などです。どの数値もKGI・各KPIと連動しているので、それぞれを行き来して齟齬のないよう設定します。
5.必要があればさらに細かいKPIに落とす
マストではありませんが、一旦出したKPIをさらに細かく設定します。「KPIの種類」でご紹介したKAIに該当します。KGIやKPIの規模が大きく日々のタスクに落としづらい場合や関係部署が多い場合、メンバーに未経験者が多く細かく目標管理をしたい場合に有効です。
各ステップで目標と数値を設定できたら、KPIの設置は完成です。あとはこれに合わせて実行していくのみです。
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KPIを活用するためのポイント
継続的に振り返りと修正を行う
目標管理は何事も、一度立てて実行するだけでは意味がありません。一度KPIを設定したら進捗を定期的に確認し、結果に合わせて方針を変更していくことで目標達成に近づくことができます。特に事業やプロジェクト進行では過去に例のない新しい施策に取り組むことも多いので、はじめは仮説程度にプランを立てて修正しながら進めていくのが一般的です。
立てた目標はチーム全員に共有する
抽象度の高い目標や戦略は、リーダー層のみが把握し担当者には伝達されないことがしばしばありますが、情報は関係者全員に伝えることが重要です。現場の担当者が「自分の仕事が事業全体の何に繋がっているのか」を意識できることは、業務上の意思決定にも繋がる大事な要素です。例えばタスクが手一杯になった際の優先順位の判断や、他部署との関わり方などに影響します。役職に関わらず、目指していく方針と、その背景を丁寧に伝えてあげてください。
おわりに
KPIの活用するためには、KPIマネジメントが必須です。KPIマネジメントに関する著書や記事も複数あるので、本格的にKPI管理をされる方は是非探してみてください。