デシジョンツリーとは?言葉の意味と用途、作り方を解説

デシジョンツリーについて解説している記事のイメージ画像です

ディシジョンツリー(Decision Tree)とは、ある目標やゴールに向かううえでとりうる選択肢を洗い出し、それぞれを評価・比較するために用いるフレームワークです。言葉の意味からツリーの作成方法までご紹介しますので、ぜひ参考に取り組んでみてください。

デシジョンツリーとは

言葉の意味

ディシジョンツリー(Decision Tree)とは、ある目標やゴールに向かう上でとりうる選択肢を洗い出し、それぞれを評価・比較した上で、実際に取り組む選択肢を決定するために用いるフレームワークです。樹形図の形で洗い出すのでツリーという名前がついており、そのまま漢字で決定木と書かれることもあります。

デシジョンツリーのサンプルイメージ

目的と用途

ディシジョンツリーを用いる目的は、ビジネスにおいて論理的に正しい意思決定をすることです。ビジネスを進める上では意思決定が必要な場面が多々ありますが、主観や直感に任せて判断したり、なんとなく理由がないまま進めたりするのでは適切とは言えません。ディシジョンツリーでは、考えられる選択肢を洗い出した上で数値に基づいて比較・検討することができるため、論理的・客観的な判断に役立ちます。したがって、戦略の立案から分析、事業検証などさまざまな場面で役立てることができます。

デシジョンツリーに用いられる記号

デシジョンツリーは一般的に「ノード」という要素を用いて作成されます。冒頭の図にあるような正方形と丸形のノードを用いて、それらを線で繋ぐことで分岐を表現します。以下では、それぞれの記号の意味と使い方をご紹介します。

意思決定ノード

意思決定者が判断できる事柄を表したものです。主に始点に用いられ、正方形で表します。デシジョンツリーの始点になるので、一つのツリーに対して必ず一つ使用します。

確率ノード・イベントノード

こちらは選択肢を表すノードです。意思決定ノードから伸びた線の分岐先に配置します。確率ノードから確率ノードに移動する場合もあり、個数に決まりはありません。

終点ノード

デシジョンツリーの終点を示すノードで、左向きの正三角形で表します。これ以降にノードを置くこと・線を結ぶことは絶対にありません。ほとんどの場合、終点ノードの右側に結果を記入します。

上記3つを線で繋ぐだけで簡単に図を作成することができます。フローチャートなどと比べて、利用する記号の要素が少ないこともデシジョンツリーのポイントです。

デシジョンツリーの作成ステップ

デシジョンツリーの作成方法はとてもシンプルで、ざっくりまとめると4つのステップで取り組むことができます。今回は“業務効率化のために自動化ツールの導入を検討している場面”で使用したデシジョンツリーを例に、ツリーの作成方法をご説明します。

デシジョンツリーのサンプル

1. テーマとゴールを明らかにする

基本的ですが、最も重要なステップです。デシジョンツリーを作り始める前に、検討内容とゴール、評価の方法について整理しましょう。いきなりツリー形式でまとめては遠回りとなり、修正に時間がかかってしまうためです。
特に重要なのは評価の方法です。デシジョンツリーでは全項目を数値的に評価しますが、用いる計算式は検討内容によって異なるため一概には決められません。デシジョンツリーのテーマに合わせて考えてみてください。例えば今回作成したデシジョンツリーでは、以下のように箇条書きでまとめてからスタートします。

2. テーマを配置する

デシジョンツリー作成にあたっての大枠を確認できたら、実際にツリーの作成に入ります。はじめに、ツリーの始点として意思決定ノードを配置します。以下の画像の黄色枠の部分です。

意思決定ノードを配置したら、合わせて今回のテーマを記入しておきます。何について検討しているかが分かるよう、テーマは一言でまとめましょう。

3. 考えられる選択肢を並べていく

次に、2.で配置した意思決定ノードから選択肢を分けていきます。考えられる選択肢を網羅的に洗い出し、一つの選択肢に対して一つの確率ノードを配置していきます。

デシジョンツリーでは各選択肢を定量的に判断することで客観的な評価を可能にします。ざっくりでも構いませんので、どの選択肢に対しても数値ベースで評価をしましょう。今回のツリーではツールごとに効率化に対する期待値が異なるため、ツールの種類で分岐した後、導入後の見込みのコスト削減額(どのくらいのコスト削減が見込めるか)と、それぞれの発生確率を記入しています。検討内容によっては、5〜10段階に評価を分けて割り振りを行ったり、その他の観点で重み付けをしたりする方法もあります。

4. 終着点にたどり着くまで掘り下げる

3.と同じ手順で結論に繋がるまでツリーを展開し続け、終着点にたどり着いたら、三角形の終点ノードを用いてデシジョンツリーをクローズします。

今回の例では、削減額と発生確率から期待値を算出し、発生したコストを差し引いた最終的な評価額を比較しました。ツールAがもっとも評価が高いので、最終的にツールAを導入することが決定します。
機能やイメージだけで導入するツールを検討することは難しいですが、このように評価額を算出することで、客観的に効率化の効果を測ることができます。

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デシジョンツリーを作成できるツール

デシジョンツリーは、自由に図式化できるサービスであればどんなツールでも作成することができます。ミニマムな形では、例えばPower PointやGoogleドキュメントの図式化機能でも作成できます。ただ個人的には、チームや部署のメンバーとディスカッションしながら作成でき、編集も簡単にできるよう、以下のようなクラウドサービスを利用することをおすすめします。

Figma

サービスサイト: https://www.figma.com/

今回の記事ではFigmaを利用してツリーを作成しました。Figmaはデザインツールのため、分かりやすく綺麗に図を作成することができます。操作性がよく、複数名での作業もサクサク行えることが一番のポイントです。

Lucidchart

サービスサイト: https://www.lucidchart.com/pages/

フロー図の作成に特化したサービスで、デシジョンツリー以外の図も作成できます。要素と線を選んで繋ぐだけでツリーを作成することができるため、繰り返しツリーを作成する必要のある場合や、サービスの操作に慣れていない方が作られる場合に便利かと思います。

まとめ

デシジョンツリーの作成方法について、ご理解いただけましたでしょうか。今回ご紹介した例以外でも様々な場面で利用できますので、ぜひご自身の周りの検討事項に当てはめて利用してみてください。

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